そろそろスタート
クリソプレーズ王国及び同盟国の貴族学院のシステムは、同様に揃えられている。
入学資格は14歳から18歳の王族・貴族の子供であること。それだけだ。
入学試験はあるが、これは一学年目のクラス分けのために行われるもので、結果が散々だろうが貴族の子供であれば入学できる。
クラスは一学年三クラス。伯爵以上の身分の家の子供で成績上位者はAクラス。伯爵以上の身分の家の子供で成績が芳しくない者と、それ以下の身分の家の子供で成績上位者はBクラス。身分も成績も低い者はCクラスに分けられる。クラス分けの基準から、Aクラスの人数は少ない。
「学内平等」と基本理念を掲げていても、明確な身分差を実感させられる五年間となる。
学年は一学年から五学年まであり、王族が婚姻資格を得るには学院を卒業する必要がある。貴族は夜会参加資格を得れば婚姻の資格も得るが、王族より若い年齢で結婚する貴族は、まず居ない。空気は読む。
貴族学院では、どれだけ成績が良くとも飛び級で卒業することはできない。
将来必要な諸々を学ぶ場であるため、学問だけを修めて駆け抜けるのでは貴族として足りないのだ。
理念としては「学内平等」を掲げていても、本格的に家の責任を負う立場になる前の訓練場のようなものであり、学院はプチ社交界でありプレ社交界だ。
ここで人脈を築き、立場を確立し、足元を掬われることなく泳ぎ切る術を身に付けなくては、家の名を背負って独り立ちなど出来はしない。
貴族学院の進級、入学のシーズンは、毎年最初の春の王宮茶会の時期と重ねられる。
学年の割り振りは、新年の一日から年末の末日までの一年間で生まれた子供が同学年という決まりだ。
ちなみに、クリソプレーズ王国には春夏秋冬の四季があるが、新年は真冬である一月から始まり、年末は初冬の十二月だ。この世界の一ヶ月は30日で、一年は360日である。閏年の概念は無い。
先日、四学年に進級したジルベルトは、学内でも確固たる地位を築いていた。二学年に進級したニコルも外向きの「貴族令嬢兼実業家」として上手い具合に泳いでいる。
昨日、入学したクリストファーも、外面大王な取り繕いで悪目立ちを完璧に避けていた。
ジルベルト17歳、ニコル15歳、クリストファー14歳を迎える年。そろそろ乙女ゲームのスタート時期が来る。
三人は、ニコルの屋敷で部外者には聞かせられない話し合いを伴う茶会を続けていた。
「入学式から一ヶ月後、二学年のニコルと同じクラスに編入してくるんだったな。時期は原作通りか」
「時期は、ね。ヒロインはエリカ・クーク男爵令嬢。10歳でクーク男爵に引き取られた庶子で、母親は元クーク男爵家のメイド。妖精の加護が物凄く多いことが注目され、母を亡くし孤児院に入って二ヶ月ほどで男爵の養女になった。教育が間に合わず男爵の許可が下りなくて15歳になる年、二学年からの編入になった、ということだったんだけどね。原作では」
「で、こっちが現実。俺の調べではクーク男爵がエリカを養女にしたのは、つい先月だ。つまりエリカは14歳まで孤児院にいた。母親が死んだのは10歳の頃だから、そこは同じ。死因も病死だから同じだな。妖精の加護を多く持つという話は全く出ていない。男爵が昔手を付けたメイドそっくりのエリカとたまたま街で遭遇し、母親の名前や境遇から自分の娘だと判断して養女にした、と国には届け出ている」
