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なろうっぽい小説

異世界から勇者が召喚されたらしい

作者: 伽藍

魔王を倒すために勇者が召喚される世界で、魔王と側近が話すこと。悪いことはしちゃ、めっ、ですよう。

ストーリーというより覚え書きの会話劇。この世界のことについて。

 この世界は、種族間戦争のまっただ中にあった。


 とは言っても、すべての種族が相争っているわけではない。大雑把に分けてしまえば、この数百年で急速に人口を増やしたために生存圏を広げたい純人たちと、そんな純人たちから自分たちの生存圏を守りたい亜人たちの争いである。


 古来よりこの世界の自然と魔力の運行を司る妖精、莫大な魔力と強い生命力を持ち高度な魔法を操る魔族、高い身体能力や始祖から受け継いだ種族由来の能力を武器とする人魚や獣人など、基本的に亜人というのは純人に比べれば大変に強いものだ。一見すれば、純人と亜人の戦いは亜人たちの圧勝になるかと思われた。

 けれど実際のところは、本格的な戦闘が始まってからすでに何十年にも渡って戦争が続いているのが現状である。亜人たちは個々の戦いに負けることはほとんどないが、純人たちに勝ちきることもできていないのだ。


 原因としては、単体性能では純人を勝る亜人たちの人口の少なさと出生数の少なさが大きい。

 魔力が大きければ大きいほど長寿の傾向にあるのは全ての生き物に共通することだが、同時に少産少死という言葉があるように、長寿であればあるほど生殖能力が弱く出生率が低いのも世の常である。大きな魔力を持つものが少ない傾向にある純人に比べて、大きな魔力を持つものが多い亜人たちは、繁殖能力という点では圧倒的に不利なのだ。


 結果的に、純人たちと亜人たちの戦争は各所で一進一退の攻防を続けている。

 いかんせん純人というのは寿命が短く世代交代が早いために、もはやほとんどの純人たちにとっては戦争のきっかけやそもそも純人たちから戦争を吹っかけたことなどは時の流れで忘れ去られてしまっていた。すでに目的も引き時も失い、ただ長く続く戦争により降り積もる犠牲になった戦死者たちを数えて亜人たちへの憎しみを募らせる悪循環に陥っている。


 そんな中で、とある純人国が秘策を打ち出した。その手法はあっという間にさまざまな純人国に広がり、戦争は更なる長期化の様相を見せている。

 その秘策を、希望をこめて純人国の人びとはこう呼んでいる。



 勇者召喚、と。


***


「……あーぁ」


 さて、こちらはとある魔族国の王宮、その国王執務室である。

 周辺の純人国民たちの憎しみを一身に受ける魔王は、配下からの報告を聞いて面倒くさげに天井を仰いだ。職人(特にこの手の技術はドワーフなど一部の妖精が得意とする)たちの技術の結晶である天井彫刻を見るともなしに眺めながら、口を開いた。


「やっちゃったねえ」


 視線を向けられないままそう声をかけられて、配下は苦笑しながら頷く。


「そうですね。尊い方々が動くような事態にならなければ良いのですが」

「嫌だなあ。僕らのせいじゃないのに、僕らまで怒られちゃうじゃない」


 子どものような口調でそう言って、ようやく魔王は正面に向き直った。


「他の亜人国たちの様子はどうなの」

「そうですね、戦闘を得意とするものの多い魔族や肉食獣人の多い国はともかく、兵力によっては苦戦しているところもありますね。特に当国からほど近い東方に位置する、戦闘を得意としない花の妖精を女王に戴く妖精国は、国民にも植物系の妖精や小柄な草食獣人たちが多いですから、真っ先に支援要請が届くかも知れません」

「困るよー。純人ってのは亜人と見れば一緒くたにみーんな排斥しようとするんだから、他国だろうが亜人国が圧されるってことは亜人そのものの生存圏が削られるってことじゃない。それに、あの妖精国の産出する農産物や魔法植物は大切だよー。良くないねー……」


