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恋人たちの人狼ゲーム(検索除外)  作者: naru
死が2人を分かつまで双〈番外編2〉~恋人達の人狼ゲーム~
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1日目

※脱落者ではなく、敗者がゲーム終了後にまとめて『安楽死の薬』を打たれるゲーム

(勝利陣営に所属していれば『脱落者』でも『安楽死の薬』は打たれない)


※勝利陣営が決まったとき『恋人』2人とも生き残っている、かつどちらか一人が勝利陣営所属だったら、勝利陣営を裏切り『恋人』同士のみ勝利、と言う選択を選べる(この場合、勝利陣営の他のメンバーは敗者となる)



〈妖狐村〉

村人陣営……村5、占1、霊1、騎1、

人狼陣営……狼2、狂1

第三陣営……狐1


〈キャラ情報〉(行が空いていない……『恋人』同士)


ナカジマ〈兄〉……

ソラ ……


ナカジマ〈弟〉……

女医……


ヒュウヤ ……

サキ ……


タカナシ ……

シュガー ……


スズイ ……

ウシロダ ……


タノウエ ……

カワシタ ……

 0日目夜が終わり『リアル人狼ゲーム会場』に皆が戻ってくると、GM役が口を開いた。


「平和な朝が明けた。

1日目昼の議論を始めろ」


「じゃあ、占い師カミングアウトから始めましょうか?」


 と言ったのは女医だった。

 皆が不満げな表情で女医を見ると、肩をすくめる。


「仕切り役、はじめのうちは私がやると良いかなと思ったの。

だって、私がいちばん年上っぽいし。

それにいちばん冷静だしね――命が懸かっていないから」


 皆の表情がますます険しくなるのを見て、女医は手を差し出した。


「嫌なら、他の人どうぞ」


 特に誰かに向かってした動作ではなかっただろうが。

 2番目に年上っぽいタノウエが引き継ぐように言った。


「占い師カミングアウト、からで良いですよね?」


 皆が頷くのを確認し、タノウエは続ける。


「では、占った相手を白ならグッド、黒ならバッドのジェスチャーで指して下さい。

『せーの』でお願いします。

『せーの』!」


 占い師カミングアウトはシュガーとカワシタだった。

 2人とも女医を指差していた――『白』。


 女医はニコッとした。


「私、確定白ね。

どうする?

私がする? ――『仕切り役』」


 皆、目を逸らし静かにスルーした。

 皆の様子にタノウエが続ける。


「では。

霊媒師カミングアウトも……して良いですね?」


 確認してから合図を取る。


「霊媒師の方、『せーの』の合図で手を上げて下さい。

『せーの』!」


 手を上げたのはタカナシだった。

 タカナシは意外そうに


「真霊媒師確定だな」


「順番に死ぬわけじゃないんだから、騙れば良いのに」


 と兄が言った。


「騙りが少ないね」


 とソラが兄に顔を向けた。


「うん。

どうだろ……。

いや、能力者が確定されるのは有り難いけど」


 場を見渡し、


「まさか……。

『恋人』勝利を狙ってカミングアウトせず潜伏した『真』、いませんよね?

そんなことする必要ないと思いますけど、一応」


「そんなこと考えもしなかった」


 とタカナシが苦笑しながら言った。


「なるほどね。

例えば、シュガー(コイツ)が騙りの場合に備えて、潜伏する。

そんなのもアリだったわけか……」


「もし『恋人』勝利のために潜伏している『真』がいるなら。

霊媒師の可能性が高い」


 と言ったのは女医だった。

 皆、胡散臭げに女医を見る。


「だって。

普通に考えて、村人陣営8人、敵4人なら。

何もわからないうちはとりあえず『恋人は村人陣営の可能性が高い』と考えて行動するでしょ。

だから、まだ全然情報もない状態でカミングアウトする流れになった『占い師』は真占い師として、普通にカミングアウトせざるを得ない。

でも占い師の次にカミングアウトすることとなった霊媒師は、霊媒師COをためらう可能性ある。

『もしかして彼女は敵かもしれない』

と『占い師CO』の情報から考えたら。

『真』だけど村人陣営を助ける情報を与えないために、カミングアウトしない。

そして騙りが騙るがままにさせておく――その方が彼女を助けるのにちょうど良い。

あわよくば『恋人』勝利を望めるかもしれない……」


 女医は挑発的な視線を一人の人間に投げた。


「どうかな、タノウエくん。

あなた真霊媒師じゃない?」


 タノウエは一瞬目を丸くし


「ハハ……」


 苦笑すると、


「カワシタさんの占い師COを見て、彼女は騙りかもしれないと考えて。

僕は真霊媒師だが霊媒師COしなかった、と?

いや……そんなことしない」


「おれもそう思うよ」


 とタカナシが擁護した。

 タノウエのためでなく、自分を『真』と信じさせるためだろう。


「さっきは『潜伏もアリか』と言ったけど。

よくよく考えてみると、もし『恋人』勝利、あるいは自分は死ぬことになってでも『恋人の陣営』勝利を狙っている奴がいるとしても。

『潜伏』は選ばないんじゃないか?

普通にカミングアウトしてから、嘘の情報を皆に言った方が効果的だ」


「なるほど、正直ね」


 女医は可笑しそうにタカナシを見た。


「タカナシくんの霊媒結果は信用できない、と自ら白状してくれているのかしら?」


「そうじゃないけど」


 とタカナシは一応否定したが、投げやりな調子だった。

 言葉だけで信用してもらうことをはじめから期待していない様子だ。


「僕もタカナシさんに賛成ですね。

騙りが少ないから、念のために――可能性を潰すために――『潜伏していないか』聞いてみましたけど。

『真』はちゃんと場に出てきていると思います。


まだ恋人が自分と同じ陣営とわからないときは普通に自陣営勝利を目指せば良いし。

恋人が違う陣営だと判明し相手方の陣営に付きたいと思ったら、そのときから軌道修正して嘘の情報を流せば良い……。

普通に考えてそうなりますよね」


 と言う兄の『まとめ』に皆、同意した。

『「真」は潜伏していない』と言う結論に皆、納得したのだ。

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