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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
五話:傷つく者の戦う意味
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――そこは、夜の廊下が見えた。

始めから視界がくっきりと見えていた。この視界は眼鏡をかけているようだ。

病院のような暗い廊下が見えて月光が照らす中を歩いていく。

まっすぐ進んで行って開いたのが非常口。


非常口を出て非常階段を下りていくと、そこは夜の校庭だ。

だけどそこは有明高校の校舎ではないことが分かった。

有明高校の校舎は、校庭の先に体育館がないから。

月明かりが雲にかかっていて外もかなり真っ暗だ。

そのまま数歩歩くと、そこには大きく建っていた建物が見えた。


それにしても静かだ。

しんと静まり返った廊下は、足音しか聞こえない。

まるでホラー映画のような夜の学校は、何か出てきてもおかしくはない。

そんな視界は、ある建物の中へ入っていった。


建物の中で待っていた人物がいた。

それは、白いスーツを着た男。いつも出てくる若い男。


「初めまして、私はあなたの新しい執事『ニーズヘッグ』と言います。

あなたの欲望を叶えるために来ました」

そのあと、視点は執事ニーズヘッグにきれいな右手を差し出した。


「あなたはお金が好きですか?」

ニーズヘッグに言われ、視界はコクンと頷いた。

「あなたは力が必要です、一族で一番の力が必要ですよ。

そのために、あなたは手早くお金を手にしなければいけません」

若い男が何かを言うと、視点役の人物は何かを喋っているようだ。

だけど聞き取ることができない。


「そうです、あなたの夢は世界一のお金持ちになることです。

ですが、あなたの覇道を邪魔する者もまたいるのが事実。

このコインをあなたに一枚与えましょう。

このコインにあなたが願うだけで翌日には二倍に増えますよ、『お金が欲しい』と」

何度か頷いた執事は、満足そうに笑みを浮かべていた。

少し怪しさもあるけれど、目を細めて話していた。


「そしてこのコインの価値は絶対的です。

なにせどんな人間にも負けない(ドラゴン)を手に入れるわけですから。

だから私は聡明なお嬢様に全てを賭けます。

このコインは、世界で一番お金を稼げますから」

執事は笑顔できれいに一礼した。そして丁寧にコインを一枚、視点役のお嬢様の掌に置いていった。

うけとった細くてきれいな手で見たコインは、女性の横顔があった。


「さて質問です。世界で一番お金が稼げるものは、なんだと思います?」

何秒か執事ニーズヘッグが待って、返事を待ってすぐに答えを言う。


「それは人の命に直接関わるものですよ、命も今はお金で買える時代なのです」

執事ニーズヘッグは目を開いて笑顔で答えていた――


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