表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンガ喫茶だより アマポラ編  作者: 樸 念仁
6/7

彼女は隠れエレコン派?

http://reviews.bookstudio.com/author/10794/10695/6.htm

2008年07月14日(Mon) 23時36分に投稿



一説にいう。女の子は皆エレクトラ・コンプレックスであると。皆父親に恋をする。


それが中学へ上がる年齢に達すると、にわかにうざったく感じるようになり、くさく思うようになる。この変心には、娘の方にも言い分がある。


写真で見ると昔はあんなにかっこよかったパパも、今では馬鹿みたいに体重が増えている。何をいうにも独特なノネナールの香は、一緒にいると移りそうで、なるたけ離れていたい。ママにしてからがパパはくさくてかなわないと言っている。


以上二点、潮智彦も例外ではなかった。


若菜も幼かった日、十才ぐらいまでは、妹とアルバムをめくりつつ


「パパってE口Y介に似てない?」


とそんなたわいない話をしたものだった。その後、智彦の体はだぶつき、例の臭いを醸した。


けれども、若菜にとり恨めしいのはそんなことではなかった。全然それとは違った。


彼女は母親を憎むのと同じ理由で父親をも憎んだのである。つまり、二人には美男であり美女であってほしくなかった。どうせなら不男と不女が良かった。


それはまたどういうわけなのだというと、簡単である。


非常に美しく設計された建造物、例えばアクロポリスの丘なるパルテノン神殿でも良いし、山口市の五重の塔でも良い。或いはまた、見事に巧まれた庭園芸術、一例がヴェルサイユのそれ、でなければ京都大仙院のそれでも構わない。


そういう、人工美の極致ともいえる傑作に、その絶妙な均整の上に成り立っている美に、何かしら調和を掻き乱すようなイタズラをしたならば、結果はどうであろう。恐らく、元々が完全なだけに、ぶちこわしの効果は甚だしいものであるに違いない。


早い話がマクドナルドのハンバーガーだ。どんなにケチャップをかけて食おうが、マスタードをのせて楽しもうが、前と後とで根本的な味の差は感じられない。最高級の松阪牛でつくったステーキの場合、そうは行かない。コショウのふりかた一つで出来不出来が決まる。


それと同じである。


http://reviews.bookstudio.com/author2.php?id=10794

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