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最弱のオレが七勇最強!?  作者: 久仙勝人
第1章 最弱の勇者の運命は動き出す
7/7

抱き枕

 小鳥のさえずりが聴こえる・・・。


 オレは目を開けようとしたがどうも瞼が重くもっと眠りたいと訴えていた、このまま寝てしまおう。ぬくぬくと温かい布団にくるまっていることと頭を置いているふわっふわの枕の感触・・・そして甘い匂いのする抱き枕の抱き心地の良さからオレは今ベッドの中にいるのだと理解した。

 そもそもなんでオレはベッドで寝てるんだ?


 たしかオレはケルベロスと戦っていたんだ。ケルベロスの力が圧倒的で負けそうになったオレは限界突破のスキルを使ってステータスを倍近く上げた。そしてオレはケルベロスを圧倒し、かなりのダメージを与えたがあと1歩の所で体が動かなくなってしまい地面にたおれこんだ・・・。おそらくは限界突破の影響だろうな・・・。あれは魔力と体力を引き換えにステータスを底上げし、しばらくすると代償として体が動かなくなってしまうスキルのようだ。これはタイミングを間違えたらかなり危険なスキルだな、今回は運が良かったようだ。

 体を動けなくしたオレは根性で声をあげ、待機していたフェリスに合図をだしてフェリスのスキル『断罪』を使ってもらいトドメを指した。そうか、そこでオレは完璧に意識をなくしたんだ・・・。でも、ここまで誰が運んでくれたんだろう?フェリスがオレを運ぶのは・・・うん、無理だな。となるとフェリスが村人を呼んでくれて村人に運んでもらったのか。


 だんだんと思い出して来てはいるのだが、寝起きでまだ眠いのであまり頭が回っていない。オレは布団の暖かさにまどろんでいたかったし、眠りたいので再び抱き枕に抱きついて意識を夢の中に落とすことにした。


・・・それにしてもこの抱き枕はやけに心地がいいな、抱いていて安心する。オレはふと違和感に気づく、オレ今までこんなに気持ちい抱き枕使ってたっけ?オレはもう一度やわらかさを確かめる。

 


モミモミ、モミモミ。手のひらに収まるぐらいの大きさで実に柔らかくて

癒される良い感触だ。

それにめっちゃ甘い匂いがする、ヤバイこれ抱き枕にいやらしい気持ちを抱きそう。よし、もう一度揉んでおこう。


モミモミモミ、モミモミモミモミ。

 オレはあまりの揉み心地のあまり再び夢の世界に旅立っていくのであった。






 オレはぱちりと目を覚ました。なんという良い目覚めなんだ!これもあの抱き枕のお陰だ。

 辺りを見渡すとそこはいつもの見慣れた場所だった、というかオレの部屋だった。オレを部屋に運んでくれたのはおそらくナタリーちゃんのおやっさんかな、あとでお礼にいかないとな。


 ・・・それにしても心地良い眠りだったな、ん?まてよ。オレのベッドって抱き枕なかったよな!?辺りを見渡すと抱き枕は無くなっていた、あれは夢だったのか?しかし、鮮明に残るあの良い香りと手に伝わったあの柔らかい感触は絶対に本物だろう。うん、考えても無駄か!



 オレはベッドから降りて服を着替えると1階に降りた。


 オレが起きたのはどうやらお昼時だったらしい。空腹感を覚え、食堂に向かおうとすると包丁がリズミカルに具材をきる音が聞こえたのと美味しそうな匂いが漂ってきたのですぐにわかった。きっとナタリーちゃんが昼御飯でも作っているんだな。

 オレは今の状況を確認するのとご飯を食べるためにナタリーちゃんのいる厨房へ向かった。



 厨房にいたのはやはりナタリーちゃんだった、おやっさんは別室にいるのかな?するとオレがいることに気づいたナタリーちゃんは野菜を切る手を止めてオレの方へ駆け寄ってきた。


「カイトさん、元気になられたのですね! お体の方大丈夫ですか?」

「ああ、ぐっすり寝たからもう元気満タンさ。はじめてあんなに気持ちよく寝ることができたよ」


 本当に心地良い睡眠だったなあ、出来るのことならもう一度あの抱き枕を使って眠りにつきたい所だ。


「ナタリーちゃん、今はあれからどれぐらいたってるの?」


 あの日は朝から森へ行き昼にケルベロスと戦って今が大体昼ぐらいだからおそらく丸1日寝ていたのだろう。しかし丸1日か、ガッツリ寝たな。


「えっと、3日たちましたね。あの日フェリスちゃんが私達をいそいで呼びに来て、私達で気絶していたカイトさんを運んだんですよ。それからベッドに寝かせると死んだように3日間寝てましたよ、フェリスちゃんはカイトさんが心配でずーっと付きっきりで看病してくれてたんですからね。もちろん私だって付きっきりで看病したかったのに・・・」


 オレは驚愕した、丸1日ではなく丸3日寝てただと!?オレはどんだけ寝てるんだ・・・。


そういえばフェリスって今どこにいるんだ?ナタリーちゃんの話では付きっきりで看病してくれてた筈だけど、起きたときはいなかったよな?


