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黎明のリベルニオン  作者: モチ太郎
Ⅰ 『開幕の襲来』
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0 0 2 機工都市ルフス


「今日も元気に飛んでるねぇ……あんな重そうな物が飛んでいるなんて、流石は機工都市って感じ!

 この光景今でも慣れないよ~」


 機工都市・ルフス。

 ゼネラル大陸・四大都市のひとつ。

 ルフスは鉄に自動的に魔法を発動させる魔法式を組み込み自立で動く物質を作る“機工”技術に秀でた都市だがルフスの特徴はそれだけではない。


 もう一つ、神の遺産“神剣”だ。


 ルフスには数年前から神の遺産が保管されている。

 機工技術はこの神の遺産を安全に保管し尚且つ外敵に奪われることを防ぐ為に誕生した技術と言っても決して過言ではない。


 だがいくら優れた技術だからといって機工の力だけでは万全とは言い難い。

 そこでゼネラル王国はこの都市を自国の城と同じ“最重要防衛指定区域”に指定し大陸各地から信頼できる一流の戦士を集めた特殊防衛組織を用意した。



 それが都市防衛部隊・フェンリル。

 ソアともう一人、レイルの幼馴染第二号“ディアス・フィルト”が所属する部隊。

 ついでに言うと、先ほどの肉達磨ことリンクが総隊長を務める部隊である。


「最近フェンリルの仕事はどう?忙しい?」

「全っ然よぉ、後方支援の部隊は訓練ばっかり!」

「そうなんだ、でも実戦が無いってことは平和ってことで、いいことじゃないか」


「うんー……平和なのが一番なんだけれども、ちょっと刺激が足りないのよね。もっと魔物退治とかいきたい!」


「あっはは、少し前までは神剣の魔力につられた魔物が都市を襲ったりしてたけど、今じゃ魔力遮断技術が進化し過ぎて一切魔物も寄り付かなくなっちゃったもんね……」

「そうそう、本当恐るべし機工都市!って感じだよ~」



 国の憂いは杞憂か、今現在想定されていた神剣を狙う脅威は機工技術だけで事足りる状況だった。



「さっレイル!朝ごはん食べに行こう!」

「うん」


 ソアは「今日は演習あるからたくさん食べないと途中でお腹なっちゃうかも」と言いながらベットから降りるとクルリ、と一回転してレイルの方へ体を向ける。



「ね、私のおかげで気は紛れたかい?」


 そんな彼女の言葉にレイルはハッとして顔に手を置いた。


「ばれてた?」

「バレバレ」


 レイルは昔っから何かを思い悩んでいると顔に出てしまう、眉間にしわをよせ、視線を右斜め下へと向ける。黙っているときは下唇も噛む、とてもわかりやすいものだ。

 レイルはそれが嫌で最近は顔に出さないよう意識していたのだが、どうも幼馴染の前では油断してしまうようで。


「ソアの前だと気が緩んじゃうな……はは」

「まったく……、無理しないでよね」


「うん、ありがとう」


 いつも心配してくれる優しい幼馴染に笑みでありがとうと返すレイル。

 その時ソアの顔が一瞬固まった後少し赤くなったように見えたが「気を付けなさいよね~」とだけ言って直ぐにそっぽ向いてしまい、どういう表情をしていたのかは判らなかった。


(気を付けないとな……、これ以上皆に心配かけるわけにもいかないし)


 レイルは頭を小さくゆっくりと左右に一度振り、夢のことを頭の隅に追いやると。気合を入れるかのように「よしっ!」と小さく呟いて食堂へ向かうソアの後を追った。



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