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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
八話:自分と同じ強さへの憧れ
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有明地区から、少し離れたところには地下鉄があった。

早朝、シャツとズボンといういつも通りの私服で地下鉄に乗っていた僕。

だけど、大きなカバンを持ち歩いていた。

その大きなカバンには、『ソルティック』のチラシを入れていた。

割引券がついていた、意外と僕は『クーポン』という言葉が好きだ。


日曜早朝の地下鉄はガラガラだ。

早朝六時という時間は、サラリーマン風の人間が何人かいたけれど座るだけ余裕もあった。


長椅子の隅に座り、僕は小さな新聞を出した。

それはBLのPCゲームの情報が載った広報誌、フリーペーパーだ。


(でも、あれを並ぶの恥ずかしいんだよな)

妹からもらったBL広報誌を眺めながら、僕は不安だった。

アニメ絵の男たちが、制服を着てかっこつけていた。

制服を着ていて、ん?こいつなんか弘明っぽいし。髪が長いから。


(それにしても、通り魔とドラゴンか……)

ヤトノカミのことで、僕は難しい顔を見せていた。

きっかけは何度もあったネットに書きこまれた通り魔予告。

それ故に、ドラゴンと繋がっている人間が疑われるようになっていた。


(いかん、忘れよう。今はあの……あれを買い物するんだ。今日は日曜だし)

僕はそう言いながら妹に頼まれた広報誌を見てみると、男性同士が迫っていた。

「ううっ」思わず声を漏らして苦笑い。すぐに周囲を気にして隠す。

どう考えても不審者だよな、これ。幸い乗客が少ないからいいけど。


そんな僕が乗っていた地下鉄が、二つ目の駅で停車した。

そこにいたのは意外な人物、しかも二人組だった。


(ナツ……あれは)

水色のワンピースを着た棗。彼女の隣には男がいた。

それは棗と同じ年の少年。だけど大きなリュックを背負っていて頬はコケていた。


(一応、彼氏だよな?)

キョロキョロと見回して棗の視線が合いそうなので、僕はすぐに目を逸らした。


(いくらなんでも妹の買い物中に会うのはマズい)

広報誌をカバンに突っ込んで、僕はスマホを見るふりをして下を向いた。

棗と親しそうに話す男は、とても気弱そうだ。見た目は冴えない男だ。

遠目で棗を確認する僕は、棗の彼氏を見ていた。

そんなスマホで太からのメールを見た。

それを見て、僕はあることを思い出した。

一つ下で幼なじみでもある『親園(ちかその) 棗』という少女の不幸な昔話。


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