 呟き、ほんの数秒だけ目を閉じて、


「この国には魔族やら戦闘に長けた種族が多いし、っていうか戦闘大好き血気盛んな蛮族どもが多いし、他国からの支援要請がきたら最優先で対応しようねー。ちょっとでも油断すれば奪われるのは一瞬だけど、一度でも奪われたら取り戻すのはとーっても面倒くさいもの。純人ってばほんの数十年で何度も世代交代するんだから、ほんの百年もすれば四千年前から自分たちの土地でしたみたいな顔をし始めるよー」


 いかにもうんざりとしたように、魔王は言った。それから、はたと興味を惹かれた様子で配下に問いかける。


「で、実際はどうなの。異世界から召喚されてきた勇者って」

「勇者といってもピンキリですが、大きな魔力を持ち、亜人にも対抗しうるのは事実ですね。亜人に対抗しうる力を持たない勇者は表に出てこないだけかも知れませんが」

「なに、召喚とか嘯いた誘拐をするだけしておいて、役に立たなさそうだったら殺すか追い出してるかもってこと? うへー」


 舌を出す魔王に、配下は苦い顔で頷いた。


「我らが言うことではありませんが、戦争とは本当にひとを狂わせますね」

「仕方ないよー、問答無用で殴ってくる相手とお話し合いなんてできないもの。まずは殴り返して黙らせてからじゃなくっちゃ、彼ら交渉の席にすら着けないんだもの。……さすがに、何十年も黙ってくれないだなんて思ってもみなかったけど」


 ふっと、ふざけた調子をほんの一瞬だけ取り落として、


「平和であるに越したことはないけれど、平和であるためには殴られたら殴り返せないとお話にならないからね」


 にこー、と笑う。もう千年近く生きているはずだが、昔から変わらない、子どものような男だった。

 配下が唇を湿らせて続ける。


「勇者を捕虜にした獣人国から話を聞きましたが、その勇者は魔法の存在しない世界から召喚されたそうですよ。もっとも、全ての勇者が同じ世界から召喚されているかは判りかねますが」

「うーん、少なくとも召喚元の世界は同じ、ないし似たような世界だと思っていいんじゃないかなー。いろいろな世界からわざわざ異世界人を召喚するだなんて面倒だし、意味がないもの」


 それからはたと気づいたように瞬いて、魔王が首を傾げた。


「魔法が存在しない世界から召喚されたのに、勇者たちは魔法を使っているんだよねー。ってことはつまり、本来は魔力を持たない勇者たちの、魔力ではない何らかの生体エネルギーが魔力に変換されてるってこと? 召喚元の世界特有のエネルギーかな。なんだろ」

「いいえ、その勇者の出身世界では特に生体エネルギーの運用などはしていないそうです。獣人国の魔法士の見立てでは、おそらく召喚のタイミングで生命力を魔力に変換する呪いがかけられていると。生命に直結する部分ですので、迂闊に解くことはできませんね。他の勇者たちにも同じ呪いがかけられているのだとすれば、魔法を使う頻度にも寄りますが前線に出ていれば恐らく若い者でも一年は生きられないかと」


 魔王はぱかっと口を開けた。


「禁忌の大盤振る舞いじゃないの。そもそも異世界人召喚ってのもさぁ、この世界にダメージが入っちゃうから尊いお方々から怒られかねないのに」

「異世界人召喚が禁忌であることは純人たちも知っているはずですが、戦争のためにあえて禁忌を無視して踏み切ったのか、長く続く戦争で資料が散逸するか意図的に情報が抹消されるなどでそもそも禁忌であるという意識そのものが抜け落ちているのか、わたしどもでは判りかねますね」

「どっちもありそー……」


 あーぁ、と魔王はまた面倒くさそうな溜め息を吐いた。


「こう、さぁ……僕らってば種族なんか関係なく、みーんなまとめてとーってもえらーいお方々にものすごーく怒られちゃうんじゃないの? こらぁ! って」


 ふざけた言葉のわりには憂鬱げな口調で、魔王は言った。配下は涼しげな表情を崩さないまま、眼鏡を指先で押し上げる。


「そこまでは判りませんが、すでに純人たちは尊いお方々のお怒りを買っているでしょうから、純人たちは恐らくこの先の数十年で急激に人口を減らすでしょうね。人口が減れば、今のように亜人国に喧嘩をふっかけ続ける体力もなくなるでしょう」


