幸せの崩壊
シ「は?なんで俺がそんなことを?」
グ「いいから早く行ってこい」
シ「いや…俺が行く理由が」
グ「ん?なんか言ったか?」
シ「はぁ、はいはい、わかりましたよ」
グ「うん、よろしい」
シ「ちっ、、あの暴力教師が」
マ「どうしたの?」
シ「あっ、マオハねえ。いや、これ」
マ「あらあら、グラン先生に頼まれたの?」
シ「頼まれたと言うか、脅されてやらされた」
マ「あ、、まあ、グラン先生もお忙しい人だし、、、」
シ「俺より近くにアリカがいたんだけどね」
マ「あぁー、アリカちゃんは先生のお気に入りだからねぇ」
シ「あいつ、ほんとに教師か??」
ハ「シュライ!今なんて言った!!」
シ「すいません!!」
「…って、ハント、お前かよ」
ハ「ははっ、驚きすぎだろ」
「それにしても声が大きいぞ、こっちまで丸聞こえだったし」
シ「別にいいんだよ、グラン先生に聞こえなきゃな」
マ「もう、、まあ、そろそろ次の授業が始まるわ」
グ「それまで」
ハ「くっ、、」
グ「アリカの勝ちだ、ハント、鍛錬不足だぞ」
ハ「、、、はい」
アリカが強すぎるだけじゃ、、誰もがそう思ったが、言葉にせず呑み込む。
言ったところでまたネチネチ言われるだけだからな。
グ「じゃあ今日はこれまで!しっかり復習しておけよ!」
マ「アリカ、ハント、お疲れ様」
シ「ああ、ありが」
ア「どうだった!マオハ姉!」
マ「うん!すごかったよ!!」
ア「ありがとう!わたし、マオハ姉のために戦ったよ!!」
マ「まあ、ほんと? 嬉しいわ」
アリカのマオハ好きが炸裂する。
母親がいないからか、アリカはマオハを母や姉と重ねて見てる節がある。
シ「、、、だる」
ハ「おまっ」
ハントが呆れた様子でこちらを見てくる。
ア「ーーーシュライ、なんか言った?」
シ「いや?何も言ってないよ」
ア「そ、私には「だる」っていうワードがはっきり聞こえたんだけど」
アリカの表情が徐々に険しいものになる。
シ「気のせいじゃないか?ーーああ、あれだ、耳くそ掃除し忘れて幻聴でも聞こえたんじゃな」
そう言い終えようとした刹那、アリカが刃をシュライに突きつける。
ア「調子に乗りすぎだ」
シ「、、、ったく冗談通じないのかよ?これだから堅物は」
俺は両手を上げ、降参のポーズをしてアリカから離れる。
(あっぶねぇ、なんだあいつ、沸点低すぎだろ)
シ「で、この後どうする?」
内心冷や汗ダーダーだったことはうまく隠しながら、放課後に何をするかの話にシフトした。