「オレはそんなに寝てたのか・・・ナタリーちゃん、本当にありがとう。おかげで元気になったよ」


「いえいえ、カイトさんは大切な人なので・・・当然のことです!」


ナタリーちゃんはオレのことを大切なお客だと思ってくれていたのか、ちょっと感激。


「そういえばナタリーちゃん、フェリスってオレのこと看病してくれてたんだよね?オレが起きたときはすでにいなかったんだけどどこにいるかわかるかな?」


今回フェリスは村人を回復したりとても良い仕事をしてくれた。もしフェリスがいなかったらケルベロスにトドメはさせていなかっただろう。それに、オレの体に傷がないのを見るとフェリスがオレを回復してくれていたことがわかる。本当に頼りになる仲間だ。


「フェリスちゃんならたしかにずっとカイトさんを看病していたんですけど、今日の朝方に急に走って外に行ってしまったんですよね。ほんともうすごい顔を真っ赤にして、ちょっと心配になってきました」


「そうか・・・じゃあオレフェリスを探してくるよ。お昼ができるまでまだかかるかな?」


「そうですねー、まだ時間がかかると思います」


「じゃあいってくるよ、お昼頃には帰ってくると思う」


「はい、いってらっしゃい!」


 フェリスはそう遠くへは行ってない筈だ、オレはフェリスを探すため外に出た。







 ・・・フェリス視点

 私はケルベロスを倒した後急いでカイトの所へ駆け寄りました。カイトは全身に傷があり気を失っていたのですぐに回復を使いました。

しかし、カイトの意識が戻ることはなく私の体ではカイトを運ぶことができないので私は急いで村の方々を呼びにいきました。


しばらくするとナタリーさんという方とそのお父さんがカイトを運んで下さって、私もカイトの後をついていきました。ナタリーさんがカイトを着替えさせて下さってなんとかベッドに寝かせることができましたが、苦しげな顔でうなされていました。


私は少しでもカイトの役にたちたかったので、カイトに付きっきりで看病をすることにしました。夜はナタリーさんが部屋を貸してくださいましたがカイトの様子が気になるのでお誘いを断って横で一緒に眠ることにしました。


 わ、私だって恥ずかしくなかった訳ではないのですよ!だけど隣で寝るとカイトが少しだけ幸せそうな顔になったのでしょうがなかったのです!ちょっとカイトの腕に抱きついたりとかもしましたが・・・。


 それから3日たった頃の早朝のことです。私はいつものようにカイトの隣で寝ていましたが、いままでまったく動かなかったカイトが動き出したのです。


「カイト、起きていますか?」


私はまだ早朝だったのでこそっとカイトに話しかけました。しかし、カイトの返事はありませんでした。どうやらまだ寝ているそうです。


私はカイトが起きたことをナタリーさんに伝えようとしました。しかし、それは出来ませんでした。私が離れようとした瞬間にカイトが私に抱きついてきたのです。


「ひゃうっ」


 私は驚きのあまり顔をリンゴのように赤くさせ、意思のように体を固まらせました。 

 な、なな、なにがおこっているのですか!?カイトが、わ、私に抱きついて!?・・・すると今度はカイトの手が私の胸のほうへ。


「んんっ」


さすがに私も我慢の限界でしたが怪我人を殴り飛ばすわけにはいかないので静かにカイトの腕を離そうとしたら・・・


「はうっ・・・んっ」


 あろうことか私の胸を揉んできたのです。カイトは掴んでいるものがなんなのか確認するように優しく揉んだり強く揉んだり・・・。私の頭は血が上りパンク寸前で、本当に抵抗することが出来ませんでした。


「んんっんあっ」


次第に激しくなっていったカイトの手は急に離れ、今度は私の足の方へいきました。下の方からゆっくりとなぞるように指を這わせ、だんだんと上の方へ・・・。だんだんと指から手のひら全体で這うようなり、だんだんと私のスカートの中へ・・・。


「カイトっ・・・それ、以上・・はっ・・・あっ」


 これ以上は本気でやばい!そう思うと体の硬直が解け動けるようになり、私は起き上がるとそのまま外へ飛び出しました・・・。







 ・・・カイト視点

 オレは村を歩き回っていた、フェリスの姿がみえないので村のなかを探しているのだ。はじめに村にある小さなカフェにいってみたのだがそこにフェリスはおらず情報も特になかった。


