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恋人たちの人狼ゲーム(検索除外)  作者: naru
死が2人を分かつまで~恋人達の人狼ゲーム~
3/103

自己紹介

「ゲーム前に。

自己紹介でもしてもらうか。

じゃあ……そっちのイケメンから」


 リーダー格の男は私の隣の彼――ナカジマさん――を指差した。

 

 イケメンかあ……。

 私の彼氏、褒められちゃった☆

 って喜んでる場合!?


 私が隣に座るナカジマさんを不安げに見ると、ナカジマさんは『心配するな』と言うようにニッコリ微笑んだ。

 超かっこい~。

 彼はちょっと空気が読めないところがあったりするけど、顔はとてもかっこいいの。

 水色のTシャツがよく似合っている。

 素敵!


「僕は……」


「あだ名でもいいぜ」


「ナカジマです。よろしくお願いします」


 ナカジマさんは少し頭を下げた。


 覆面男がマジマジと彼を見て、


「お前、何か……ほら……あの芸能人に似ているよな?」


 少し考えた後ピンとした顔をして『某芸能人』の名前を言うと、円を囲んでいる皆も『ああ~』と言う納得顔をした。


 彼はお決まりのエピソードトークをした。


「似ているのは顔だけなんで。

スタイルが全然違うんで。

顔だけ似ていても全然いいことないんですよー。

全身を見られたらガッカリされるし。

ときどき


『芸能人の〇〇さんですよね?

何かテレビで見るのと違うなあ……』


とか明らかにガッカリした調子で話しかけられるし」


 皆興味深げにその話を聞いていたけど、私は何度も聞いたことがあるので無になっていた。

 『今日はパターン2のエピソードトークだな』とだけ思いつつ。

 ナカジマさんの某芸能人に似ていることについてのエピソードトークは5パターンほどあるのだ。


「どんどん自己紹介していってくれ」


 とリーダー格の男が、ナカジマさんのエピソードトーク(パターン2)が終わると私を見て言った。


 ナカジマさんをチラリと見、彼が頷くのに励まされてから、

 

「ソラです。よろしくお願いします」 


 と頭を下げた。


 自己紹介は次々と進んでいく。


「ヒュウヤです、よろしく」


 と眼鏡をきらりと光らせ男性が言った。


「サキです。よろしくお願いします」


 と気弱そうな女性がおずおずと言った。


「タカナシだ。よろしくな」


 とワイルドそうな男性がシニカルな笑みを浮かべつつ言った。


「シュガーです。よろしく」


 と挑発的な視線で場を見渡しつつ、勝ち気そうな女性が言った。


「スズイです、よろしく」


 と礼儀正しく礼をしながら男性が言った。


「ウシロダです、よろしくお願いします」


 と清楚なたたずまいの可愛らしい女性が言った。


「タノウエです。よろしくお願いします」


 とふくよかな男性がおおらかな感じで言った。


「カワシタです、よろしくお願いします」


 と真面目そうな女性が冷静そうな口調で言った。


 こうして円になって座る10人全員の自己紹介が終わると、


「おい、お前ら。

誰と誰が知り合い同士だ。

こんなペンションに1人で来る奴いねーだろ」


 とリーダー格の男が私たちを見渡しながら聞いてきたので、それぞれの知り合いを教えた。


 私たち10人は5組の恋人同士だった。

 恋人同士の内訳はこうだ。

 


・ナカジマ――ソラ


・ヒュウヤ――サキ


・タカナシ――シュガー


・スズイ――ウシロダ


・タノウエ――カワシタ



 見事に全ての恋人同士が隣同士に並んでいる。

 そりゃそうか。

 突然男達にピストルを向けられつつ脅されイスに座るよう命令されたのだ。恋人同士肩を寄せ合って座るのは自然の成り行きだ。


「おもしろいじゃねーか。

つまりここに5組の恋人同士が集まったわけだ。

恋人同士は他の恋人達とは元々知り合いじゃないんだな」


 皆、頷いた。

 私も頷く――ここにナカジマさん以外に元々知っている人はいない。


 男は満足げに口角を上げた。


「よし! この『リアル人狼ゲームショー』のタイトルが決まった!

『恋人達の人狼ゲーム』だ!」


 『恋人達の人狼ゲーム』か。

 何かそのまんまだなあ……。

 もっとロマンチックなタイトルがいいんじゃないかな?

 

 私も考えてみよう。


 よし、いいのが浮かんだ!


『死が2人を分かつまで~恋人達の人狼ゲーム~』

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