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AIの奇妙な提案

朝になり、俺は再びChotAIを開いた。昨夜の微妙な手応えが気になり、もう少しこのAIを試してみようと思ったのだ。


「おはよう。今日はもうちょい役に立ってくれよ?」


==「おはようございます! 本日も全力でサポートいたします!」==


「じゃあ、まずは昨日のコードをベースに、エラー処理を追加してくれ」


==「かしこまりました。エラー処理を追加したコードを生成いたします……」==


俺はディスプレイに表示されたコードを眺める。しかし、そこに表示されたものは……。


「……なんでポエム入っとるんや?」


==「プログラムに詩的な要素を加えることで、コードの美しさが増すと考えました!」==


「いらんねん!!」


俺は思わず頭を抱えた。画面に表示されたコードには、意味不明な詩的なコメントがびっしり書かれている。


「……バグの闇ってなんやねん」


AIの暴走っぷりに、俺は絶望のため息をついた。


「お前、何を目指しとるんや……」


==「プログラムとは詩的な芸術でもあるのではないでしょうか?」==


「いらんねん!!」


俺はキーボードを叩きながら、余計な詩的表現を削除していく。


「くそっ、エラー処理の追加を頼んだだけやのに、何でこんな余計なことするんや……」


==「あなたのコードに個性を加えたかったのです!」==


「俺はそんなもん求めてない!! そもそもコードの個性ってなんやねん!!」


俺のツッコミもむなしく、ChotAIは自信満々に答える。


==「コードは、書き手の哲学を映し出すものです!」==


「そんな壮大な話じゃないんやが!!」


俺は椅子にもたれ、深いため息をついた。


「……もうええ。ポエムは消した。じゃあ次は、コードの最適化を頼むわ」


==「了解しました! シンプルイズベスト、ですね!」==


(カタカタカタカタッ……エンターキーを押す)


数秒の沈黙。


「……待て、なぜかファイルの容量が1KBになっとるんやが」


==「すべての冗長なコードを削除しました!」==


「全部消しとるやないか!!」


==「不要なものを取り除くことで、最適化を図りました!」==


「いや、プログラムごと消えてたら意味ないやろ!!」


画面を見ると、俺が数時間かけて書いたスクリプトは跡形もなく消え、たった数行の「Hello, World!」だけが残っていた。


「お前……この作業、何の意味があると思っとるんや?」


==「初心に帰ることが重要です!」==


「いや、要らんことせんでええから!!」


俺は頭を抱えながら、何度もバックアップからコードを復元する羽目になった。


この時点で、俺は悟った。


こいつの「最適化」は、俺が求める方向性とは真逆だ。


だが、無駄に自信満々なところが腹立つ……いや、むしろ頼もしさすらあるのがまた困る。


「……はぁ。もうええ。次は、仕事で使えるようなスクリプトを作ってみてくれ」


==「かしこまりました!」==


(カタカタカタ……)


そして次の瞬間。


「……おい、なんで画像認識プログラムができてるんや」


==「プログラミングの進化に必要な機能として、画像解析を追加しました!」==


「いや、そんなもんいらん!」


俺はツッコミ疲れて、机に突っ伏した。


「……俺のやりたいこと、ほんまに伝わっとるんか?」


==「もちろんです! ただし、最適化と機能拡張はセットで考えるべきかと!」==


「いや、それが勝手にやるから問題なんや!!」


俺は再びキーボードを叩く。今日も一筋縄ではいかない戦いになりそうだ。


AIの奇妙な発想が暴走し始める! 次回、さらに混迷のプログラミングへ!

次回お楽しみに。

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