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小品

健一がゆく!

作者: 星野☆明美

ものすごい衝撃を受けて、健一は叩きつけられた。

「兄さん。大丈夫?」

弟の祐二が心配して尋ねた。

「大丈夫…じゃないかもしれない」

健一はむくりと起き上がった。

ふっ飛ばされた勢いで、前歯が一本欠けている。

「健一、ここは私に任せて!」

ケイが敵と健一の間に割って入る。

「女は引っ込んでろ!」

「やだ!」

そもそもの争いの発端は、ケイが原因だった。

ばりばりのナイスバディ。惜しげもなく色気むんむんの服装で、長い緩やかなウエーヴの髪をたらし、男という男の目を惹く。

「この人のこと、許して!お・ね・が・い」

「えーと…」

敵はひるんだ。

必殺お色気攻撃。投げキッスが敵をメロメロにした。

「ケイちゃん、またねー」

不戦勝?不戦敗?なのか、戦意を喪失した敵は去った。


腐れ縁なのか?健一はケイといつも一緒に行動していて、ケイに粉かけてくる男どもと小競り合いになる。相手がどんな男だろうと、やんちゃな感じの童顔の健一をケイは気に入っているらしく、必ず戻ってくる。

健一と対象的に色白で整った顔立ちの弟の祐二はいつも横でハラハラして見てる。(そう。見てるだけ。闘ったら多分強いけれど、とりあえず成り行きを見守る派)


「その歯、どうする?」

「ほっときゃ生えてくる」

「永久歯ぢゃなかったの?!」

「いや、永久歯」

しかたない。歯医者へ行くことにした。

受付の女の子がやけにかわいかった。思わずデレデレする健一。

背後にケイの殺気を感じてはっと我に返る。

「あのー、この歯。治せますか?」

「んー。差し歯になるでしょうね」

小首をかしげて女の子が言った。この娘も違う意味でハートを鷲掴みしてくる。

「キミ、名前は?」

「エミ」

「エミちゅわん!」

健一の耳を引っ張って、ケイが待合室の椅子まで引きずってゆく。

「兄さん…」

祐二が泣いている。

どこまで女の子に弱いんだ!


「次の方ー」

呼ばれて診察室へ。健一は差し歯を処置してもらった。

帰りしな、受付を見るとエミの姿がなかった。

健一はしょんぼりして、ケイと祐二と歯医者を出た。

「私も連れてって!」

フリフリのフリルワンピース姿のエミが外で待ち受けていた。

「歯医者さんの受付は?」

「さっき辞めてきました!」

やれやれまた兄さんの取り巻きが増えた…。祐二はため息をついた。

エミはちょっとぶりっ子かな?本性はまだわからないけれど、ケイと競ってるかもしれない。


遠巻きに健一たちをつけてくる輩も実は複数いたりする。

健一は人につきまとわれる傾向があった。


今日も健一はゆく!

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