「ヒロインも原作逸脱かぁ」
そう言うニコルも大概原作から遠くかけ離れた存在になっている。
外見は「地味でヒロインの引き立て役」ではなく誰もが振り返る華やかな美少女となり、実家も「ちょっと裕福」程度ではなく大富豪。本人の個人資産も莫大で、実家のミレット家は子爵に陞爵している。
王家の庇護を受け、王妃のお気に入りで、ニコルを守るための王命によりコナー公爵家の次男と婚約している。
一貴族令嬢でありながら国の重要人物でもあるため、護衛を連れての入学も許され、常にニコル直属の精鋭とコナー家から派遣された護衛メイドがガチガチに周囲を固めていて、媚を売るにも害するにも近づくことすら難しい。
身分など関係なく、間違いなく学院内で一番の高嶺の花だろう。
成績も、入学以来学年首位を独走中だ。クラス分けが成績だけではなく身分も考慮されるため、真ん中のBクラスに在籍している。
「俺は敢えて原作に寄せたキャラで入学したが、ゲームスタート時期になっても、攻略キャラ全員見事に逸脱だよな」
クリストファーは、学院内では「小悪魔カワイイ美少年」のキャラで過ごし、一人称は原作と同じ「僕」にしている。
五学年に在籍している実姉が、飲み込んではいけないモノを丸飲みしたような顔で見つめていたが、気にしていない。
「僕はクリストファー・コナーです。よろしくね」と自己紹介する様子に苦悶の表情を浮かべる姉への忠告として、わざと「あ! 姉さま♡」と学院内の廊下で抱きついたら、家で兄に号泣で泣きついていた。姉の卒業まで一年間、退屈しなそうだ。
そうやって原作に寄せたキャラ作りで可愛コぶっているが、正体はコナー家の影の支配者だ。一人称は「俺」だし口調も荒い。
クラスは当然Aクラスだ。
アンドレアは生徒会長に就任している。
王族だから、ではない。成績と実力とカリスマで、だ。原作では成績も悪くカリスマ性も無いからと、生徒会メンバーに入ることさえできずにフラフラ遊んでいた。
アンドレアの成績は入学以来不動の学年首位である。公務も第二王子としての表に出せない役割も多忙であるのに、キープし続ける成績は本物だ。クラスは原作ではBクラスだったが、入学以来ずっとAクラスに在籍している。
顔の造作が同じでも、原作の雰囲気と重なる幼稚さや惰弱さは無い。身体つきも姿勢も所作も、随分と原作とは異なることだろう。
原作では生徒会長はモーリスだったが、アンドレアの右腕を自認する彼は副会長だ。
成績は学術系だけなら満点だが、魔法や剣術など実技を伴うものではアンドレアや側近仲間に及ばず不動の三位。
顔つきに『陰険美人』の片鱗は無く、「怜悧な美貌の貴公子」といった風情。
身体も細身とは言え鍛えているし、原作よりは身長も高いだろう。また、周りにハロルドやジルベルトという化け物クラスがいるから荒事担当に見えないだけで、新人騎士程度なら片手間で制圧するくらいには、物理的な戦闘力を備えている。
そして、眼鏡をかけていない!
