方向音痴
どうも、白雪です!この回はちょっと主人公の性格が分かるかも知れません。
まぁ、どうぞ読んでください!!
「さすがに困ったなぁ…」
依姫は今、いわゆる迷子だ。
いくら進んでも最後には同じ木にたどり着く。目的の森の出口にはいつまでたっても辿りつかない。自分の方向音痴ぶりに関心しつつもなんだか残念な気分になってくる。見たことも聞いたことも、もちろん来たこともない場所で何もわからない上、方向音痴とあってはもはや救いようがない。
「せめて森の外に出られればなぁ…」
だが、それさえも叶わず困り果て、座り込んでいたその時。
「おい、なにしてる?」
「え?」
突如、そこを通りかかったのであろう、男の人が依姫に声をかけてきた。見上げて見ると、そこには長身でガタイがよく、見るからに強そうな男性が依姫を見おろして立っていた。服装で目立つのは襟の広い、適当に身につけた感じの焦げ茶色の背広だった。目は切れ長で漆黒の瞳。よく見ると、整った顔立ちをしていた。髪は乱雑に切ってある。腰には剣がさしてある。声が低く、年齢は二十代前半くらいだろう。しかし依姫は何故だか安心するような声に感じた
。その声を聞いて、安心したのか、突然、依姫の目から涙が溢れ出た。
「おい、なんだ!?」
大きな情報はなかったけれど、少しは主人公の情報がありましたよね?
次回も読んでいただけると幸いです!






