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⑶『迷宮の入り口と出口の、トポス』
⑶『迷宮の入り口と出口の、トポス』
㈠
思想の行方など、構ってられない、我々は、思想の行方を見定めようとすれば、直ちに、迷宮へと入ってしまうだろうか。それでも、例えば、視覚が薄れて、自己が自己を放棄してしまっても、幻影は確かに、自分を追い掛けてくるだろう。
㈡
まさに、そのトポスこそが、自己実現への誘導であると、誰も信じられないなら、自分が信じるしかないだろう。空転する果てしなき思想もまた、泥沼の中で、清廉潔白な文章を練ることで、自己を文章に体現するという訳である。
㈢
朽ちた花が、街を彷徨う様に、動脈も静脈も取って代わって、迷宮の入り口で頓挫しているなら、思い切って、迷宮に入ってみることだ。出口な見えなくとも、お前の一番知っているお前が、泣き叫ぶ誰かを救えるなら、迷宮の入り口と出口の、トポスは、近いだろうから。