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夏を想う歌

【その1 初めての夏】


生まれ落ちて

 長い年月が経ち

幾度も通り過ぎたはずの季節


この年の夏が

 これほどまでに特別なものになるなんて

だれが予想できただろうか


紺碧の空が

 白い雲をくっきりと浮かび上がらせ

光が弾ける緑なす木々が風を受けて歌う


何もかもが生命を得たように

  私の生が鮮やかに照らし出されたのだ


初めての夏だった


☆〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆


【その2 季節が移ろおうとも】


夏の余韻が大気に残っている

 時は過ぎ去り、灼けつくような日差しが霞んだとしても

 私はあの日を忘れることはないのだと気づいた


日々の記憶は、ただ記憶というだけではなく

 私の身体に刻まれ

 魂までも変えていった


季節が移ろい

 私の眼前に

それを感じることがなくなったとしても


私はもう二度と

 たったひとりの自分に戻ることはないのだと知ったのだ


☆〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆


【その3 夏を想う歌】


想いが歌になる

 心の奥からあふれ出し、唇からこぼれていく


その歌が風に乗って

 あの季節に届けばいいと思う


応えなくてもいい

 答えられなくてもいい


ただ、私がこの生涯を終えるまで

 どうしようもなく想い続けてしまうことを

 許してほしいと

  願うのだ

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