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リアルの上野駅は、再び活気が戻ってきた。
昼間に上野公園付近でドラゴンが出現、その後数分後に消滅していたニュースが流れた。
天災ドラゴンは、デパートを破壊したが人的被害がないと報告があった。
僕は結衣と別れて一人で、駅前の幕末志士の銅像の前で待っていた。
ドラゴンがいなくなった駅は、人ごみが戻ってすごく混雑していた。
最後にメールを貰った。それはK・シューターと呼ばれる男から。
『ハルヒメと話がしたい、一人で上野駅に来てくれないか』と。
差出人の名前は書いていないけれど、僕は知っていた。
間もなくしてやってきたのが白いジャケットを羽織った男。
「弘明!」
それは、無表情で僕に近づいてきた弘明だった。
手には赤いスマホを持っていた弘明。
僕は弘明の気配を感じて、思わず身構えていた。
「やはりお前か、晴ねえの代わりをしやがって!」
弘明は僕を睨みつけてきた、その目はとても鋭い。だけど僕も引けなかった。
「なんだよ、弘明だって僕に『ドラゴンプラネット』を隠していたじゃないか!」
「お前には絶対に晴ねえの代わりができない!
このスマホは、『たまだん』で選ばれた五人だけが持つことが許される」
「どういうことだよ?」
「そのままの意味だ、お前は汚いヤツだ。足手まといなんだよ!」
弘明の言葉に僕は返す言葉がない。
人通りが激しくなる駅内に、僕は弘明の顔をじっと見ていた。
「僕はそんなことない、ドラゴンと戦いたい。晴ねえの仇を取るんだ……」
「仇だと?お前のような臆病者が?」
「弘明……なんで認めてくれないんだ?」
「認めるか……ならば誉、スマホをつけろ」
そう言いながら真っ赤なスマホを操作する弘明。
弘明が、僕に向かって見せてきたのが『ドラゴンプラネット』の画面。
「俺はお前にバトルを申し込む。もちろん臆病者でなければ逃げてもいいんだぞ」
「誰が逃げるか!」
スマホの画面には、『バトルモード』勝負申し込みが書かれていた。
それを僕は引き受けた。
弘明の指示通り同時に俺はスマホをタッチした。
引き受けた瞬間、僕と弘明は消えた。
いや上野駅で見えなくなった。
だけどその選択が、僕は選んでいけない選択だった。




