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ドラゴンプラネット  作者: 葉月 優奈
十二話:最高のデスゲーム黙示録
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葬儀から数時間。愛子ちゃんの頼みを聞いて誉のマンションに来ていた。

ここに訪れたのは久しぶり。愛子ちゃんの秘密基地?が地下にはあったけど。

あたしと棗、愛子ちゃんの三人で誉のマンションに来ていた。


マンションでは、妹さんが出迎えてくれた。

昔より大きくなったなぁ、今年中二になったのね。

妹さんに案内されて入った誉の部屋で、あたしはおののいていた。

それは、ベッドに横たわる誉の姿だ。


「誉……どうして」

ユグドラシルの戦いの後、誉はずっと寝たきりだって妹さんが説明してくれた。

目を覚まさない誉。あの日から、死んだかのように眠っていた。

だけど呼吸はしていて、死んではいない。生きていた。

崩れたあたしは誉の前にしゃがみこんで、眠る誉の手を握った。


「誉……起きないの?」

棗の問いに愛子ちゃんはじっと見ていた。

何かを探すかのように、目を動かしていた。

間もなくして確信したような顔をあたしに見せてきた愛子。


「わらわはいろいろ見てきた。そんなわらわが、一つの方法に至った」

「方法?」

「野高谷を救えるのは、結衣だけだ」

「なぜ、あたしなの?」

「誉が好きだろう?」

「えっ……」

「相変わらずとてもわかりやすい」

棗の言葉にあたしは顔を赤らめた。やっぱりあたしは顔に出るんだ。

表情が分かりやすい自分を心の中で恨んでいた。


「でも、誉を助けるには好きである『欲』が必要だ」

「欲?」

「そう、誉はまだ迷っている。誉はニーズヘッグにとりつかれていおるのだ」

「ニーズヘッグって、太の事?」

「そう、彼の脳波にはニーズヘッグが残像として残っていた。

彼はニーズヘッグの呼び込みによって、シューターを成功させたのだが意識を失った。

このままでは……誉は新たなニーズヘッグになってしまうだろう」

愛子ちゃんはいつもながらに急に言ってきた。


ニーズヘッグ、それは弘明を殺して太をもてあそんだ憎きドラゴン。

灰色の鱗に包まれたドラゴンが思い出された。

そんなニーズヘッグに……もし誉がなってしまったら。

あたしは絶対に嫌だ、誉と戦いたくない。


「誉を助けたい。どうにかならないの?」

「だったら、彼の手を握って愛を誓うんだ」

「えっ、ここで?」

「結衣の想いを彼に与えるんだ。欲望とは本来、人間が制御できるようになっている。

だけど、それを変えることができる。それは……」

「それは?」

「愛」


愛子ちゃんが照れくさそうに言って目を逸らした。

なぜか状況反射的に、あたしは愛子ちゃんを抱きしめていた。


「いたいいたい……やめるのだ」

「もう……かわいい。わかったあたしに任せて」

愛子ちゃんを解放して、あたしは眠っている誉の手を握った。


眠る誉は、目を覚まさない。

これ以上被害を繰り返してはいけない。


「誉、目を覚まして」

あたしは力強く手を握った。そしてあたしは顔を赤くした。

見守る棗、愛子ちゃん。二人もあたしを言葉少なく応援してくれた。


「あたしは誉が好きだから。誉が……大好き!」

そう言いながら、あたしはすぐに誉の顔に顔を近づけた。

白雪姫の話が子供の時に好きだったけど、まさかあたしが王子役をやるとは思わなかった。

そのままためらうことも、迷うこともなく唇を重ねた。

それはあたしの愛の形。キスをしたあたしは、顔を上げた。


(起きてよ、誉)

それでも起きない誉……だけど眉がかすかに動いた。


「誉っ!」

「動いた」

あたしと棗は、固唾をのんで見守った。


それから間もなくして、誉は目を開けた。

あたしは迷うことなく、誉を抱きしめていた。


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