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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
三話:命を懸けた喧嘩
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仮面をつけた女王の名は『エキドナ』だ。名前が赤く、レベルが???だ。

長い髪をつけ、女王のような豪華な朱色のフードをまとっていた。

彼女の登場で、K・シューターの態度が変わった。銃を構えるのをやめて、かしこまっていた。

僕はその名を結衣から聞いていた。


「ドラゴンプラネット・トルース版の開発者、『エキドナ』」

「そうだ。ノーマル版もトルース版も開発している。もちろん管理も行う。

さながらわらわはゲームマスターというべき存在だろう」


エキドナという女王は、扇子を持ったままハルヒメとK・シューターの間に入っていった。

威圧感のある女王が、仮面越しに僕とK・シューターを交互に見返した。


「K・シューターわらわが『休戦申請』を出したぞ。承認せい」

「でも……」

「わらわの言うことが聞けぬのか?

わらわはプレーヤーに対して、K・シューターの『レベルドレイン』もできるのだぞ」

「分かりました」

そういいながら、K・シューターは渋々攻撃をやめた。

僕は唖然としたまま二人のやり取りを見ていた。


「エキドナ……あんたは一体?」

「さて、ハルヒメよ。お前は新しいプレーヤーだな。

最近のログインの状況で、こちら側でも調査させてもらった」

「はい……」

「『ドラゴンプラネット・トルース』のメンバーは全部で五人だ、いずれも君が知っている人間だ。

かつて玉第三地区団地にて、配布した五つのスマホを持つ人間。

スマホの配布をした人間だけが、当ゲームのプレーヤーとして認められていた」

エキドナの言葉に、ハルヒメの姿で僕はじっと見ていた。


「前プレーヤー、『鐙塚 晴海』は残念ながら死んだ」

「うん……晴ねえは死んだ。僕は彼女からスマホを託された」

「『休戦申請』が受理されるのに五分かかる。その間、話をしようじゃないか。

お前に覚悟があるのか、わらわが試してやろう」

仮面をかけていて素顔は見えないが、ゆっくりと僕のそばに来ていた。

青い髪のエキドナは、かっこつけて長い髪をかきあげた。


「何の話ですか?」

「新入りは『ドラゴンプラネット・トルース版』を知っているか?」

「ええ、ドラゴンと戦うゲーム。武器が効かない天災ドラゴンを唯一倒せるゲームって聞きました」

「ならば……目的は分かるな」

「はい、『ドラゴンコイン』を探すことです」

ハルヒメである僕が言うと、頷いて見せたエキドナ。


「大体あっているが、正しくは『ドラゴンコイン』は『竜器』の一つだ」

「『竜器』?」

(ドラゴン)生成器……略して竜器だ」

では聞こう。なぜドラゴンがこの世にあらわれているかわかるか?」

「ええっ、うーん……天災だから?」

「違うぞ、ドラゴンは人なのだ。元は人間だ」

エキドナの言葉に、僕はショックを覚えた。

いきなり鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を覚えた。


「どういうこと?」

「ドラゴンは竜器によって欲望が肥大化した人間の姿、そう言うのが正しいだろう。

つまり竜器を見つけて始末しない限り、ドラゴンは永遠に生まれてくる仕組みだ。

ましてやドラゴンのレベルは欲望レベルによるものだ。

このスマホでカメラを覗くと、それが『竜器』であるかを調べることができる機能があるのだ」

「うそ……」

エキドナの言葉は説得力があった。

今までただ何となく現れていた災いが、人間が元だったとは思わなかったから。

それを知っていたのか、K・シューターは顔をそむけた。


「K・シューター、いや弘明お前は知っていたのか?」

「……ああ」

「だったらさっき、お前が殺したのは人間か?」


僕は単純に疑問だった。

僕はドラゴンと戦うためのゲームだと思っていた。

突然現れた侵略者のようなドラゴンを倒すことで、正義の味方だと信じていた。

だけど、僕がやっているのは人殺しと変わらないじゃないか。


「覚悟はあるか、新入りよ。どうやら申請の時間は迫ってきておる。

次戦うまでに覚悟を決めよ、でなければお前は永遠の臆病者だ」

エキドナが話を止めようとする、背景が白くなっていく。

僕の、ハルヒメの体が薄くなっていく。だけど僕は叫んでいた。


「もしかして僕は人殺しをしなければならないのか!」

何度も白い空間に僕は叫んでいた。

次第にその叫びさえ消えて、周りは真っ白に包まれた――



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