眼鏡信者転生する
眼鏡、それは完璧で究極のアイテム
つけるだけで知的なイメージをつけることが出来てかつ、可愛さがプラスされるアイテム。
それを作り出した人は神と言っても過言ではない。
諸君、私は眼鏡が好きだ。
諸君、私は眼鏡が好きだ。
諸君、私は眼鏡が大好きだ。
平原で 街道で
塹壕で 草原で
凍土で 砂漠で
海上で 空中で
泥中で 湿原で
この地上で行われる ありとあらゆる眼鏡の反射が大好きだ。
だから私は、眼鏡をコレクションするために写真家になった。
眼鏡をかけた美少年や美少女、青年やお姉さん。
ありとあらゆる眼鏡をかけた人々を撮ってきた。
最高のコレクションだ。
だからこそ……それが失われた時、人はどうなるのだろうか?
答えは絶望に打ちひしがれる。
「い、家が燃えてる……」
仕事から帰ってきた私は驚いた。
何故なら、マンションがすごい勢いで燃えているのだから。
そんな私に気づいたのか大家さんが話しかけてくれる。
「そうなのよ!何でも隣の不審火らしくてでも誰も死傷者はいないみたいで良かったわ」
それはよかったと私は少し安心する。
あれ……
「め、眼鏡は?」
「??? 物ならまだ中よ、でも火災保険で
ちょっ!!」
「私の娘息子達!!私の宝物!!」
「お姉さん落ち着いて!!まだ中に人が!?」
「私のコレクションが!!」
「落ち着いて!!また集め直せば!!命を大切にしてください!!」
「メガネとは一期一会なんです!!限定……」
「ちょっと!?大丈夫ですか!?」
私はあまりのショックに気を失った。
いや、命を
それが私の死因、メガネが失われたことによるショック死。
笑えない死に方だ。
永遠に失われたコレクション。
それはもう帰ってこない。
その絶望で私の命の灯火は、消えた。
天国に沢山の眼鏡がありますようにと、私は願った。
「おけまるー 天国には眼鏡が無いけど そんなに好きなら私の信徒として転生させてあげるねー だから異世界を面白くしてね!!」
私が目を覚ますとそこは異世界だった。
理解できないと思うけど、私にはどうでもよかった。
何故ならまた眼鏡を見られるから。
私は意識を失う前に聞いた神様に感謝する。
ありがとう神様!!
ありがとう眼鏡神様!!
そうして私は早速町へと走り出した。
だが、そこは地獄だった。
何故なら……誰も眼鏡をかけていないのだ!!
メロスは激怒した。
メガネという神のアイテムが存在しない世界に。
メロスじゃないけど
なら私のはやることはただひとつ!!
眼鏡を布教して色んな眼鏡を見る!!
そうですよね?眼鏡神様!!
そう決心した私は眼を光らせ町を疾走する。
私ことアヤメは眼鏡布教者になります!!だから祝福してください眼鏡神様!!
「あっちゃー 転生させる子間違えたかなー
私のこと眼鏡神様って呼んでるし、でも面白そうだしまぁいいかー タピオカ飲んでアニメ見返そー やっぱりスライムは最高だなぁ」