人物紹介(主要人物・ネタバレ含む)
現在まで登場した主要人物のデータです。
年齢は、「明日から夏休み明け」という現時点のものです。
生まれ月は、この世界に星座占いはありませんが、アンドレア→水瓶座、モーリス→魚座、ジルベルト→牡羊座、ハロルド→獅子座、ニコル→乙女座、クリストファー→蠍座、というイメージからです。
【ジルベルト・ダーガ】
ダーガ侯爵家長男。
男性。17歳。4月生まれ。
貴族学院四学年在籍。
髪;黒。瞳;濃紫。
「奇跡」「人外」と呼ばれる美貌の持ち主。
仕事中は静かな微笑を浮かべ、本心は窺えない。
第二王子側近。第二王子専属護衛。『剣聖』。
転生前の日本人女性の記憶を持つ。前世では契約結婚で産んだ息子と娘がいた。子供が欲しくて条件を飲んだ契約結婚だったので、子供達が何よりも大事。息子はクリストファー・コナー、娘はニコル・ミレットとして同じ世界に転生。
前世も今生も常識的に生きようとしたつもりだが、本人の性質がそれに見合わず周囲にも影響を拡散し、前世でも今生でも『犬』に付き纏われる人生。
前世の享年は44歳。数年に渡る入院生活の末、未知の奇病による病死とされた。
【クリストファー・コナー】
コナー公爵家次男。
男性。13歳(年内に14歳になる)。11月生まれ。
貴族学院一学年在籍。
髪;水色。瞳;紺。泣きぼくろ有り。
王国の暗部を司るコナー公爵家の真の支配者。
身体的特徴と能力から、コナー家当主からは、コナー家に数代に一人生まれる「申し子」と呼ばれる天才的殺戮者と認識されている。
転生前の日本人男性としての記憶を持つ。前世は前世のジルベルトの息子。前世から同性愛者だが、恋人に本名や住所も隠すほどで、恋愛にのめり込むことは無い。前世の実母が転生したジルベルトの外見が、好みドストライクなことが悩み。
一種の人格破綻者で本人も自覚があり、前世の母と妹であるジルベルトとニコル以外の人間への扱いは人道的とは言えない。
前世の享年は45歳。結婚を迫るストーカー女性に駅のホームから通勤快速の前に突き落とされ死亡。
【ニコル・ミレット】
ミレット子爵家長女。
女性。14歳(もうすぐ15歳)。9月生まれ。
貴族学院二学年在籍。
髪;金茶。瞳;黄緑。
ミレット商会会長の娘であり、ニコット商会会長。
ニコルが開発した商品の功績により、先代が平民の新興男爵家だったミレット家は、男爵家から子爵家に格上げされた。
ニコル本人も莫大な資産を持っている上に、国力を上げるレベルの商品を次々と開発して流通させているので、王命により保護のためコナー家のクリストファーと婚約。王家もニコルが庇護下にあることを公言している。
実母は浮気が原因で離縁され、実家に戻った後に病死。となっているが、実際は王家の庇護が決定したニコルを他国の人買いに売る算段をつけていたため、実家で幽閉後、毒杯にて処刑された。
転生前の日本人女性だった記憶を持つ。前世のジルベルトの娘で、前世のクリストファーの妹。
前世では女優兼実業家で、化粧品の開発や美容事業の展開でも成功していた。
兄と同じく一種の人格破綻者で、兄以上に他者への共感能力に乏しい。前世でも、適当に交際した男性達はいたが、友人や恋人と呼べる人間はいないまま独身で過ごしていた。本人は、それを寂しいと思うことが生涯出来なかった。彼女にとって、母と兄以外の人間は『データの塊』くらいの認識。
今生でも他人や周囲が『制御できない生身の人間』という認識に欠けていたため、幼少期にやらかして自由な人生は望めなくなった。
他者への共感も慈悲も無いのに、無意識無自覚で他人の人生を救っているので、狂信者と言われるほどの崇拝者を生み出し続けている。
前世の享年は38歳。信じられる人間が連続して死んでいく不安から仕事に没頭し過ぎて寝食を忘れ、栄養失調で死亡。本来は食い意地が張っているので、今生で食にかける執念は深い。
【アンドレア・トュルシ・クリソプレーズ】
クリソプレーズ王国第二王子。
正妃が産んだ二人の王子の一人で、王位継承順位は二位。
男性。17歳。1月生まれ。
貴族学院四学年在籍。
髪;銀。瞳;クリソプレーズ。
『苛烈な最凶王子』と呼ばれ、爽やか王子様スマイルで無慈悲な宣告を与える姿は貴族達を震え上がらせている。別名『血腥い王子様』。
次代の国王がお飾りの傀儡となるため、次代は王国の最高権力者としての実権を握ることになる。
主な職務は、国内貴族の監視と調査と粛清。目を引くパフォーマンスにより、警戒とヘイトを自分に集め、裏で働くコナー家が動きやすいようにし、侵略や反逆の抑止力ともなっている。
政務、実行力、戦闘力、全てにおいて非常に優秀。学院入学前の子供時代は、『完璧王子』と称される兄に対して『天才王子』と称されていた。
第一王子の失脚時期が王太子を挿げ替えるには手遅れであったため、評価の高い自身の血筋は残さないことを父である国王に宣誓。生涯、正妃も妾も持たないことを決めた。
敵が多く、側近の三人以外は基本的に信用していない。常に暗殺の危険があるため、王子だが自分の世話は自分でできるようになった。
二歳頃の高熱以前の記憶が曖昧。特に、自分がどういう人間だったのかは、ほとんど思い出せない。