 そこで初めて、配下は表情を崩した。ふっと皮肉げに笑う。


「そもそもは純人たちの人口過多から始まった戦争ですから、結果的に純人たちは目的を達したと言えます。もっとも、彼らは自分たちが掲げた当初の目的ももう忘れていそうですが」


 魔王は、ちら、と片目で配下を流し見た。


「お怒りだなんて、やけに言い切るじゃない。何か根拠があるの?」

「とある勇者が、魔法石を使った便利な魔道具を開発したそうですよ。本来であればクズ石として扱われるような、ほんの小さな魔法石でも運用できる、なんでも大変に画期的な魔道具だそうで」


 画期的、と口では言いながら興味のなさそうな顔をする配下に、魔王は首を傾げた。


「へえ、どんなの」

「魔法が使えずともスイッチ一つで防衛魔法が発動できる防衛魔道具に、同じく魔法の素養に関係なくスイッチ一つで魔力弾が打ち出せる攻撃魔道具だそうです。これによって、今までは魔法戦闘に参加できなかったものたちも参戦できるようになるとか」

「ふうん……」


 同じように興味なさげな顔で頷いてから、はたと魔王は顔を上げた。


「それって良くないんじゃないの。いや、純人の戦力が増えるのはどうでも良くて」

「もちろん、良くはありませんね。わたしも実物を拝見しましたが、魔力の多寡や魔法が使えるかの素養に関係なく、使用者の生体魔力を強制的に吸い上げて発動するもののようです。ある程度の魔力を持っていればそれほど気にする必要はありませんが、魔力炉が発達する前の子どもや逆に衰えた老人、もともと魔法が使えなかったり簡単な魔法しか使えないほど魔力の少ないものが使用すれば、恐らく勇者たちと同じとまではいかずともそれなりに寿命は縮むでしょうし、そうでなくとも生殖能力を失う可能性は十分にあるでしょう」


 全ての生き物は、ただ生きるだけでも、次代を生み出すのにも魔力を必要とする。魔法が使えるか使えないかに関係なく、だ。魔法が使えなくても、全ての生き物は魔力を持っている。生き物どころか、この世界のあまねく全てのものには魔力が宿っているのだ。

 例外はそれこそ異世界から召喚されたり事故で迷い込んだりした異世界人くらいだが、彼らもこの世界で生活しているうちにこの世界の法則に組み込まれていく。この際に魔法の適性が発現するかどうかは個人の才能による。


 そもそも、繁殖能力に長けた純人でもあまりに魔力の少ないものは生殖能力に劣るといわれている。子どもを生み出すだけの魔力を担保できないからだ。この際にはパートナー同士で協力したり、食環境や住環境を整える必要があるし、それでも子どもが生まれないこともある。


「純人の方々も、少し考えれば判りそうなものですが……。もしかしたら、この戦時の数十年で教育が後退しているのかも知れません」

「ふーん……」


 魔王は眉を上げた。


「そもそも純人ってのはさー、数百年前にやらかした【賢い女性狩り】……純人たちは魔女狩りなんて呼んでるんだっけ? それのせいで、それ以前に比べて種族全体の平均魔力が何段階も落ち込んでるんだよねー」


 あーぁ、と魔王は嘆息した。


 数百年前に、教会と権力者たちの主導によってあらゆる純人国で魔女狩りの嵐が吹き荒れた。

 犠牲になったのは種族的な魔族の一端である魔女ではなく、多くはちょっとした魔法の使える純人女性たちだ。魔族を中心とした亜人たちは、種族の魔女と分けて歴史的な魔女狩りを【賢い女性狩り】と呼んでいる。


