第8話:「未来技術の亡霊」
第8話:「未来技術の亡霊」
第1章:新たな異変(起)
舞台:1968年 アリゾナ州・タイムトンネル基地
トニー・ニューマンとダグ・フィリップスが、太平洋戦争における歴史改変を阻止した直後、基地内の警報が再び鳴り響く。
オペレーター「警告! 新たな時空振動を検知! 未来技術の影響が複数の時代に波及しています!」
モニターには、新たな改変が発生している時代と場所が次々と映し出される。
科学者「確認できた影響のひとつは、1950年代の朝鮮戦争において異常な戦闘が発生していることです!」
ニュース速報(1968年)「驚くべき発見がありました! 朝鮮戦争の歴史記録に不審な点が見つかり、ある戦闘で高度な技術を持った兵器が投入された可能性が示唆されています!」
ダグ「まさか…また未来技術の影響か?」トニー「未来技術が戦争の勝敗を変えているなら、それは次の改変の起点になりかねない!」
トニーとダグは、この異常の源を探るため、1951年の朝鮮戦争の最前線へ向かうことを決意する。
第2章:1951年 朝鮮戦争(承)
舞台:1951年 朝鮮半島・38度線付近
トニーとダグが転送されたのは、朝鮮戦争の激戦地、38度線付近の戦場だった。
ダグ「爆撃の音が聞こえる…だが、これは通常の砲撃音じゃない。」トニー「おかしいな。米軍の装備とも中国軍の装備とも違うようだ。」
彼らは戦場を慎重に進み、敵味方双方の部隊が混乱している様子を目撃する。
米軍兵士「信じられない! あの戦車は何だ!? 俺たちの砲撃が全く効かない!」
視線の先には、1950年代の技術ではありえない高度な装甲と自動防御システムを備えた未来的な戦車が、圧倒的な火力で戦局を支配していた。
ダグ「やはり未来技術が投入されている!」トニー「この兵器の出所を突き止めなければ、歴史が大きく歪められてしまう!」
二人は、未来技術を供給している勢力を特定するため、戦線の背後にある秘密基地へ向かう。
第3章:未来技術の供給者(転)
舞台:1951年 朝鮮半島・中国軍の秘密基地
トニーとダグは、中国軍の後方基地に潜入し、未来技術の供給元を探る。そこでは、未知の装備を管理する秘密施設が稼働していた。
ダグ「これは…この時代には存在しない技術だ!」トニー「やはり誰かが未来から介入している!」
彼らは施設内で、未来の知識を持つシュウ・カンリュウと名乗る男を発見する。
シュウ・カンリュウ「また君たちか。だが、今回は阻止させるわけにはいかない。」
トニー「お前が未来技術を供給していたのか?」シュウ・カンリュウ「そうだ。朝鮮戦争の結果を変えることで、冷戦の構図を塗り替える。それが我々の目的だ。」
彼は、未来から持ち込んだ武器技術を用い、朝鮮戦争のバランスを変えようとしていた。
ダグ「この戦争は本来、現代の冷戦の基盤を作るものだ。勝敗を変えれば、未来の国際関係が大きく変わる!」シュウ・カンリュウ「それこそが狙いだ。未来の世界をより安定させるために、この時代を調整しているのさ。」
トニーとダグは、この計画を阻止すべく、未来技術の供給を止めるための作戦を立てる。
第4章:歴史の修正(結)
舞台:1951年 朝鮮半島・秘密施設
トニーとダグは、短時間タイムワープ装置を使用し、施設が未来技術を本格的に配備する前の段階に移動。そして、未来から持ち込まれた武器の制御システムを破壊する。
ダグ「これで未来の武器は無力化された!」
シュウ・カンリュウ「貴様ら…だが、我々の戦いは終わらない!」
彼は施設の奥へ逃げるが、未来技術が消滅したことで、戦況は元の状態へ戻り始める。
ニュース速報(1968年)「歴史記録が修正されました。1951年、朝鮮戦争の経過は本来の通りに進行。」
基地では、計測された時空の歪みが正常値に戻っていく。
カーク所長「よくやった、トニー、ダグ。歴史は元通りになったようだ。」
しかし、ダグは依然として不安を抱えていた。
ダグ「これで終わりとは思えない。未来にはまだ、歴史を改変しようとする勢力がいるはずだ。」
トニーも同意し、二人は次なる改変の可能性に備えることを決意する。
トニー「時間との戦いは終わらない。次はどこで何が起こるのか…」
(次回へ続く)