これは当然のことで、妖精の加護が多ければ、常に健康状態は高レベルに良い状態で維持されるのだ。貴族の中でも上位という多さなら、眼鏡が必要な視力になる筈がない。
眼鏡キャラだった原作のモーリスは、実は言うほど加護が多い方じゃなかったんだろうな、と、この世界の常識に照らし合わせて三人は結論付けた。
クラスは原作同様Aクラスに在籍している。
ハロルドを「脳筋」などと呼ぶ者は学院内の何処にもいない。
年齢一桁で近衛騎士の試験を満点クリアという逸話が脳筋のイメージを持たせないし、学院に入学してからも常に学術系は満点。
自称ジルベルトの犬なので変態の印象も持たれているが、ハロルドの周囲からの一般的な印象は「エリート騎士」なのだ。
実技系もほぼトップだが、三人いる姉に植え付けられたトラウマなのか、笑顔と紳士的な態度でも隠し切れない女性への敵意が滲み出て、ダンスやマナー系の科目が及第点ギリギリで総合点を下げ、成績はモーリスと同位で不動の三位。
一応笑顔と紳士的な態度は崩さないので、ハロルドが敵意を向けていることに鈍い女性は気が付かないが、聡い女性であれば怯えるか苦手に感じるようだ。
原作と家庭環境は同じだろうし、ここまで女性嫌いであれば、原作のハロルドも「『剣聖』は実は恋愛自由だ」と妖精から告げられてもヒロインに懸想はしなかったと思われる。
クラスは原作と違いAクラスだ。
ジルベルトに原作の面影は無い。名前と髪の色と目の色が同じというくらしか一致する点が無い。
身長も身体つきも髪型も表情も纏う雰囲気も立場も職業も違う。
成績は不動の二位。首位のアンドレアに及ばない理由は、『剣聖』故にマナー系の科目やダンスにおける女性の扱いで教科書以上のアドリブを出すことが無いからだ。
クラスは原作と同じくAクラス。原作ジルベルトも文官を目指す侯爵家の後継ぎだったので、成績は悪くなかったようだ。
15歳の時、ジルベルトは『剣聖』になった。
学院では二学年になり、夜会参加資格を得て根回しを済ませた後の年末剣術大会で、ハロルドの父である騎士団長に完勝して優勝した。
大会クライマックス、国王陛下に剣を模した優勝トロフィーを授与される場面で、何の打ち合わせも無く二年ぶりにジルベルトに加護を与える妖精が姿を現したのだ。
思い返すと、今でもジルベルトの表情は一瞬スンと消える。
初対面では丁寧なサラリーマンのような口調と態度でスーツっぽい衣装だったし、顔がモーリスそっくりだったことも気になっていた妖精の大人。
彼らの「ある程度の会話による意思疎通が可能な知能は認めさせても、知性を感じさせたくなかった」、という理由は理解できる。アレも必要な措置だったのだろう。
彼らが目指したのは、「妖精は理解の外の存在」で「話が通じないかもしれない」と思わせ「知能はあれど知性は無いのでは?」と誤解させる風体と言動だった、と説明はされた。
それでも、あれは酷かった。ジルベルトは思う。
今でも前世知識のあるニコルとクリストファーには、「夜露死苦妖精の加護」と笑われているのだ。
大会クライマックスのトロフィー授与シーン、会場中の注目を集める最中で、姿を消しながら眺めていたらしいジルベルト達の密談茶会で落書き混じりに雑談していた前世カルチャーの数々を参考に、融合した結果、妖精の大人が、リーゼントにサングラスに長ランで『ヒャッハー!!』と登場したのである。
微妙に夜露死苦だけではなく世紀末も混ざっていた。
しかも、思いっ切り昭和テイストな不良スタイルでありながら、珍妙にパラパラを踊り狂い、チャラい口調で『チョリーッス! オイラジルっちの妖精だ! 夜・露・死・苦!』とブチかましたのだ。
(昭和の不良スタイルと「ヒャッハー」は、前世の私が子供の頃に流行った漫画が知りたいと二人に言われて描いた落書きだな。珍妙なパラパラはニコルが踊ってみせたやつだ。私の知るパラパラとは違うモノのような気がしたが、世代が違うからそんなものかと思いスルーした。あの軽薄な口調は、前世の私の死後十年くらいに人気の出たタレントの真似らしい。微妙に古い若者言葉で喋るヤンキー男の娘キャラとか盛り沢山だな。クリスが物凄く馬鹿っぽく再現していたのをニコルが似てると爆笑していた。ああ、全部、妙なモノを妖精に披露した私側の自業自得だったのだろうか。)
