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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
五話:傷つく者の戦う意味
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結衣の異変を僕は気づいてあげればよかった。

彼女はサインを出していたのに。

暗い自宅で、僕はピンク色のスマホを見て震えていた。

アジ・ダハーカの登場は、僕達に間違いなくダメージを与えていたから。


あれから二日後、僕たちの周りの状況は一気に暗転した。

結衣は学校に来なくなって、弘明ともよそよそしくなった。

会話を交わさないというか、避けられるようにさえなっていた。


『今日、帰り道私はつけられた。変な男、鉢合わせ……変質者、ストーカー』

僕のスマホには、結衣からメールが来ていた。

それは助けを求めるメール、結衣の苦しみが伝わってきた。


結衣だけじゃない、棗もまた苦しんでいた。

『今日、家に帰ったらいっぱい手紙が届いていた。怖かった』

二人の痛々しいメールがスマホに届いていた。

それは僕と、弘明、太のスマホに送られていた。


(これがリアルバレ……)

アジ・ダハーカの言葉に想像以上の精神攻撃だった。

パソコンにあふれる情報は、結衣、棗のことが細かく書かれていた。

あまりにも詳細に書かれていて、どこで撮ったかわからない写真まで貼り付けられていた。


(なんて卑劣な……あっ)

結衣の一枚の写真を見て、僕は顔が赤くなっていた。

それは結衣が更衣室で体操着に着替えている写真。

きっと女子更衣室で、隠し撮りされたものだろう。それを見て顔が赤くなっていた。


「兄ちゃんいる?」

そんな時、僕の背後から声が聞こえた。慌てて僕は結衣の写真を隠した。


ドアを開けたのは妹だ。

ショートカットで二個下の妹はすぐに僕の部屋に入ってきた。

派手なワンピースを着ていた妹は、僕のパソコンを見るなり怪しそうな視線を送った。


「エロ画像を見ていたんでしょ」

「なんだよ、いきなり部屋に来るな!」

「う~ん、いいよ。あたしはそういうのを気にしないから。

だってお兄ちゃんは立派な男でしょ」

かわいげがあるのか人懐っこい笑顔を見せていた。


「なんだよ、どういう意味だ?」

「そのままの意味だよ~、そんなことよりお客さんが来ていたんだ~」

「お客さん?」

「うん、木田さん」

それを聞いて僕は思わず立ち上がっていた。

木田さんと聞いて僕はいてもたってもいられない。そんな僕を制したのが妹だ。


「でもね、これを置いて去って行ったんだよ。

なんだかよそよそしかった、周りを気にしているかのようで。あんなんだっけ、木田さん?」

「なんだこれ?」

それは、いまどき珍しい手紙の封筒だった。僕は急いで手紙を読んだ。

そこには彼の想いが書かれていたから。


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