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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
十一話:人類を飲みこむ巨大樹
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ニーズヘッグが急に消滅して数分後、ドラゴン警報もならなくなった。

巨木(ユグドラシル)が夜間停止し、ドラゴン(ニーズヘッグ)も消滅したことで、東京には束の間の平和が訪れた。

だけど、夜の明かりの華やかさはない。電気の半分が破壊されていた。

地下鉄線路沿いに歩いていた僕たちは、地下鉄の秋葉原駅にようやくたどり着いた。

その時刻は九時半を回っていた。


再びスマホ画面、戦闘画面から『たまだん』チャットルームに戻っていた。

みんなの前でハルヒメの僕は、愛子と会話していたことを話し始めた。


僕達が生き残るためには、ユグドラシルを倒すことしかない。

時間は日の出まで、大体八時間といったところか。

天気予報も明日は晴れらしい、曇りは期待できない。こんな時は天気さえも残酷だ。


そんなユグドラシルを倒す手段は、一つ。『時減銃ラグナ・ガン』を手に入れる事。

課金ウィンドウを開いて購入手続きを確認したが、課金はできるらしい。

つまりは、まだ愛子の言うダウンロードはできることになっていた。

僕達人類にはまだ希望があった。


「有明に愛子を連れて戻るのが、俺たちのミッションだな」分析するK・シューター。

「地下鉄はほぼダメね、ユグドラシルの根っこが侵入しているわ」

ヴァルキリアが絶望的に言っていた。

来る途中の地下鉄線路内に、巨大な樹の根が侵入していた。


「地下鉄だけじゃない、道路も線路も巨大な樹の根が侵入している。

バスも、電車も全く使い物にならない」

「東京の町は死んだ」

ナツナイトの声に、ジャイアント・キリングがようやく反応した。


「東京ってそんなにヒドイの?」

「あっ、ふと……ジャイキリ。インできたのね」

「うん」

「それより、ジャイキリはどこにいるの?」

「今は……空港。間もなく出発する」

「そっか……空の便は大丈夫なんだね」

「うん、こっちは全然大丈夫だよ。ドラゴンも、巨大な樹も出ていないし。

福岡から東京には後二時間で戻る予定」

いつも通りの穏やかな太が、マイペースに言っていた。


「そっか、ジャイキリのスキルは問題ないでしょ」

「ポイントは600ある。それがどうしたんですか?」

「じゃあ、ジャイアント・キリングで……」

K・シューターがしゃべろうとしたとき、ジャイアント・キリングが突如いなくなった。


「あっ……」

「もしかして空港だから持ち物検査でひっかかったんじゃ……」

「空は携帯の電波がつながらないしね」

「まあ、東京に戻って来たらジャイアント・キリングに頑張ってもらうしかないな」

K・シューターの言葉に、結衣と棗は同意していた。


「それより、お前たちは今どこにいるんだ?」

「いま……秋葉原にもどったとこ」

「フリダシに戻っているじゃねえかっ!」

僕の言葉に、再び弘明がつっこんだ。

そりゃそうだ、愛子が引っ張った先は有明とは正反対の方向に逃げていたんだから。

地下鉄を経由して、なんとかかろうじて戻って来たばかりだ。

既に足は、歩き疲れてかなり痛いわけだ。


「そうね、後は有明の方まで歩いて戻ればいいじゃない」

「距離にして十キロか」

「一度全員で合流するか」

「そうだな、とりあえずGPSは見られるか?」

「うん、衛星を介しているからゲームだってつながっているし」

「つながっていなければ、僕たちはなす術がないけどね」

「違いない」

K・シューターが笑っていたモーション。

K・シューターの位置をGPSで確認する、『浅草橋』か。少し離れたな。

僕たち人類は、愛子の言うとおり運が良かっただけなのかもしれない。


「ユグドラシルって、愛子ちゃんを狙っているんでしょ」

「このまま両国近くの避難所に行く予定、あそこなら人も多いし」

「なるほど、両国なら人も多そうだし。

じゃあ僕たちもそこに向かう、少し離れているから時間かかるけど」

「わかった」

僕は弘明とチャットで連絡を取り合っていた。

隣では結衣はとても不満そうな顔を見せていた。


「結衣?」

「誉……なんかこのままでもいいかも」

「一体、何を言っているんだ?」

そんな時、リアルで結衣が僕の手を掴んできた。

そのまま力強く僕を近くのベンチにひきずりこんだ。


「あのね、あたし……」

いきなり顔が赤くなっていた結衣は、僕を上目づかいで見てきた。

胸がドキドキしてしまう僕は、心が弱かった。

かつて秋葉原のこの場所で、この感覚で一度だけ見ていた。

その感覚は、晴海と初めて感じた感覚が結衣に重なっていた。



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