ニコルの屋敷での茶会は外部に漏れないのをいいことに、気の抜けた前世の話で盛り上がったことを思い出し、ジルベルトの目が遠くを見る。
(今生では至極真面目に生きてきたのに、こんな黒歴史を生産する羽目になるなんてな。)
幸いなことに、元ネタを知らないこの世界の人々にとっては、見慣れない理解不能な風体や動きや喋り方も、「妖精だから」で済ませられるものだったようで、加護を与えられているジルベルトが妖精の風体や言動で評価を下げることは無かった。
この世界では奇妙に映る髪型やサングラスは、ジルベルトの同僚かつ友人で共に行動することが多いモーリスと同じ顔を隠す目的もあった、と説明されれば文句も言えない。
妖精には性が無い。顔の造作は整った正対称であるというだけで、別に人間の誰かを模したわけではないらしい。
モーリスは中性的な顔立ちで整った美形だ。世の中にはモーリス以外にも妖精的な顔を持つ人間が生まれることはあり、「自分達が大人になった時の顔」を見に集まる妖精は一定数いるが、プラスアルファで気に入る要素が無ければ集まった全員が加護を与えるまでは至らないそうだ。
原作モーリスが眼鏡キャラで、今のモーリスに眼鏡が不要なのは、この「プラスアルファ」の違いなのかもしれない。
ともかく、妖精達の思惑は成功したようで、今のところジルベルトに、「あの妖精と会話して重要な情報を引き出せ」と依頼や命令をしてくる人物はいない。
そして、大人になった妖精の加護により魔法攻撃が効かず、剣で魔法を斬り捨てられるジルベルトは、剣術大会の観客全員という数多の目撃者も考慮され、即日で『剣聖』の称号を国王陛下より授けられることとなった。
この辺も妖精達の思惑の一部らしい。文句の付けようが無い状況で分からせなければ、頭の悪い人間が煩わしいから。と言っていた。
過去に『愛した者』を幾度も苦しめられた記憶から、最善の対応を選んで行っているそうだ。
その結果が夜露死苦妖精。納得したくはないが、郷に入っては郷に従え。妖精の手のひらの上感が拭えないが、ジルベルトは反論を飲み込んで回想を終える。
「14歳まで平民として暮らしていた庶子が、男爵家の養女になって僅かな期間で貴族学院に編入というのは、通常では考えられないな」
「最低限のマナーと貴族として常識レベルの教養は叩き込まないと、家の恥じゃ済まねぇからな。不敬をやらかした生徒が学院内で斬り捨てられることは無いが、程度が過ぎればクーク男爵家ごときじゃ家が取り潰される」
「やっぱり一度目の記憶があるんじゃない? もし前世日本人記憶持ちだとしても、この国の貴族のマナーや常識なんか一、二ヶ月じゃ外に出せるほどは身に付かないよ」
前世でそこそこ優秀なオツムの持ち主だと自覚していたニコルが実体験を元に意見を出し、クリストファーも肯定する。
丸暗記や付け焼き刃でも、最低半年から一年は必要だろう。
クリストファーの調査では、クーク男爵はエリカを迎え入れた後、養女にする手続きと同時に貴族学院への編入手続きも申請している。
実際の編入が申請の二ヶ月後になるのは、オーダーメイドの制服を作るのにかかる時間のせいだ。
「取り敢えず、もしも転生者だったとしても、一度目の記憶もあるのかもしれない。編入後しばらく観察しねぇと結論は出ないが、エリカに平民では不自然な教養があれば、一度目の記憶を警戒する必要があるだろう。全く足りてないのに編入させたなら、クーク男爵が正常な判断のできない状態になっているってことだ。男爵の周辺をアプローチを変えて調べる」
クリストファーは考える。
14年間も放置した、少年時代に手を付けたメイドが産んだ娘に、髪や目の色だけを根拠に道端で会ってすぐに養女に迎えるほどの思い入れがあるのは、おかしいだろう。思い入れがあれば、男爵位を継いだ後で一度くらいはエリカの母親を探していた筈だが、そういう事実は無い。慕情や人情で、会ったその日に養女にしたという可能性は限りなく低い。
