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黎明のリベルニオン  作者: モチ太郎
Ⅰ 『開幕の襲来』
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0 0 4 謎の爆発事件


「ロイ隊長、いつも以上に真剣だったね」

「なんだろうねぇ」

「ありゃきっと一大事だな!よーし、お前ら!くれぐれも面倒事には巻き込まれぬよーに!!俺の仕事が増えそうだからな!!!」


「どちらかというと面倒事に俺らを巻き込むなよディアス」

「それよりも早く食べなよディアスくん」


「チ、チクショーー!」


 ―――――


 ディアスの大盛肉定食の完食を見届けた後レイルは資料保管庫へ。


 資料保管庫は中央の制御塔から東に数百メートル先のルフス大図書館の隣、レンガ造りで苔が生えた建物だ。鉄の壁に囲まれた機工都市ルフスにはちょっと雰囲気があわない建物だ。


(闇の魔力に関する資料。確か数か月前に東の大地で起きた爆発事件の内容をまとめたものだよな……)


 爆発の原因は謎のカルト集団“黒い月”の儀式の最中に発生した魔法反応。

 その事故で近隣の村は全焼し村人は跡形もなく消し飛んだらしい。


 ゼネラル騎士団の調査によれば儀式をとりおこなっていた黒い月メンバーもその爆発に巻き込まれて死亡……唯一爆発現場に残っていたのは黒い月のメンバーが身に纏っていたであろう謎の模様が描かれた黒い布きれのみ。


 この事件は謎に包まれたまま真相は解らず、黒い月の他のメンバーの捜索が今も続けられている。


(いったい何の儀式をしていたのやら、怖いなぁ)


 と、そんな奇妙な事件を思い出しているうちにレイルは資料保管庫にたどり着いた。


(えと、研究員証はっと……)


 研究員証を取り出し保管庫の大きな扉の横に浮いている水色の水晶に証をかざす。

 すると水色の水晶は優しい光を帯び証に魔法的な何かを放出、証に僅かに流れている魔力を感知すると大きな扉が音を立ててゆっくりと開いていった。


 

 ルフス総合資料保管庫――。


 ルフスが今までに獲得した情報と外部から取り寄せた資料を管理する為に作られた施設。

 壁一面にずらりと本棚が立てかけられていてその周囲を先程出入り口にあった水色の水晶が飛び回っている。


 扉からの一本道、その先を進んだ所に天井の大窓から差す日差しに照らされた大きな水晶がひとつ。

 これがこの資料保管庫内の全水晶とつながっている母体で、これに証をかざして魔力を流し込むことで好きな資料を検索して取り出すことができる優れものだ。



「んーっと、あったあったこれだ」



 資料のタイトルは『東の大地・アートノイン 闇の魔力暴走によるコルラ平原爆発事件』

 


 ―――――


 二時間後。

 ルフス・防衛部隊作戦会議室。


 薄暗い作戦室。室内にはちらほらと既に人が居りディアスは適当に空いている席へと向かう。

 巨大な魔法投影板(モニター)を正面に階段の一段ごとにずらりと長い机と椅子が並ばれている。ディアスはそのなかの八列ある中から前から三列目の席に腰掛けた。


 数分後、正面魔法投影板(モニター)の横にあるドアからリンクとロイが現れた。


「全員揃っているな」


 少し遅れて、彼らが出てきたドアから移動式簡易武器庫と呼ばれる戦場に向かう際に剣を収める鞘の役割を担う機工装置が現れた。武器庫の大きさは隊員が使う一般的な剣、刃約60cmの長剣が二本入るくらいの大きさで縦の幅は1m、幅は40cmと言ったところだ。


「突然呼び出してすまない、非番の者もいるだろう。だが心して聞いてくれ」


 リンクは魔法投影板(モニター)を操作するため小型の機工装置に微量の魔力を流し込んだ。


「皆に渡した資料を読んでもらえばわかると思うが、数か月前東の大地で起きた爆発事件。

 それと同様の爆発がこの西の大地でも発生した……それも同時に四か所」


 先ほどまで静かだった作戦室がざわつく。

 地図上で爆発場所を確認するとこの機械都市ルフスを中心として発生しているように見えた。


「これによる西の大地での目立った変化はないがもしこれが東の大地と同じく人為的な現象であった場合、我々は未曾有の事態に対処しなくてはならない」


 そこで、とリンクは続けて先程登場した移動式簡易武器庫に視線を向けるとロイが武器庫を開いた。

 ガシャン、という聞きなれない機工音と共に武器庫が真っ二つに割れたかのように左右に開いて中から見たこともない装飾が施された柄が姿を現した。


 見たこともない装飾……恐らく機工技術が取り付けられているのだろう。


「こいつは“ルフスエアブレード”。正式名称は瞬時こう……なんだっけロイ」

「瞬時高速機関搭載型長剣・ルフスエアブレード、です総隊長様」


 「そうそうそれそれ」の後にどうもインテリ集団のネーミングセンスは俺にあわねぇっつーか小難しいんだよとブツブツ文句を垂れたあと、ロイにその武器の説明を始めさせた。



 

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