 なぜ純人たちが【賢い女性狩り】を行ったのかは、いろいろな理由がある。賢い女性たちには民間医療を担ったり生活の知恵を授けたりする者も多かったから、医療分野を権力の管理下に置きたい政治家たちの思惑や、魔法の知識を独占したい貴族たちの思惑や、昔ながらの生活様式を排除して新たな商売で利権を手に入れたい大商人たちの思惑や、人びとに慕われる賢い女性たちを疎んじる教会の思惑があったりした。

 本当に色々な思惑があって、その権力闘争のなかで、権力者たちは社会的な立場の弱い女性たちを踏みつけることを躊躇わなかった。


 賢い女性たちの多くは、家庭のなかで生活をほんの少し便利にする魔法を使っていたり、ちょっとした傷や病に効く薬を売っている魔法薬師だったりした。ささやかな魔法を使えるだけの女性たちが、強い悪意を向けられて切り抜けられるはずがない。

 結果的に、多くの罪のない女性たちが犠牲になったのだ。途中からはもはや魔法が使えるかどうかすら関係なく、女性であるというだけで火刑台に上げられることも多かった。小さな村などでは、女性がただの一人も残らなかったという事態も珍しくはなかったという。


 ほとんどの女性たちは逃げることもできず、ひと握りの高位魔法を使える女性たちは純人国を見限って亜人国に移り住んだ。もともと男性よりも子どもを産む役割を持つ女性のほうが魔力は多く、魔力の多い子どもは魔力の多い親からこそ生まれやすいものだから、この流れの中で純人全体の魔力量は大きく落ち込むことになった。


「まあそれも、本来であれば数百年をかけて戻るはずだったんだろうけれど……、純人たちが高い魔力を取り戻すよりも先に人口過多で自然魔力の消費が跳ね上がって、しかも純人たちが自然を壊し始めちゃったものだからまた自然魔力が減衰して、挙げ句にこの戦争でしょー」


 きろ、と魔王は視線を彷徨わせた。嘆息する。残念そうに、愉快そうに。


「尊いお方々はきっと頭を抱えてるだろうねー。これから純人たちが減衰していくのは、なるべくしてなったっていうかさー、自業自得っていうかさー、世界の調整っていうかさー、……免疫だよねー、これ。まあ適度に短命でほどほどに高度な純人って生き物はさー、短いサイクルで転生を繰り返して魂を磨き上げるのにはちょうど良いから、滅びることはないだろうけど……」


 独りごちて、ふと魔王は配下に問うた。


「で、その魔道具って威力はどうなの? 特に防衛魔道具はちょっと気になるかなー」

「実戦に耐えうる強度はありますね。とはいえ、破れないことはありませんが」

「そう……。じゃあ、戦力が足りなくなりそうであれば随時調整しようね。それだけ純人にとって便利な魔道具であれば、たぶん戦争だけじゃなくて防犯とかにも使われるようになりそうだし……、子どもの魔力量ってのは本人の適性と生育環境も大きいけれど親の魔力量の影響も大きいから、その魔道具が広まれば広まるほど、代を重ねるごとに純人の生殖能力が急落していくわけだね。男児よりも女児のほうが生まれてくるのに必要な魔力が多いから、そのうち魔力が足りなくて女児はどんどん生まれなくなるんじゃないかな。そこまでいったら本当に一気だろうねー。あぁそうだ、女性に飢えるだろう純人国の男どもから、うちの女性国民たちに害が及ばないようにしなくちゃ」


 納得したようにふんふんと頷いて、魔王は薄らと笑った。


「もしかしたらその開発者である勇者こそが、尊いお方々に選ばれた本物の【勇者】様かも知れないねえ。本人にその自覚があるかどうかはともかくとして。【勇者】様は、無意味に長引いたこの戦争を終結させるだろう」


 んふふ、と面白そうに。


「本人は、本気で亜人に対抗するためにその魔道具を作ったのかも知れないけれどね。それが純人たちの繁殖能力の急落に繋がるなんて、この世界のことを知らない異世界人が迂闊な開発をしたがゆえの悲劇だね」


 あるいは、と直前の言葉を翻して。


「もしかしたらその【勇者】様はさー、何もかもご存じかも知れないよ。何もかも承知のうえで、同意なく異世界に召喚したこの世界の純人たちに復讐をしているのかも知れない」