エリカは、見た目だけは工作員として使えるレベルだ。男爵自身が何らかの意図を持って、王族や貴族が在籍する学院に送り込むために引き取った。もしくは、エリカを貴族学院に送り込むために、男爵が何者かに操られている可能性もある。
ニコルの前では口に出さないが、ジルベルトも可能性に気付いているだろう。
──呪いには、魅了のみならず精神操作を可能にするものもある。
魅了、精神操作の系統の呪いは、香草の種類とアンティークの宝石の色により効果を変える。
ニコルに話し、国内で流通しにくくしたのは魅了の呪いに使う香草、『カギグルマ草』だけだ。
魅了の呪いの方が実行されると厄介─呪いの影響下にあっても「恋に狂ってるだけ」と思われ発覚が遅れる─だから優先的に阻止したいという理由と、精神操作の呪いに使う香草まで入手しづらくなれば、呪いを知る者には流通が操作されていることに勘付かれるだろう予測から、『カギグルマ草』の方を非公開の規制対象とした。
だから現在も、遠い異国の珍しい香草ではあるものの、精神操作の呪いに使う『シオミチ草』は、何の制限もかけられていない。
『シオミチ草』は、元々『カギグルマ草』より稀少価値も価格も高く、ある少数部族の成人の儀式で新成人に施される化粧にだけ使われる香料という特殊な需要から、クリソプレーズ王国内に需要は無く、殆ど流通していない。
わざわざ流通を操作して目を引くリスクも避けたかった。
だが、それが裏目に出ていたら?
魅了の呪いのように、愛されているような態度を引き出すことは叶わなくても、精神操作の呪いは相手を言いなりにできる効果がある。
被害者の元の性格や立場、加害者との関係によっては魅了より発覚しやすいが、精神操作の呪いの存在を知らなければ、「おかしくなった」としか思われない。加害者からの命令の内容が余程の犯罪行為でもなければ、男爵程度の立場では、言いなりに実行していたとしても周囲は黙って見ている可能性が高いだろう。
若いイケメン籠絡目的で貴族学院に潜り込みたいならば、父親の年齢のオッサン相手には、むしろ魅了は使いたくないと考えるかもしれない。
本当にただの工作員だったら、そういう考え方はしないだろうが。
現状、流通を操作している『カギグルマ草』も操作していない『シオミチ草』も、入手難易度は同じくらいだ。『シオミチ草』は需要が無いので、滅多に国内に入って来ない。
そういう中で、たまたま手に入ったのが『シオミチ草』の方だっただけなのか、相手がオッサンだったからそっちを使ったのか。
この考えは、「クーク男爵がイカれていて、原因がエリカによる呪いのせい」だった場合のものだ。
クーク男爵はエリカを出会ったその日に養女にしたが、かけられたのが魅了の呪いだとしたら、エリカが未成年でも目に付くレベルで妾か愛人扱いになっている筈だ。そんな醜聞は聞こえない。ならば、クーク男爵がイカれているとしても、それは魅了の呪いが原因ではない。
現時点で可能性を絞ることはできない。確証になるブツを見つけるか、自分の耳でエリカがホンボシだと断定できる台詞を聞くまでは、妄想でしかない。
「とにかく、『エリカ・クーク』の正体をどうこう言うのは編入してきてからだな」
頭をガシガシ掻きながら言うクリストファーに、ジルベルトとニコルは、大人しく「うん」と頷いた。
クリストファーの前世はドSのバリタチでした。
性対象は同性でも、いじめっ子気質は全方位です。
三人の前世で生きた年代は、ジルベルトがぎりぎり令和を知らない時代に病死。クリストファーとニコルは、その当時19歳と17歳という感じです。
前世ジルベルト死亡後の人気タレント等は架空の存在です。
主要キャラの誕生日は、詳細は決めていませんが、ざっくりと、アンドレアとモーリスは年始の方の冬生まれ、ジルベルトは春生まれ、ハロルドは盛夏生まれ、ニコルは秋生まれ、クリストファーとヒロインは晩秋生まれ、な感じです。