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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
二話:戦う意志と逃げる勇気
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カラオケボックスの中ではずっとサイレンが鳴っていた。

だけど結衣は全く動かない。落ち着き払った顔で右手にリモコン、左手にスマホを持っていた。

カラオケ機器のモニターには、生放送のニュース画面に切り替わっていた。

そのニュース画面に見えたのが上野駅、ここからそんなに離れていない。


「ねえ、知っている?」

「何が?」

「カラオケ機の最新機能について」

結衣がそう言いながら、メニューを開くとそこには『ドラゴン情報』と書かれていた。

ドラゴン情報のページを開くと、画面が二分割された。

リアルのドラゴンを写すカメラと、上野地区の地図。地図には赤いドラゴンアイコンも見えた。


「どういうことだ?」

「太もナツもおそらく『真ドラプラ』に入ったはず、あたしたちも入りましょ」

「待って、結衣。行かせていいのか?太もナツも?」

僕の質問に結衣の顔が一瞬曇った。

でもどう考えても腑に落ちない、ドラゴンが街中に現れたのに。


「ドラゴンが現れたんだろ、生身の人間を生かせたら死んじゃうよ!」

「分かっているわ!」

「だったら今すぐ避難して、呼び戻して……幸いこのカラオケボックスにはシェルターもある」

「逃げたら誰が倒すの?」

静かな声で結衣は僕に言ってきた。

相変わらずスマホを持ったまま、腕を振るわせていた。


「逃げないと……殺される!僕は見たんだ、ドラゴンに殺された晴ねえを」

「あなたはそうやって弱気になるのがいけないのよ、誉!」

「なんで僕が……」

「いい、『ドラゴンプラネット・トルース版』はドラゴンを倒せる唯一無二の人類最後の希望。

もし、あたしたちが負けたらドラゴンを止める術はない。

天災ドラゴンは永遠に人間を殺し続ける。だから……」

「それでも太や棗が犠牲になっていいわけがない!」

「馬鹿じゃない!あたしたちはそういう運命なの。

それに、このカラオケボックス内ならあたしたちは彼等を救えるから」

泣き出しそうな結衣が、顔を赤くして言い捨てた。目元を隠してため息を大きく吐いた。


「どういうことだよ?」

「時間がないわ、今すぐ『ドラゴンモード』でゲームに入って!今なら出ているはずよ」

結衣がカラオケ機の画面を見ながら、スマホを操作していた。

僕はスマホを見ると、『ドラゴンモード』と書かれた赤い文字を見つけた。

僕が押そうとしたときに結衣が声をかけた。


「言っておくけれど、あたしは守れないから。

自分の身は自分で守って、そうしないと死ぬわ」

そう言い残して僕はスマホを見ていた。

スマホには『ドラゴンモードに入りますか?』という無慈悲な文字が見えた。


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