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ドラゴン退治から三時間が過ぎた。
コンビニで買ったコーラも空になり、ご飯を妹と食べて風呂にも入った。
家に帰れば普通の学生で、両親はいつも忙しい。
よって子供である僕と妹は、それぞれの部屋に入ってマッタリタイムを過ごしていた。
黒いパジャマ姿になった僕は、スマホを見ていた。
最近の日課は、『ドラプラ』のログイン。もちろん『真ドラプラ』の方だが。
このゲームは、時間ごとに行動値が回復する仕組みだ。
そこは一般的のソーシャルカードゲームと同じ。
だから数時間……ないし一日一回は入るのがレベル上げ。
なんで『真ドラプラ』が『ドラプラ』と同じ仕組みをとっているかは、むしろ疑問ではあるが。
(今日はドラゴンが出てきたからな、新しいステージは出ているかな?)
開いてみると、新しいステージが早速追加されていた。
部屋にあるパソコンをつけながら、ドラゴンプラネットのステージを進めていた。
(ドラゴン事件も……出ているな)
マウスを動かしながらネットニュースを見ていた。
『今日の夕方、豊洲にドラゴンが出ていた。
しかしそのドラゴンは、出てはすぐに逃げていってはっきり姿を確認した者はいない。
透明なドラゴンは、カメレオンのごとく同化していて近づくと逃げる特殊なドラゴン。
被害も何も出ていない、死人はおろかけが人すらない』
そんなネットニュースが流れていた。
一通り見ながらネットの画像を探していた。
(ヤトノカミ……結局何がしたかったんだろう)
僕は理解ができなかったけど、ハルヒメは元気に豊洲ステージを歩いていた。
ハルヒメを見るとなぜか弘明を思い出した。
「結衣が好き……か」
思わず口に出した弘明の好きな人。
いろいろ仮説が立って、僕なりに分析した。
弘明が晴海にフラれたときに結衣に相談したんだ。
失恋した弘明が相談に乗っていた時に、親友でもある結衣が相談に乗った。
そこで弘明が結衣を好きになった。よくあるパターンだな。
だけど、結衣はそんなことも知らないのかな?ノーキンなところあるし。
結衣自体、半分面白おかしく言っていた気もするし。
それ以上に、弘明が好きだった佐藤さんが気の毒だ。
明日、教室に入ったらどんな顔で彼女に顔を合わせればよいのだろうか。
(そういえば、なんで僕は弘明や佐藤さんの好きな人を調べていたんだろう)
などと考えているとネットに、豊洲のネット画像を見つけた。
そこには『豊洲のドラゴン、ヤトノカミ』と書かれた画像。
僕は何となくそれを開いた。
開いた画像は、豊洲のショッピングセンターだ。
巨大なモールにいくつもの店舗が入っていた。
あまりにも広すぎるのか、メインストリートにはセンターを結ぶ店内用の電車も走っていた。
そんな店内用の電車のそばで、ドラゴンが出てきた。
(なにこれ?思いっきり影だ)
アジ・ダハーカとそれほど大きさが変わらない、透明な物体。
だけど姿は、トカゲのようで翼もあって確かに人ではなかった。
肉眼ではとらえにくいけれど、ところどころがスローになっていた。
でもやっぱりよくわからない。
そんな僕は片手間でドラゴンプラネットのストーリーを進めていると、あることを見つけた。
(あれ、メール)
メールの差出人は以外にも太だった。
棗の話だと、明日から修学旅行らしい。
今頃高校最後の修学旅行に思いをはせているだろう、太からのメール。
そして、それを見るなり僕は驚いていた。
『誉、ナツのことで相談に乗ってほしい。ナツは、昔みたいに絶対に騙されているだけなんだから』
前置きがそう書かれていたから。そして、続きを僕は真剣な顔で読んでいた。




