第3話
オレは冒険者ギルドから出て最初の町【モノタウン】から出て【魔の森】に向かう為、東区の外門を目指して歩いていた。冒険者ギルドで確認したことだが、この【モノタウン】は5つの区画に分かれており、北区は商店が多く軒を連ねる商業区画、東区は冒険者ギルドや傭兵ギルドなどの特殊なギルドが集められた特殊区画、南区は鍛治屋など冒険者や傭兵、兵を補助する店が多く軒を連ねる技術区画、西区は農家などが多く軒を連ねる農業区画、そして中央区は、この町を管理する領主の敷地である領主区画であるらしい。【魔の森】は、東区の外門から出た先にあるらしいから、オレはこのままこの通りを進めば行けるって訳だなぁ。
「……そういやぁ、スキルの使い方とか見て無かったなぁ。……タップすりゃあイケるかぁ?」
オレはそう言ってステータスウィンドウを出した。
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name;ゲッカ
種族;半長耳族『鬼人混血』
性別;女
LV;1/100
JOB;騎士LV1/10
HP;25/25
MP;13/13
SP;16/16
STR;15
DEF;10
VIT;10
DEX;8
AGI;20
MND;8
INT;10
LUK;10
ステータスポイント;0
スキルポイント;0
〔スキル〕
『普通スキル』「鑑定LV1」、「疾走LV1」
『技術スキル』「剣術LV1」、「鎧術LV1」、「体術LV1」
『魔法スキル』
「光属性魔法LV1」、「魔力操作LV1」
〔称号〕
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オレはスキルの部分をそのままタップした。
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『剣術』
・パッシブスキル。
・剣の扱いをシステムによりサポートするスキル。
・スキルLV上昇で【技スキル】を習得することがある。
『鑑定』
・アクティブスキル。鑑定と思い浮かべるか、唱えると発動する。
・情報をシステムを通して使用者に開示するスキル。
『疾走』
・アクティブスキル。疾駆と思い浮かべるか、唱えると発動する。
・使用者のAGIを使用中5%上昇させるスキル。
・使用時、SPを消費する。
『鎧術』
・パッシブスキル。
・使用者が鎧を上手く扱える様にするスキル。
『光属性魔法』
・アクティブスキル。使用する魔法名を思い浮かべるか、唱えると発動する。
・光属性の魔法を使用できる様にするスキル。
・使用時、MPを消費する。
▼『使用可能光属性魔法』
「照明」
・周囲を照らす光球を作り出す魔法。
・消費MP2→1(魔力操作により半減)
・30分は継続及び追従する。
「閃光」
・対象に強力な光を放つ魔法。
・対象を一定確率で、状態異常「盲目」に10秒間する。
・消費MP3→2
「光矢」
・対象に光属性の魔力矢を飛ばす魔法。
・消費MP4→2
『体術』
・パッシブスキル。
・武器を使わない戦闘技術の扱いをシステムによりサポートするスキル。
・スキルLV上昇で【技スキル】を習得することがある。
『魔力操作』
・パッシブスキル。
・魔法系統スキル使用時の負担を軽減させるスキル。
・魔法系統スキル使用時、消費MPを軽減させる。
・MPの回復速度を上昇させる。
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あ゛あ゛?なるほどなぁ。ある程度把握したわ。お、そんな事考えてたら、外門に着いたみてぇだなぁ。さっさと出させて貰うぜ。
「お気を付けて、騎士殿。」
外門を担当していた兵の姉ちゃんはオレにそう言ってきた。
「あ゛?おう、気を付けるわ。」
オレはそう言って門の外に出た。
門の外に出るとそこは草原だった。冒険者ギルドの地図に名称は記述されていた。
「確か【魔の草原】だったかぁ?こういったゲームではあるとは聞いてたが、混んでんなぁ。やっぱり【魔の森】にしといて正解だったなぁ。」
オレはそう言って、【魔の草原】の先にある木々が生い茂る【魔の森】に入って行った。
「……取り敢えず、剣は抜いとくかぁ。」
オレは森の中に入るとそう言って腰の左側に帯びていた鉄製の剣を鞘から抜いて右手で持った。
「……思ったより軽ぃなぁ?STRの恩恵ってかぁ?面白ぇ。」
そう言って試し振りをするオレ。右袈裟斬りからの逆右袈裟斬り、そこから右横薙ぎからの左袈裟斬り、そしてそこから逆左袈裟斬りをし、左横薙ぎをして真っ向斬りからの逆真っ向斬りの一連の動きをした。その一連の動きは、まるで剣舞の様に綺麗だった。
「結構しっかり動けんなぁ。これがシステムのサポートってやつかぁ。ある程度は理解していたつもりだったが思った通り動けてたなぁ。リアルじゃここまでの精密さは出せなかったからなぁ。」
オレはリアルでの事を思い出しながらそう言った。そんな事を言っていると近くの茂みから何者かの気配を感じ取ることができた。
「あ゛あ゛?誰だぁ、敵かぁ?」
そう言ってオレは茂みに向けて身体を左に少し逸らし足を肩幅に開き、右手の剣を地面から45度の角度になる様して構えた。左手は後ろの方で開いたままだ。
「キュキュゥゥ!!」
茂みから出てきたのは、ツノの生えた兎だった。
「即斬。」
オレは兎が茂みから飛び出して地面を蹴った瞬間、右手に持った剣を頭の左側に来る様に引いた後、左袈裟斬りを空中に踊り出た兎に対して放った。
「キュ……。」
左袈裟斬りは、兎の首にスムーズに入り兎をポリゴンに変えた。
「弱ぇなぁ?」
オレはそう言って剣を右肩に担いだ。
《LVが2に上がりました。》
《JOB「騎士」のLVが2に上がりました》
《ステータスポイントを2獲得しました》
《スキルポイントを1獲得しました》
《スキル「剣術」のLVが2になりました。》
《条件を満たしました。スキル「気配感知LV1」を習得しました。》
《条件を満たしました。技スキル「首狩りの一撃LV1」を習得しました》
《条件を満たしました。スキル「一撃必殺LV1」を習得しました》
《条件を満たしました。スキル「死霊術LV1」を習得しました》
《称号「死霊術の使い手」を獲得しました》
《称号「兎首一撃殺」を獲得しました》
《10Dを獲得しました》
《ドロップ品「首無し兎の肉体」を獲得しました》
《ドロップ品「兎の頭部」を獲得しました》
《ドロップ品「兎の魂魄」を獲得しました》
「あ゛、しまったなぁ。鑑定すんの忘れてたなぁ。取り敢えずこれでも鑑定してみるか。鑑定。」
オレは近くの木に生えていた木の実をもぎ取りそう言って鑑定した。
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『ごいちの実』
・甘い。
・瑞々しい。
・HPを5回復させる。
・喉の渇きを癒す。
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ほう?一口食ってみっか。40個くらい生えてるしなぁ。見た目、苺だが。
「……苺だなぁ。美味ぇーじゃねぇかぁ。気に入った。全部貰ってくわ。」
一口食ったオレはそう言ってごいちの実を40個全部もぎ取りインベントリに仕舞った。
「んじゃまぁ、他の獲物探すとするかぁ。」
そう言ってオレは森の中を進んで行った。
「……その前に手に入れたモノの確認だなぁ。あとドロップ関係もだぁ。」
オレは一瞬立ち止まってそう言った。