五話 変わった少女に出会った
少女はその場でぼんやりとしながらっこ池の返事を待っていた。「えと・・・ぼくはリュールって言います。あなたは?」少女は「ふーんそんな簡単に答えちゃうんだ・・・」そう呟き少し考えた後、「まあ、名乗ってもいいかな・・・自分はベニチドリ。ベニって呼んでくれると嬉しい・・・」そう言うと窓の方にいたオレの所まで近づいてきた。「ねえ、君はさユーレイって見たことある?」「・・・え?」いや、突然何を言っているんだこの子。「今から二つくらい前のこの日にね、自分がこの窓で景色を見てたらねそこにいたの。ボサボサの髪で服は少し身なりのいい格好をした男の人を」「あのそれって不審者とかそう言うのじゃ・・・」「自分も最初はそうかもって思ったんだけどね、その人こっちを見て、お前俺のことが見えているのかって。その後少し目を離したら、その男の人いなくなってたんだよね」ベニは不思議だねーと言いながら窓の外を見続けていた。するとこっちを向いて「なーんて、冗談に決まってるでしょ。少し前に遊びに来た子達がいてね、この話をしたらさ今の君とおんなじ反応をしたの」さっきの話が冗談だと思った俺は少しほっとした。なんかオカルト系は少し苦手というか、まあ一回死んで女神っぽい少女に会ったけど。「なんかそのほっとした反応もあの子たちとおんなじだねー男の子の方は少し強っがってたけど」そういうとベニは窓から離れ、部屋の真ん中あたりで座り込んだ。「そうだ、君ってさ・・・」言い終わる前に誰かが部屋に入ってきた。「お待たせしましたーお茶菓子を・・・てアレ?ベニ、ここにいたのですか?」『あ、兄様おかえりなさい。意外に早かったですね」ん?兄様?ってことはもしかして。「あ、紹介してなかったですね。この子はベニチドリ、僕の妹です」さっきの冗談よりそっちが一番驚いたオレだった。