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――いきなり始まった画像はスマホを見ている視点から始まった。
スマホを見ていた、その画像にはメールが見えた。
『ザイル買います、一億ザイル』そう書かれていた。
いきなりザイルとは何かわからなかったが、間もなくして理解した。CGのゲーム画面だ。
スマホの画像には、家の中に一人の子供が中央にいた。
スマホ画像はネットゲームの中だとすぐわかった。家を出たら、薄暗い西洋風の街並みが広がった。
昔の西洋の町っていう感じが出ているけれど、町には人があふれていた。
ゲーム画面には、タキシードスーツを着ていた小さな子供がいた。
キャラクターの名は『アジカ』、かわいらしささえあった。
間もなくして一人の男性がやってきた。名前は『ドン』と書かれていた。
『すまない、待たせた』発言はドン、ログが下に流れていた。
『ザイルは先に用意した。
RTMといきたいところだけど、全額ないだろう』こちらはアジカ。
『五万円までは用意した。レートだと一円=百ザイルだから』
『五百万ザイル、一億ザイルだと百万円は用意しないといけない』
『マジかよ、俺高校生だぞ』
『リアルの年齢でRTMはまけません。それに、私もあなたも同じ高校生です』
『まいったな……』
どうやらチャットらしい。ドンとアジカが会話していた。
このアジカというのが視点の画像の主らしい。
『でも、送金は確認しました』
そう言いながら、そばにあったタブレット端末をつけた。
端末では、銀行のサイトをつないでいて残高照会をしていた。
残高は数千万円ほどの金額があった。
『五万でまけてくれないか?』
『金の切れ目は縁の切れ目』
『きついこという』
『お互い様。でも私は鬼じゃない、普通の高校生でも楽に百万を稼ぐ手助けはできる』
『どういうことだ?』
『まずは、五百万ザイルを渡す。だけどここで渡すのは』
『百万ザイルだろ、前回のパッチで修正かかったからな。トレード』
それからスマホをタッチして動かした後に、アジカのステータスが表示された。
所持金の欄は『99999999999ザイル』と書かれていた。
でもトレードしたのは『1000000ザイル』。
『どうも』
『後はリアル十九時、二十三時、明日の十五時、十八時。
そこで送金する仕組みにしていある。
受け取りパスワードは『アジ・ダハーカ』だ』
『了解した。これで『ブリガンダイン』が買えるぞ……後は『シュツェルビッツ』かぁ。
シュツェルビッツは……五千万ザイルっておかしいだろ。まあ最強クラスの武器だけど』
トレードが成立して嬉しそうなドン。アジカは冷ややかな目で見ていた。
『でも、どうやって稼いでいるんだ?このゲームの時給、ミッションでも数千ザイルしか稼げないだろ。
ミッション以外ではシーフでもない限り、金は簡単に稼げないから』
『知りたければ、情報料とります。ただしあなたでは永遠に払えませんが』
『相変わらずセコイな』
『そのセコさが、金稼ぎには必要不可欠。私はゲーム経済の達人です。
そんなことよりリアルで私の手伝いをしてもらいます、ドン様』
『ああ、了解している。だけどビックエネミー狩りの時だけは勘弁』
『ええ、難しいバイトじゃないです。ただの訪問販売です、期限もありません。
簡単な話、あなたはリアルの私からもらったコインを売ればいい。
なるべく金を欲しがる輩に高い金で売りつければいい、九十五万円なら難しくない』
そんなとき、リアルの方から声がした。
「お嬢様、よろしいですか?」
リアルの声がして振り返ると、スマホから顔を上げた。
視線を上げると、そこは金銀財宝に囲まれた部屋。
まるでそこは海賊のアジトの様な部屋。
だけどその財宝の部屋は、コインがあちこちに積まれていた。
眩しい金銀財宝を見上げたところで、その画像が停止した――
間もなくしてスマホ画像が停止して、急にスマホが震えだした。