 あるいは、とまた直前の言葉を翻して。


「なんだったら、【勇者】様は異世界人ですらないのかも知れないね。尊いお方々が遣わせた、この長く続く膠着して無意味な戦争を終結に導く、【勇者】様という形の何かなのかも知れない。何にせよ、【勇者】様は画期的な魔道具を開発したんでしょ。開発できたのなら、それが尊いお方々の選択だということだよー」


 この世界の純人たちは減衰するだろう。けれど別に滅びることはないし、きっと数百年後にはこの戦争のことすら忘れてまた元気に繁殖しているだろう。何も問題は起こらない。

 だからきっと、これがこの世界の選択なのだ。


「こういうことがいくらでも起きうるから、異世界人の召喚は止めようねーってお話になってたのにね」


 言って、魔王は大きな窓から空を見上げた。

 とある純人国の方角を眺めやる。魔王はこの世界でも屈指の実力者で、強大な魔力と魔法力を持っていたから、よくよく眼をこらせば繰り返された異世界人召喚によって生まれたこの世界の揺らぎがかすかに見て取れた。


 あーぁ、と呟く。



「だーめだよー、悪いことしちゃー」

人間だってエミューに勝てないんだからそりゃー妖精や魔族だって人間に勝てないよなあ、とか思いながら書きました。書いている途中で、人間とエミューなら単体性能で勝るのはどっちだ、、? って思考が迷宮に入り込みそうだったので考えるのを止めました。人間もエミューも陸に生きてるし肺で呼吸してるし二本足で立ってるし似たようなものだから大丈夫大丈夫。人間と人魚よりも、人間とエミューのほうが近いし似ている。


何となくわたしが考えている世界観の覚え書きです。別に今まで書いていた小説が全部この世界のお話というわけではないけれど、薄らと根底にこういう感じの考えが流れています。

よくあるファンタジーを書こうとするとき、「魔女」という言葉を「ただ魔法が使えるだけの賢い女性」と定義するか、「魔族の一端であり(魔族でないこともあるね)人間とは根本的に異なる生き物」と定義するかって誰しもが考えるところかと思うのですけれど、わたしのナーロッパ世界観だとこんな感じです。純人からしてみれば賢い女性も魔族の魔女も同じ生き物だけれど、亜人からしてみれば賢い女性と魔族の魔女は違う生き物です。

ちなみにこの世界で「賢い女性狩り」以前には純人国の純人でも数百年を超える長寿を持つものがいましたが、そういった女性たちはみーんな「賢い女性狩り」のタイミングで亜人国に逃げ出しちゃったので純人国の魔法士で寿命に影響があるほど莫大な魔力を持つものはほとんどいなくなりました。だから同じ純人という種族でも、純人国出身か亜人国出身かでびっくりするほど魔力量が違ったりします。


わたしたちが生きているこの世界には特段防衛機構というものは存在しなくて好き勝手に人間が世界を壊し続けているけれど(いや、あるかな? 人間が知らないだけでもしかしたらあるのかも知れないし、温暖化や人間の健康を蝕む環境汚染そのものが防衛機構だと言われればそうなのかも知れない)、作中の世界には薄らとした防衛機構が働いています。人間が増えすぎたり自然を壊しすぎたら自然魔力の減衰によって自動的に繁殖能力にブレーキがかかるようになっているし、人間が世界を壊し始めたら何となく流れで「なるように」なります。でも尊いお方々が地上を何もかも管理しているのは不健全なので、人間たちの自浄作用に期待する意味もこめてあくまで薄らとした防衛機構です。だから人間たちの自浄作用が働かなければ一時的に人間が暴走してしまうことがある。

そのときに免疫の働きが間に合わなくて世界が致命的なダメージを負っちゃったら尊いお方々がご降臨されることもあるかも知れないし、諦めて世界が丸ごと消却されることもあるかも知れません。本作ではそうなる前に純人たちの減衰が確定したのでよろしゅうございました。


【追記20250220】

活動報告を紐付けました。やったー!

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/799770/blogkey/3406193/

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