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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
六話:お金で買えないモノ
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僕はスキルウィンドウを閉じて弓矢で攻撃していた。

一回一回リロードの時に、相手のアジ・ダハーカをタッチしないといけない。

攻撃をするたびに、数秒待って弓矢を構えるモーションになったら相手をタッチする。

遠隔攻撃はオート戦闘で無い分、操作が難しい。毎回タッチが必要だから。

これの繰り返しを、ようやく慣れたころにアジ・ダハーカの体力は何とか半分減っていた。


アジ・ダハーカの戦闘からすでに三時間が過ぎていた。

戦い方は、単調だけど『作戦ED』は繰り返されていた。


アジ・ダハーカに攻撃を加えると、攻撃を加えた方に向く。

向いた後に攻撃した相手に攻撃をしてくる。

その習性を生かして向いた相手をすり替えさせる固い人間が身代りになる。


分かりやすく言うと一番ダメージを与えるK・シューターに攻撃。

向いてK・シューターの方にアジ・ダハーカが向かうとナツナイトが阻む。

一番固いナツナイトが、何度か攻撃をするとヴァルキリアが攻撃。

ヴァルキリアのダメージが高くて、アジ・ダハーカが攻撃してくると回復薬使用。


今度はK・シューターが遠距離で反対方向から攻撃。

当たるとK・シューターを追いかける。

そこでナツナイトが盾になる。


「まるで敵が躍っているかのようだ」

アジ・ダハーカはもてあそばれているようにも見えた。

意志はあるけれどボスドラゴンとしてはダメージの高い相手を狙う習性がある。

それに本来は回復をしている人間を狙うけれど、スキルを封じていれば回復役を狙う必要はない。


「これがあたしたちの戦術『作戦ED』よ!」

「お前は何もしていない、俺が考えたんだ」

「むー、いいじゃない。あたしも協力しているのよ」

ヴァルキリアは相変わらず戦いながらしゃべっていた。


「作戦ED……エンデュランス・ダンスともいう。

敵を挟んで戦うよりダメージを減らす、速度は遅いが回復が少なく済む戦いだ。これが一番の安全策だな」

「そうね、あたしは嫌いだけど」

ヴァルキリアは納得できていない。

だけどナツナイトが上手いこと攻撃することで、アジ・ダハーカの攻撃をナツナイトに集めていた。

堅いナツナイトが喰らうと、ダメージは抑えられた。

元々たまだんのメンバーは、こうやって戦っていた。


「すごいな……」

僕は遠隔攻撃をしながら呆気にとられてみていた。

ターゲットのアジ・ダハーカが動くせいか、遠隔攻撃がしづらい。


「こいつ、正面に向こうとしている。ナツ!」

「はい!」ヴァルキリアの前に、ナツナイトが立った。

攻撃を受け流してナツがダメージを身代りに受けていた。


「そろそろ、三分の一か」

みんなが頑張って三時間かけて減らしていた。

僕も弓を構えてハルヒメが矢を放ってダメージはほとんどない。


「アジ・ダハーカは二つの必殺技を持つ。

もう一つは『能力封じ(スキルキャンセル)』ではない。

だとすると、きっともう一つは攻撃系だと俺は思う」

「そうね、それを使われる前に、トドメを刺すのね」

「ああ、そろそろ一気にいく」

K・シューターの言葉を聞くと、ヴァルキリアは嬉しそうに攻撃をしていた。


「どうして終盤は一気に押すんだ?」

「攻撃が激しいからな、体力が減ると大体のボスは必殺技ゲージがたまりやすくなる。

受動的(パッシブ)スキルがマスクデータであるらしいが。

それ以上に、攻撃力が上がる強化スキルを持った奴も多いし、始めはかなりびっくりしたけどな」

「いろいろ戦術があるんだな」

「奥が深いだろ。攻撃一つも戦術が魅力なんだ。本来の『ドラプラ』は」

K・シューターがしゃべりながら言う

そうしながらも手を止めていないのはさすがだ。


「そうよ、だけどあたしたちは負けることができない」

「そろそろ必殺技を叩きこむぞ」

「待っていたわ!」

「ああ」ヴァルキリアとジャイアント・キリングが同調した。

アジ・ダハーカから少し離れたヴァルキリアとジャイアント・キリングが、再び近づいていく。

アジ・ダハーカの体力は三分の一。


「じゃあ、ぶっ放つわよ!」

「ハルヒメ、ナツ……はいいや。ジャイアント・キリングはいけるな」

「いけますよ」

「じゃ、全力!」

K・シューターの一声で、ヴァルキリアが必殺技モーションに入った。

そして僕たちは一気に攻撃を開始した。


ジャイアント・キリングが光ると必殺技。

拳が光り輝いた後に、思いっきりパンチのラッシュ。

だけど攻撃の相性が悪くて、ダメージが少ない。


次にK・シューターが光った。

K・シューターの必殺技『驚愕射撃アメージング・シューター』だ。

アジ・ダハーカの体力ゲージがかなり減った。

素早いモーションと同時に減らすK・シューターはドヤ顔を見せていた。


「さすがはNo1アタッカーね、K・シューター」

「お前とは攻撃の質が違う」

「かっこつけているんじゃないわよ!」

ヴァルキリアはそう言いながら、最後に光った。

僕がプレゼントした長剣『シュヴァルビッツ』を振り回しながら切りかかった。

その一撃で、アジ・ダハーカの体力は二割に達していた。


「あとちょっと」

「もう一発行く!同じローテで」

薬を飲んでいたK・シューターは再び銃を構えた。

二丁拳銃を巧みに扱い、乱れ打ちでアジ・ダハーカにダメージを与えていく。


「ヴァルキリア、トドメ!」

「了解」薬を飲んだヴァルキリアが答えた。

だけど、アジ・ダハーカの必殺ゲージもたまっていた。

そして、アジ・ダハーカとヴァルキリアが同時にモーションに入った。

同時なので……モーションが少ない方が先に発動する。


先に発動したのはアジ・ダハーカ。真っ黒なブレスを吐いてきた。

口に黒い塊を集めたかと思うと、すぐに吐き出した。

そして、ヴァルキリアの攻撃を打ち消した。


「えっ、なに!」

それと同時に僕のスマホが激しく揺れた。

真っ暗になった画面、すぐに明るくなるとみんな瀕死だった。

特に僕のハルヒメの体力ゲージが赤くなっていた。


「みんな!」

それはアジ・ダハーカの必殺技だった。

ブレスの効果で、アジ・ダハーカのそばにいた人間がはじかれた。


次の瞬間、動きの遅いアジ・ダハーカが動き始めた。

接敵している人はいない。だから真っ直ぐ僕の方に近づいてきた。

ハルヒメに、真っ直ぐに向かってきたのだ。



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