誤解
どうも、白雪です。今回は今までより、ちょーっと文章が長い気がしますが、気にせず読んでください!
「…お前だったのか。姫って。」
「!?ち、ちがっ…」
依姫が姫なわけがない。先程ここへ来たばかりなのだから。
イルベロの切れ長の目を見上げると、傷ついたような色が浮かんでいて、とても胸が締め付けられた。
「姫様、どこにいらしたのですか!?」
依姫の否定の言葉も聞かず、こちらに駆け寄りながら叫ぶ、メイド服姿の使用人と思われる女性。
「いや、だから私、姫なんかじゃ…」
「なにをおっしゃいますか。あなたはどこからどう見ても現王の弟君のご令嬢、クリアナ姫様でございます!」
誰ですかそれ。そんな人知りません。というのが依姫の本心だ。
「お前、俺を騙してたのか。」
「違う!そんなんじゃない!!」
もちろん依姫は姫ではないし、クリアナという人物が誰かということさえも知らない。騙していたつもりなど少しもないのだ。
「姫様?この男は誰にございます?」
「この人は私を助けてくれて…」
「 あら、ではお屋敷に…」
「もういい。これからは逃げ出すなんて危ねぇことすんじゃないぞ。プリンセス。」
最後に儚げに笑って背を向け去ってしまう。
「まってよ…まってよイルベロ!!」
依姫は涙目になって叫ぶ。
それに気づいたイルベロは一度立ち止まるが何か、感情を堪えるように再び歩き出す。
「ねぇ、まってよ!私、騙してたつもりなんてない!それに…私、プリンセスなんかじゃないわ!!」
「さ、姫様。参りましょう?」
依姫は使用人達に連れられ屋敷へ向かう。
誤解を解くことができず、去ってしまったイルベロのことでもやもやした気持ちはそのままで。
そして、私はその時、私達を見ているものがいることに気づかなかった。
なんだかわだかまりがある感じですが続いていくので読んでください!!