 次に向かったのは酒場だ、ここは酒以外にも料理が美味しくて評判の所だ。結果としてはフェリスはいなかったがフェリスらしき女の子が中央の広場へ向かっていったという情報が手に入った。オレは早速広場の方に向かった。


 そこはケルベロスと戦った所だが既に綺麗に片付けられており、子供達が遊ぶいつもの広場になっていた。周りを探してみたがフェリスは見つけられなかった。近くにいた子供達に聞いてみるとどうやらフェリスらしき女の子が村の端にある小さな小川に向かったそうだ。


 その川はしばらく歩いたところにあった。もう少し歩いたらオレの畑があるのだが、旅に出るとなると早く手放さないとなあ・・・。そう考えながら歩いているとふと川の近くに仰向けで休んでいる銀髪の女の子が目に入った。オレはすぐに傍までいって声をかけた。


「フェリス、ここにいたのか。ちょっと探したよ」


 するとフェリスはなぜか顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。


「カイト、元気なようでよかったです。安心しました」


 フェリスはちょっと怒ってる?オレなんかしたっけ・・・オレは心当たりがないか脳内を全力で探したがまったく見つからないので一旦保留ということにした。


「お昼御飯がそろそろできるからそろそろ帰ろっか」

「・・・嫌です。そんな気分ではないので」


 フェリスは意地でも動く気はないらしい。うーん、どうしたものか・・・。ん?まてよ、気分転換に川で遊ぶとかどうだ!きっと気持ちいい筈だ。オレは早速靴を脱ぎ川の中へ入っていった。その川は足の半分ぐらいの水の高さでかなり浅かった。


「フェリス、ちょっと川で遊んでかないか?」

「嫌ですよ、なんで川なんかに・・・ブホアッ」


 オレは最後までフェリスをしゃべらせることはせず問答無用で顔に水をぶつけた。するとフェリスはぷくっと頬を膨らませてオレの方をじとっと見てきた。・・・うんかわいい。


「カイト・・・やりましたねえええ!」


 フェリスもオレに水をかけてきたがオレは圧倒的な速さですべてを避けていくっ。


「フフフッフェリスよ、そんな水なんてあたらんよ!」


 オレはフェリスから逃げるために振り替えってにげようとした、次の言葉を聞くまでな。


「あっ、服が透けちゃった!!」


 な、なんだだってええ!?これは一大事だ、フェリスの透き通るような白い素肌がこのような場所で無防備に晒されてしまう!これは一度この目で確認しなければ!オレはフェリスの方をふりかえり・・・


「嘘ですっ!!」

「ぶべぼっ」


 オレはフェリスの罠にひっかかり顔面に思いっきり水をくらった。そしてそのまま二人で川の中で仰向けになる。


「はは・・・」

「ふふ・・・」


「「ははははははははは」」


 自然と笑いがこぼれてくる。


「カイト、なんですかぶべぼって・・・ふふ・・・ははっ」

「フェリスこそなんだよっ・・・・ブホアッて・・・くっ、ははははは」


 二人の笑い声は空まで響き渡った。はじめは機嫌のわるかったフェリスも今は苦しくなるぐらい笑っている。オレの笑いもとまらなかった。

 その場所ではオレとフェリスの笑い声だけが高らかに響き渡っている。川にながれる水は太陽の光をキラキラと反射させオレとフェリスを明るく輝かせる、こんな時間が続いてほしい。

 オレはフェリスの方を向き直し心からの言葉を伝えた。


「フェリス、本当にありがとう。フェリスがいなかったらオレはダメになっていたよ。それに、フェリスと一緒にいるとすごく幸せになれるんだ・・・。だからこれからも一緒にいてくれないか?」


 もっと仲良くなりたい、ずっと傍にいたい。


「ふふ、しょうがない人ですね。私もカイトさんのこと好きですよ、Hな時もありますが・・・そんなところも含めて私はカイトさんが好きです。これからもずっとよろしくお願いします」


 フェリスは透き通るようなキラキラした笑顔でそう言った。



 ・・・それからしばらくは二人でならんで草にねっころがっていた。お互いに手を握り合い、頬に涼しい風があたるならフェリスの体温をほんわりと感じることができた。時間がのどかにすぎていく・・・。


「あ、カイト。1つ言い忘れていたことがありました。私は抱き枕じゃありません!・・・まあたまにならああいうことはしてくれてもかまいませんが・・・」

「抱き枕・・・あっ!?!?」


 のどかな時間は一瞬で永久凍土のように凍ってしまった。


「ちなみにいうけど、やっぱりフェリスって結構大きいよね」

「ば、ばかあああああああああ」


 今度は違う意味で高らかに声が響き渡る。

 その後フェリスにパンチをくらって頭から川に突っ込んでいったのは言うまでもなくわかっていたことだろう。


感想と評価の方、宜しければお願いします。

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