第1話 〜絶体絶命の瞬間に咲く花〜 後編
人間が…いない?
嘘、なんで。
ここにいるのは、俺らだけ…
さっきまで人間がいっぱいいて、楽しく遊んでて…
「まじか… どうしよう…」
「どっぷり罠にはまったということだな。つまりは。
まっ、俺達からはまりに行ったから自業自得みたいなもんだけどね…」
いや…ちょっとこれは今からでも逃げたほうがいいんじゃないか…?
そう思った途端に一斉に街明かりが消えた。あたりは真っ暗だ。
「ツッッッッッッッッッッッッッー」
急に寒気がしてきた…
「まずい、亮、今からでも逃げるんだ…!」
二人で逃げようとした時…
「いってっ」「ズサーッ」
亮が花の蕾に足を引っ掛けて転んでいた。
にしても今までに見たことのないくらい綺麗な蕾だな…
二人は思わず、その得体も知れない不気味な蕾に見とれてしまっていた。
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「うわっ、いっけねっ。」
つい見とれてしまっていた。
見とれてから何分が経つだろうか…
そう考えていた時、
「あっ、花が開くよ。」
ゆっくり、ゆっくり蕾が開いていく。
とうとう開ききった。
花の模様や形、匂い、すべてが不気味だった。
なんだろう、この匂い…
亮はその花を不思議そうに見ていたけれど、蓮は違った。
蓮はこの花がどんなに恐ろしい物かということを知っていたからだ。
まずいぞ…
「亮、全力ダッシュで逃げるんだ…!」
蓮がそう呼びかけた。
が、遅かった。
「繧ケ繝シ繝上?繝」
彼はもう、何者かに呪われていた…
その不気味な花が亮を感知して、その何者かに超音波で亮の居場所を教えたのだ。