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夜の学校は怖い。
昼間に見慣れた場所さえも、闇にまぎれるとさすがに雰囲気が違う。
夜は十時を過ぎて、学校には部活もほとんど帰っていた。
僕の両親は今日もう寝ていた。明日の朝が早いらしい。
僕は不幸者になるかもしれない、だけど僕にはやらないといけないことがあった。
静かな学校を僕は走った。向かった先は第一体育館。
途中で警備員とも遭遇したが、制服を着ていたのでうまくやり過ごせた。
(ここ……か)
まもなくたどり着いたのが第一体育館、重い扉を開けて静かな体育館に辿りついた。
それにしても体育館は開いているのか、敷地内とはいえかなり不用心だな。
靴のまま上がった僕は倉庫に向かって驚いた。
(倉庫も開いているし、本当に不用心だ……いや違う)
なんか嫌な予感がした。息をのんで僕は薄暗い倉庫の中を見ていた。
そんな探索中に僕のスマホにメールが届いた。
(メール?弘明か)
歩きながらスマホを確認した。
『さっき太から連絡があって……何か問題が起きたみたいだ。
銀波会計は有明が地元だから、俺も戻ることにする』
メールを確認して、僕は打ち返そうと闇の中を歩きながら倉庫に入った。
だけどすぐにスマホから視線を上げた。
倉庫の奥から涼しい風が吹いていた。
だけど倉庫の奥のドアが開いていない。
(なんだ……これは?)
開いているドアは体育館からの二つ、だけど窓はない。もう一つの中庭に抜けるドアも閉まっていた。
それなのにかすかに風を感じていた。
周りの部活の活動もないので、風の吹きつける音もしっかり聞こえた。
スマホを明かり代わりに倉庫を捜索していた。
(ここだ)
僕は風の正体を間もなくして突き止めた。
それは地下に続く階段だ。僕は隠し階段を見つけた。
(行こう、この先に降りたらきっと引き返せないだろうけれど)
僕にとってそれは、覚悟があった。
間違いなく奥に銀波会計がいるだろう。
呼吸を整えて僕は、階段をゆっくり下っていった。




