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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
一話:あなたは戦う運命
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いきなり画像が切り替わって着信が来ていた。

スマホの電話を見ると、着信主『ゆいちゃん』と書かれていた。分かりやすいなぁ。

(ごめん、晴ねえ)と心の中で思いながら僕はスマホを耳に当てた。


「もしもし」

「あっ、はる……誉」

「なんだ結衣か」

弾んだ結衣の声がスマホから聞こえてきた。


「うん、あの……誉は宿題している?」

「ああ、宿題っていうかストーリーモードを進めればいいんだろ」

「そうそう、いい心がけだわ」

「なんだよ、やけに機嫌よさそうだな」

「えと……誉と電話で話すのが久しぶりだなって」

「そうか?生徒会でいつも会うだろ」

「……そうだけど……ゴメン」

結衣の声が途端に沈んだ気がした。


「結衣?」

「誉を巻き込んでごめんね。『真ドラプラ』はあたしたちのゲーム。

誉は関係がないもの逃げてもいいの。ログインさえしなければ……」

「いや僕にはあるよ、関係も理由も」

僕は正直に決意を固めていた。


「晴海が殺された、ドラゴンという天災に。

天災だから諦めたところがあった。

だけど、もし僕にドラゴンと戦う権利が与えられるのならば、力が与えられたのならば。

戦いたい、晴海の仇を打ちたい」

電話越しに僕は想いを語った。結衣は黙って聞いてくれた。


「誉……うん分かった。じゃああたしたちと戦いましょ。

それでね、宿題の期日だけど……」

「期限あるんだ、まあ終わったけど」

「終わったって随分早いじゃない、GPS出てきた?」

「えと……GPS?なんだそれ」

「ほら、ストーリーモードクリアしたんでしょ。GPSが出たんじゃないの?」

「えっ、なんだよ?わからないけど」

「あれ……おかしいわね。まあいいか」

電話先で結衣が勝手に納得したようだ。


「ねえ、誉。土曜日空けといて!生徒会もないし、用事もないでしょ」

「えっ、いいけど……土曜日に何かするの?」

「誉に会わせたい人がいるから、懐かしい人」

「僕に会わせたい人、まさか……」

僕の脳裏で、ある二人の人物が浮かび上がった。

結衣と僕の共通の知り合いは限られていた。

だけどわざわざ結衣が会わせたい人という人間は、すぐにわかった。

それは、嬉しさと同時に不安もあった。状況が状況だから当然でもあるが。


「ええ……でもそれって、まさか……」

「『たまだん』メンバーで分かるわよね。彼らも『真ドラプラ』のプレーヤーよ」

その言葉を聞いて、僕はやはり複雑だった。


「そっか……なあ結衣」

「なに?」

「結衣、このゲームってプレーヤー何人いるんだ?」

「五人よ」きっぱり言い放った結衣。

「ご、五人……まさか」

「そう、真ドラプラは五人だけ。あたしたち『たまだん』メンバーだけよ」

「そんな……五人だけでドラゴンに勝てるのか?」

「今まで勝ってきたんだし大丈夫よ。

たまに強いドラゴンが出て来るけれど、あたしたちには奥の手もあるから。

薬とか、強力な武器とかも手に入るからね。

そういえば誉のところで、ストーリーモードで何か戦利品拾った?」


結衣の質問に、僕はスマホの画面を別ウィンドウで開いた。

戦利品……あった。

「『長剣シュツェルビッツ+3』なんか舌をかみそうな名前の剣、拾った」

「シュツェルビッツ?いいじゃない、めちゃくちゃ強いわよ。

ねえ、あたしにそれ譲って。ハルヒメはどうせ装備できないでしょ!」

「譲るってどうやるの?」

「あっ……後で教えるわね、うふふっ」

「なんか楽しそうだな」

「楽しくないわ。本当はあたしだって純粋にゲームをしたいだけだもの。

でもドラゴンに唯一対抗できる、人類最後の希望だから」

結衣の言葉に僕は難しい顔を見せていた。


「まあ、とりあえず土曜日に会いましょ。そこでいろいろ説明してあげるわ」

「ああ……そうだな」

それは僕と結衣の間で共有された記憶。

それを思い起こしただけで、僕は結衣と繋がっている気がした。



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