第9話:「歴史の影に潜む者」
第9話:「歴史の影に潜む者」
第1章:新たな異変(起)
舞台:1968年 アリゾナ州・タイムトンネル基地
トニー・ニューマンとダグ・フィリップスが朝鮮戦争における歴史改変を阻止した直後、基地内の警報が鳴り響く。
オペレーター・アン博士「警告! 時空振動が収束しません! さらに別の時代で改変が発生しています!」
モニターには、新たな異常が示されていた。
スウェイン博士「今度の改変は19世紀、1848年のヨーロッパ革命期に影響を及ぼしています!」
ニュース速報(1968年)「驚くべき新発見です! 19世紀半ばのヨーロッパで、革命の波が広がらなかった可能性が高まっています。フランス第二共和国の成立が記録から消え、王政が存続したという新たな歴史資料が確認されました!」
ダグ「ヨーロッパ革命が起こらなかった…? もしそうなら、近代の民主主義の歴史が大きく変わる!」トニー「未来に影響を及ぼす前に、この異常を正さなければ!」
カーク所長「待て、トニー、ダグ。1848年のフランス革命…確か私の祖先がその時代に関与していたはずだ。」
アン博士「そうです。以前、フランス革命に関する異変が起きたときも、カーク所長の祖先が重要な役割を果たしていました。」
スウェイン博士「もし今回の改変に所長の祖先が巻き込まれていたら、さらに歴史が歪められる可能性があります!」
カーク所長「君たちの任務は明白だ。フランス革命の火種がなぜ消えたのかを突き止め、歴史を元に戻してくれ。」
二人は異常の発端を探るため、1848年のフランス・パリへ向かうことを決意する。
第2章:1848年 革命の消えたパリ(承)
舞台:1848年 フランス・パリ
トニーとダグは、革命の熱気に包まれているはずのパリへ転送される。しかし、そこに広がっていたのは、革命の気配が全く感じられない静かな街だった。
ダグ「信じられない…この日は本来ならば民衆が立ち上がり、政府を転覆させる大暴動が起こるはずなのに…。」トニー「何が起きた? 誰かが民衆を抑え込んだのか?」
二人は情報を集めるため、新聞や民衆の会話を盗み聞くが、革命の兆候はまったくない。それどころか、政府が反乱を未然に防いだかのように、秩序が完全に保たれている。
新聞記事「政府の予防措置が奏功し、反乱の企ては未然に防がれた。国王ルイ・フィリップ1世の統治は安泰である。」
ダグ「これは…単なる偶然じゃない。何者かが革命を未然に防いだに違いない。」
二人は、この歴史改変の背後に未来の勢力が関与していると確信し、異変の原因を探り始める。
第3章:歴史を操作する影(転)
舞台:1848年 フランス・パリ
トニーとダグは、革命を起こすはずだった急進派の指導者たちを探すが、彼らはことごとく行方不明になっていた。
民衆の話「あの男たちは数日前、何者かに連れ去られたらしい…政府の秘密警察の仕業かもしれないが、様子が奇妙だ。」
トニー「これは計画的な粛清だ…だが、歴史にはそんな記録はない。」
二人は、政府関係者の中に未来の知識を持つ人物がいる可能性を考え、その正体を暴くために王宮へ向かう。
王宮の密会王宮の奥深くで、政府高官たちがある謎の人物と密談を交わしている場面を目撃する。
謎の男「革命を抑え続けることができれば、未来の世界はもっと安定する。我々の計画は正しい。」
ダグ「あいつが歴史を操作している黒幕か!」
二人は、この男の正体を探るため、彼の行動を追跡する。
第4章:歴史の修正(結)
舞台:1848年 フランス・秘密アジト
トニーとダグは、王宮を脱出し、秘密裏に活動しているわずかに残った革命派と接触する。彼らの話によると、謎の男が未来の知識を用いて反乱を未然に防いだという。
革命派のリーダー「あの男は、まるで未来を見ているかのように我々の動きを察知し、ことごとく対策を打ってきた。」
二人は、短時間タイムワープ装置を使い、この装置が稼働する前の段階に移動し、破壊することで歴史を修正する作戦を決行する。
ニュース速報(1968年)「歴史記録が修正されました。1848年、フランス二月革命が発生し、王政が崩壊。」
カーク所長「君たちの活躍で歴史は元に戻ったようだ。」
アン博士「でも、また新たな異変が起きる可能性もあります。」
トニー「時間との戦いは終わらない。次はどこで何が起こるのか…」
(次回へ続く)