1日目夜
〈妖狐村〉
村人陣営……村3、占1、霊1、騎1
人狼陣営……狼2、狂1
第三陣営……狐1
〈キャラ情報〉(行が空いていない……恋人同士)
ナカジマ(男性。KY) ……0日目夜の犠牲者
ソラ(女性。主人公) ……霊媒師CO
ヒュウヤ(男性。眼鏡)……1日目の処刑先
サキ(女性。気弱系) ……
タカナシ(男性。ワイルド)……
シュガー(女性。強気系) ……
スズイ(男性。丁寧) ……占い師CO(ナカジマ白)
ウシロダ(女性。清楚系)……占い師CO(ナカジマ白)
タノウエ(男性。ふくよか)……
カワシタ(女性。賢い系) ……霊媒師CO
私は自分の部屋ではなく、ナカジマさんの部屋へ行った。
ピストルを持ったリーダー格の覆面男――私の監視人――が許可してくれたから。
彼――ナカジマさん――はベッドの上にいた。
白いタオルが顔の上に乗せられていて、シーツも丁寧にかけられていた。
安楽死の薬と言い、変なところで優しさを感じる。
じゃあ殺さなきゃいいのに。
私が白いタオルを外すと、彼の綺麗な顔が目に飛び込んできた。
その顔はとても穏やかで、眠っているだけみたいだった。
こんなに穏やかなら、私も今すぐ彼の隣で死にたい。
彼の首元におそるおそる手を伸ばし、やはり引っ込めた。
脈があるかどうか確かめようと思っていたが、できなかった。
怖くて、できなかった。
確かめて――脈がなくて――彼が死んでいると確信して――。
そのとき、自分がどうなるか、わからなかった。
私はこんなときでも自分のことしか考えていない。
自分の精神の崩壊の心配をして、愛する人が本当に死んでいるかどうかも確かめることができない。
彼の死を確信しないままで、その死を心の底から悲しむことなどできやしないだろうに。
こんな私だから、神さまはナカジマさんを連れて行ってしまったんだ。
私が彼にふさわしくないから。
とそんな非現実的な思考をしてしまう。
ナカジマさん。
彼は、初めて好きになった男性だった。
もう他に誰かを好きになることはないだろう。
失った直後の今だからそう思うのではない。
これは確信だ。
残念イケメンでイケメンなのにモテない人だった。
私だけが彼の魅力を理解できると思っていたのに。
彼はもう私の手の届かないところへ行ってしまった。
「そろそろ自分の部屋に戻るか?」
と覆面男が部屋のドアに寄りかかりながら言った。
「ここがいい」
と私は覆面男を見ずに、言った。
「ここを私の部屋にして」
「まあいいか……」
と男は認めてくれた。
変なところで優しい。
何故殺した。
「ナカジマさん……」
私は彼の顔に白いタオルを掛けてあげた。
あまり彼の顔を見続けていたら、
『あんまり見るなよ』
と彼なら言うと思ったから――生きている彼なら――。
私がよく彼を見つめているとそう言われたから。
何故恋人の顔を見つめてはいけないのか、聞いたことがある。
『アラが見つかるだろ』
と彼は笑いながら答えた。
私はただ曖昧に笑い返しただけだったけど、本当は思っていた。
彼のアラだったら別にアラでもいい。
アラとわかっていても愛することが出来るのに、と。
でも私は彼の意見を尊重する。
たとえ彼が文句も何も言えない状態でも、私は彼の言葉を守る。
だから私の元へ帰ってきて欲しい。
私はナカジマさんの眠るベッドの足下で、体育座りをして『夜の時間』を過ごした。