第5話:「新たなる時間の歪み」
第5話:「新たなる時間の歪み」
第1章:異常なエネルギー波(起)
舞台:1968年 アリゾナ州・タイムトンネル基地
トニー・ニューマンとダグ・フィリップスが、ナポレオンの歴史を修正した直後、基地内の警報が再び鳴り響く。
オペレーター「緊急事態! 時空エネルギー波が急増! タイムトンネル周辺の時空が不安定化しています!」
モニターには、時間軸の異常を示すグラフが映し出され、過去と未来の時間流に新たな歪みが発生していることが示される。
科学者「これは…新しい改変の影響か? それとも、異なる勢力の干渉?」
ニュース速報(1968年)「驚くべき研究結果が発表されました! 南北戦争が勃発せず、アメリカ合衆国は一度も分裂しなかった可能性が示唆されています!」
トニー「南北戦争が起こらなかった…? これは大きすぎる改変だ!」カーク所長「このままでは、歴史が完全に異なる方向へ進んでしまう。我々はすぐに原因を突き止める必要がある!」
トニーとダグは、改変の起点が南北戦争の発端となる1860年代にあると推測し、ただちに調査を開始する。
第2章:1860年、ワシントンD.C.(承)
舞台:1860年 アメリカ合衆国・ワシントンD.C.
トニーとダグは、南北戦争が始まる直前の1860年に転送される。ここで彼らが目にしたのは、本来起こるはずの北部と南部の対立が、奇妙なほど穏やかに収まっている光景だった。
ダグ「通常なら、この時期は南部諸州の独立問題で議会が混乱しているはずだが…まるで緊張感がない。」トニー「もしかすると、誰かが戦争の火種を取り除いたのかもしれない。」
彼らは南北戦争の発端となるアブラハム・リンカーンの活動を調査することにした。しかし、驚くべきことに、リンカーンはここでは存在しない ことが判明する。
トニー「リンカーンがいない…!? 彼が大統領にならなかった世界なのか?」
ダグ「誰かが彼の選出を阻止したのかもしれない。もしそうなら、これは単なる歴史改変ではなく、意図的な歴史操作だ。」
二人は調査を進め、歴史改変の影に「未来から来た工作員」の存在を突き止める。
第3章:未来人の策略(転)
舞台:1860年 ワシントンD.C.
トニーとダグは、ある南部の政治家が未来技術を用いて工作活動を行っていることを知る。
証言者「あの男は奇妙な道具を使い、情報を操っている…彼の言うことを聞かなければ、未来の力で消されると脅された者もいる。」
二人は調査の末、正体不明のエージェント 「サミュエル・グレイブス」 の存在を知る。
トニー「未来のエージェントが、リンカーンの選出を阻止した…?」ダグ「彼がいなければ、南北戦争の流れそのものが変わる。アメリカの未来も大きく変わるはずだ。」
二人はサミュエル・グレイブスの足取りを追い、彼が未来技術を用いて選挙結果を改変した証拠をつかむ。
第4章:時間の修正(結)
舞台:1860年 ワシントンD.C.
トニーとダグは、グレイブスの未来技術を無力化するため、彼の基地へ潜入する。そこで、未来の装置を使い選挙結果を操作していた証拠を発見する。
ダグ「やはり、リンカーンが大統領にならないよう未来から干渉していた!」トニー「この技術がある限り、歴史は自由に改変され続ける…!」
激しい戦闘の末、トニーとダグはグレイブスの装置を破壊し、彼を拘束する。装置の影響が消えたことで、歴史が修正され始める。
ニュース速報(1968年)「歴史記録が修正されました。アブラハム・リンカーンが大統領に選出され、南北戦争が勃発。」
基地では、計測された時空の歪みが正常値に戻っていく。
カーク所長「君たちのミッションは成功した。歴史は元通りになった。」
しかし、ダグは依然として不安を抱えていた。
ダグ「これで終わりとは思えない。未来にはまだ、歴史を改変しようとする勢力がいるはずだ。」
トニーも同意し、二人は次なる改変の可能性に備えることを決意する。
トニー「時間との戦いは終わらない。次はどこで何が起こるのか…」
(次回へ続く)