第四話 すでにお金持ち
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目を開けたとき、真っ先に目に飛び込んできたのは森の木々だった。頬をくすぐる風。草の匂い。温かな陽射し。少女は深く息を吸い込んだ。
「いい気持ちだね、マダナイ君」
隣に立っているマダナイへ、少女は問いかけた。答えは返ってこなかったが、きっと同じことを思っていることだろう。
「女神はボクにイリス、って名付けてくれたんだよね?」
「うむ。吾輩も聞いていたのである。小娘、お前の名はイリスだ」
やはり聞き間違いではなかったようだ。女神に名付けてもらった人間など、自分くらいではないだろうか。なんと光栄なことだ。
「それよりすることがあるのである。まずは腰につけてあるポーチの中身を確認するといい」
ビシッと前足を突きつけられ、マダナイに言われたイリスは自分の腰を確認した。
「ポーチってこれだね? え~っと……」
水の革袋。数日分の食料の果実。お金。お金は色々な種類が入っていた。
「水と食料とお金が入ってたんだけど、お金の価値を教えてくれるかい?」
一瞬、面倒くさそうな顔をした気がするが、きちんと説明してくれた。
「全ての貨幣が入っていたはずである。日本円に換算するとこうであるな」
白金貨・100.000.000円(1億)
大金貨・1.000.000円(100万)
金貨・100.000円(10万)
大銀貨・10.000円(万)
銀貨・1.000円(千)
銅貨・100円(百)
鉄貨・10円(十)
「なるほどぉ~。ボクってばお金持ちだね!」
「呑気なものである」
しかし、イリスの言う通り、白金貨を一枚持っている時点で一億円持っていることになるのだ。これはお金持ちと言っても、過言ではない。
次回は3/24に投稿します。