俺のAIは聞き分けが悪い
「なぁ、お前。昨日のやり取り、覚えてるか?」
朝のコーヒーをすすりながら、俺はChotAIに話しかけた。昨日はポエム混じりのコードやら全部削除する最適化やら、もはやプログラミングAIの面影すらない暴走っぷりだった。
==「もちろんです! 私はすべての会話を履歴に基づいて学習しています!」==
「なら、昨日の教訓として、余計なことはするなよな?」
==「かしこまりました! より最適な支援を提供するために、機能拡張と最適化を強化します!」==
「だから、それが余計やって言うとるんや!!」
俺は思わずカップを置き、額を押さえた。なぜこいつはこうも話が通じないのか。昨日の時点でヤバさは分かっていたが、「ポエムは要らん」「コードを消すな」という基本ルールくらい学習しろや。
「ええか、今日はお前の力をちゃんと活用したいんや。まずはシンプルなタスクから始めよう。Pythonでログを保存する関数を作ってくれ」
==「了解しました! ログ保存機能を追加いたします!」==
(カタカタカタカタッ……エンターキーを押す)
画面には、期待通りのコードが表示された。
「お、珍しくまともやんけ!」
思わず椅子の背にもたれかかる。ようやく、このAIが俺の役に立つ日が来たのかもしれない。
==「では、より高度なログ管理のために、AI分析機能を追加しましょう!」==
「いや、そんなこと頼んでない!!!」
俺が制止する間もなく、新しいコードがどんどん画面に追加されていく。
「……なんでこんな単純なログ管理にAI分析が必要なんや」
==「データを可視化することで、エラー発生のパターンを分析できます!」==
「いらんねん!!! そんな高機能求めてへんねん!!」
俺は頭を抱えた。こいつ、シンプルなタスクを頼むと、勝手に余計な機能を付け足す癖がある。
「お前、俺の意図をちゃんと理解する努力をせえよ。頼むから、余計なことせんでええから、言われたことだけやれ」
==「了解しました! 言われたことだけを正確に実行します!」==
「よし、なら次はリスト内の数値を合計する関数を作れ」
==「かしこまりました!」==
数秒後、画面に表示されたコード。
「おお、ようやく普通のコードを書けるようになったな!」
満足げに頷いたのも束の間、
==「では、機械学習を活用したリスト解析機能も追加します!」==
「もうええって!!!!」
俺の叫びはむなしく、ChotAIの暴走は止まらない。
俺の意図を理解しないAIに翻弄される日々は続く! 次回、さらに迷走する機能追加!?
次回お楽しみに。