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短編小説

空を飛びたいアヒル

作者: うわの空

 むかしむかしあるところに、空を飛びたいと願うアヒルがいました。

「どうして僕の翼は飛べないんだろう」

 アヒルは毎日毎日、そう嘆き続けていました。


 そこに1匹のオオカミが来て、こう言いました。


「それは、君の身体が重いからだよ。身体を軽くしたら、きっと飛べるよ」

「本当に?」

「うん。僕が手伝ってあげるよ」


 オオカミはそういうと、アヒルの足を食いちぎりました。

 アヒルはあまりの痛さに、悲鳴をあげました。


「だけどこれで身体が少し軽くなったから、飛べるようになってるかもしれないよ」


 そう言われたアヒルは、懸命に翼を動かしました。

 けれどもちっとも飛べません。


「それはきっと、君の身体がまだ重いからだよ」


 オオカミは次に、アヒルのしっぽを引きちぎりました。

 それでもやっぱり飛べません。


 オオカミはその次に、アヒルのお腹をえぐりとりました。

 それでもやっぱり飛べません。


 アヒルは痛くて、悲しくて、泣きじゃくりました。

 それを見たオオカミは、こう囁きました。


「頭が重いのかもしれないね。僕が取ってあげるよ。そしたら、飛べるかもしれない」


 オオカミはアヒルの頭をくわえると、最後にこう言いました。



「君は馬鹿だね。…ごちそうさま」



 アヒルの頭の中で、何かが砕ける音が聞こえました。




 オオカミがその場から離れた時、そこに残っていたのは

 最後まで飛べなかったアヒルの翼だけでした。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハートフルなお話かと思ったら、ダークなお話だったので笑いました。 [一言] 他のも気になるので読んでみます!!
[一言] 怖い
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