三歳でジルベルトと出会い、一目惚れで初恋に堕ちる。ジルベルトにカッコイイ主人だと思って欲しいというのが天才への道の原動力となっていた。それから数年後、王子が男性を伴侶にできないことや、ジルベルトが目指している『剣聖』は恋愛や性愛厳禁であることを知り、初恋は綺麗な思い出として昇華。
しかし、第一王子失脚により自身の家族を持つ未来が失われ、『次期国王を傀儡とする為政者』として人間的感情を忘れないための策として、意図的に心に初恋を蘇らせた。
クリソプレーズ王家では、代々『国民の父』である国王となる者は、家族を持ち交流することで人の想いや心を身近に感じ、暴君にならないよう己を見つめ直す機会としていた。
家族を持つことの出来ないアンドレアは、仲間への信頼と初恋をその代わりとし、親愛や慈しみを忘れた独裁者や暴君にならないよう、己に鎖を付けることにした。
代々の国王が、民の命や人生を握りながらも『人の心』を持ち続けるため重視する『自分の家族との交流』の代わりとしてアンドレアが選んだのが『仲間への信頼』と『初恋』であるのは、彼にとって他に正の感情を呼び起こす『人との関わり』というものが無かったから。
【モーリス・ヒューズ】
ヒューズ公爵家嫡男。
男性。17歳。2月生まれ。
貴族学院四学年在籍。
髪;銀。瞳;蒼。
父は国王側近で宰相。母は国王の異母妹。アンドレアとは従兄弟で生まれた時からの幼馴染み。
第二王子側近。
『苛烈な最凶王子』と呼ばれるアンドレアの『氷血の右腕』と呼ばれている。
仕事中は基本が無表情なので、冷笑を浮かべた時はそれを向けられた相手が死を覚悟すると噂される。
第二王子執務室のお母さん的存在。主人のアンドレアの世話をするために、ヒューズ公爵家の筆頭執事に師事して従僕スキルを極めた努力家。秘書としても非常に有能かつ、第二王子執務室唯一の常識人。
天才や、それと紙一重の人物で構成された第二王子周辺を円滑に調整する自称凡人だが、「アレらをまとめられて凡人なわけがないだろう」と国王に力いっぱい頼られている。
いかにも文官然とした細身の貴公子に見えるが、体術のみでも新米騎士を軽く制圧出来る程度の戦闘力を持つ。魔法や得意武器も使えば、制圧に向かった先の悪党らに「外見詐欺!」と声高に叫ばれるくらい強い。
それでも第二王子執務室メンバーの中では一番弱いからと、襲撃を受けた際は仲間達から主君のアンドレアと一緒に庇われることが多い。外見で油断させ、アンドレアの最後の盾となるつもりでいるので、主君とまとめて護られていることは気にしていない。
次期国王の監視役である次期宰相に内定。
大人になった妖精の顔が自分とそっくりであることは知らない。将来、宰相として国政の表に立ち、他国の剣聖と対面することがあれば、二度見されるのは確実。
王妹の母親から虐待的溺愛で洗脳じみた教育をされていたが、ジルベルトとの出会いで高く伸びていた鼻も心も折られて母と決別。言葉と態度で決別を示していても、同じ屋敷内に暮らしていれば、母はモーリスに依存して支配しようとして来るので、モーリスの疲労を嗅ぎ取って腹を立てたハロルドが「殺っていい?」と言い出したのを機に、父と国王を説得(という名の脅迫)して領地の城の塔に幽閉した。
【ハロルド・ヒューズ】
ヒューズ公爵家の養子。モーリスの義弟。
男性。17歳。8月生まれ。
貴族学院四学年在籍。
髪;赤。瞳;オレンジ。
第二王子側近。第二王子専属護衛。
好青年風笑顔の下で、大概ろくでもない事を考えている。
元は、辞職した騎士団長パーカー伯爵が当主のパーカー伯爵家嫡男だが、家が起こした問題の被害者であるハロルドを救済措置としてヒューズ家の養子にした後、パーカー家は廃絶されたため、二度と生家を名乗ることは無い。
物心がつく前からの三人の実姉達による女性を武器にした執拗な虐待により、極度の女性嫌い。
生家であるパーカー家の男子の特徴である、「才能と執着心が比例」が発揮され、『剣聖』であるジルベルトに次ぐ戦闘力と、年齢一桁で近衛騎士の試験を満点クリアという実力に見合った激しい執着心をジルベルトに向けている。
ジルベルトに「犬」と呼ばせ、軍用犬を凌ぐ(というか通常嗅げないモノまで嗅ぎ分ける)嗅覚から、第二王子執務室のメンバーには『変態犬』と呼ばれている。
第二王子執務室メンバー以外に興味が無いので、一見別け隔てなく人当たりが良い態度と『剣聖』に次ぐ強さで、脳筋達の人望は厚いが、実際は相当に非情。また、『飼い主』『主君』『義兄』以外の言うことは聞かない。モーリスからは、野に放ってはならない狂犬扱いをされている。
義兄となったモーリスは、ハロルドが義弟となる以前から、「本人が認めた三人以外には制御不可能なのだから手を出すな」と、強くとも未成年で、父親がマトモな庇護をしていないハロルドを手駒にしようとしていた高位貴族達から、あらゆる手段で守ってくれていた存在なので、懐いているし無自覚に甘えてもいる。
執着するジルベルトの重度ヤンデレストーカーで、主君のアンドレアへの忠誠も固いが、ハロルドの『特別』の中で一番か弱いモーリスに対する過保護が、義弟という大義名分を得て加速。
女性への敵意とジルベルトへの執着は、本人を含む誰にも制御不可能。
国王が人の心を失わないために自らの家族と交流する、というのは、クリソプレーズ王国の王家に伝わる習慣であり、作者の思想というわけではありません。
個人的には、家族と交流があれば人の心が失われないとは限らないと思うので。