第7話:「歴史なき戦争」
第7話:「歴史なき戦争」
第1章:異常な戦後世界(起)
舞台:1968年 アリゾナ州・タイムトンネル基地
トニー・ニューマンとダグ・フィリップスが前回の歴史改変を修正した直後、基地内のアラートが再び鳴り響く。
オペレーター「緊急事態! 歴史記録に異常を検知しました!」
モニターに映し出されたデータを見て、カーク所長は顔をこわばらせる。
カーク所長「何だこれは…第二次世界大戦は発生したが、戦後の歴史がまったく異なっている。」
科学者「1945年の日本への原爆投下の記録が消えています!」
ニュース速報(1968年)「新たな研究によると、日本が第二次世界大戦で降伏せず、連合国との長期停戦協定を結んだ可能性が高いことが判明しました!」
ダグ「つまり、日本は戦争に負けたわけではなく、戦後の世界秩序が変わった…?」トニー「これは戦後の国際関係が完全に異なる世界だ。歴史改変の原因を突き止めないと!」
さらに、外部との通信を回復した際、衝撃の事実が発覚する。
オペレーター「1968年の現在、冷戦の構図が完全に変わっています! ソ連の軍事力が圧倒的に強化され、アメリカとの対立がないどころか、欧州が共産圏に統一されつつあります!」
カーク所長「原爆が投下されず、戦後のバランスが崩れた影響か…」
さらに驚くべき報告が入る。
科学者「驚くべきことに、1968年の日本が“軍事大国”になっています。米軍が駐留せず、日本は独自の軍事技術を発展させ、世界における強国の一角を占めています。」
オペレーター「さらに異常が発生! 1942年の太平洋に見慣れない戦艦が出現し、米軍が大混乱に陥っています!」
トニー「戦艦? 未来の技術を持った軍艦が1942年に転送されたのか?」
彼らは異常の発端を探るため、1942年の太平洋へ向かうことを決意する。
第2章:改変された戦場(承)
舞台:1942年 太平洋・ソロモン諸島沖
トニーとダグは、南太平洋の海域へと転送される。彼らの目の前には、異様な光景が広がっていた。
ダグ「あれは…米軍でも日本軍でもない? 見たことがない軍艦だ!」
海上には、2020年代の日本の最新鋭の護衛艦と思われる艦船が存在し、その先端技術を持つ戦闘能力により、当時の戦艦群を圧倒していた。
トニー「未来の軍艦が1942年に現れた…まさか、未来からの干渉者がこれを仕組んだのか?」
二人は、未来からの干渉の原因を探るべく、どこかに設置された歴史干渉装置を探し出すことを決意する。
第3章:未来人の計画(転)
舞台:1942年 日本軍の秘密基地
トニーとダグは、1942年の日本軍の秘密施設に潜入し、異常な軍事技術がすでに導入されていることを確認する。
ダグ「この時代には存在しないはずのレーダーや電子機器が使われている!」トニー「やはり未来からの技術介入があったに違いない。」
彼らは未来からの技術を提供している人物を突き止める。それはシュウ・カンリュウという謎の男だった。
シュウ・カンリュウ「ようこそ。君たちも未来からの訪問者のようだな。だが、この時代の戦争を正すのは我々の使命だ。」
トニー「君の干渉で戦争が変わる。これが正しい歴史だと言えるのか?」
シュウ・カンリュウ「正しいかどうかではない。これは必要な変革なのだ。」
シュウは未来技術を駆使して、日本軍の戦力を強化し、第二次世界大戦の勝敗を変えようとしていた。
第4章:歴史の修正(結)
舞台:1942年 太平洋・護衛艦上
トニーとダグは、短時間タイムワープ装置を使い、未来技術を駆使して設置された歴史干渉装置が作動する前の段階に移動し、それを破壊する作戦を実行する。
ダグ「これを放置すれば、戦争の歴史が大きく変わる!」
激しい戦闘の末、トニーとダグは、島に設置された歴史干渉装置を破壊し、未来の技術が戦局に影響を与えることを阻止する。
ニュース速報(1968年)「歴史記録が修正されました。1942年、太平洋戦争の経過は本来の通りに進行。」
基地では、計測された時空の歪みが正常値に戻っていく。
カーク所長「よくやった、トニー、ダグ。歴史は元通りになったようだ。」
しかし、ダグは依然として不安を抱えていた。
ダグ「これで終わりとは思えない。未来にはまだ、歴史を改変しようとする勢力がいるはずだ。」
トニーも同意し、二人は次なる改変の可能性に備えることを決意する。
トニー「時間との戦いは終わらない。次はどこで何が起こるのか…」
(次回へ続く)