その運命は動き出す
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0の数字が1に変わったとき誰かにみてもらえる! と思ってとても興奮しました。
これからもよろしくお願いします。
夢を見ている。
でもこれは...オレじゃない。その男はオレとは比べ物にならないほど、圧倒的な力をもっている。そして、周りには6人の仲間達がいる。なつかしいな...。
ん、なつかしい? オレには冒険者の仲間なんて居なかったはずだが。でも...凄く安心する。これが夢ならずっとこうしていたい、信頼する仲間とともに冒険者をしてみたい。
しかし、次第にその世界は暗くなっていく。
名残惜しいけど、また会える。そんな予感がした...。
「ハッ...ここはどこだ」
眼が覚めるとそこは木の根に囲まれたとても広い地下の空洞だった。
中央には湖があり、僅かに上から漏れている光はその湖を底まで照らしていた。
光の発生源はよく見たらオレが飛び込んだ穴だった。
あんな上にあったらもどれないな...。それにしても、神秘的な所だ。妙に清々しい、そんな気持ちになれる。
そうだ、怪我はどうなった?痛みがないからすっかり忘れていた。確か胸と背中に傷を受けたはずだけど...。
触ってみたが傷が跡形もなく消えていた。
「どうなっているんだ?」
まあ、考えたところでわからないものはわからない。オレは周囲の探索をすることにした。
湖の周りをしばらくあるいていたが、湖の中央をよく見ると少しだけ足場があった。そして、その上には棺が乗っている。
あれには大切ななにかが入っている。直感的にそう感じた。オレは吸い込まれるように湖に入っていき棺の前に立った。
胸が高鳴っている。オレは焦る気持ちを抑え、棺を開けた。
「...は!?」
中にいたのは、獣の耳を生やした白い髪が美しい...少女だった。
オレは今日、一度死にかけた。
ことの始まりは謎の噂の調査を頼まれたことからだ。オレは確認すべく森へ向かった。
森のなかは静まり返っており明らかにおかしかった。そして、突然現れた謎の魔物に胸を切り裂かれオレは死に物狂いで逃げ出した。次第に追い付かれ背中を切られたオレは途切れていく意識のなか不自然に空いた穴を見つけ飛び込んだ。
気を失い目覚めたオレの前にあったのは神秘的な空間で中央には棺があった。開けてみると中には獣の耳をした白い髪の少女がいた。
目頭があつくなっていくのを感じた。気が付けばオレは泣いていた。理由はわからないけど嬉しかった、ずっと会いたかった。
忘れていた大切な何かをやっと見つけ出した、そんな感覚がオレにはあった。ひとしきり泣いたオレはやっと落ち着きを取り戻した。
冷静になったおかげでふと、こう思ってしまった。
まってくれ、見知らぬ少女を見て涙を流すオレってもしかして...ロリコン!?いやいや、待ってくれ。誤解だ、オレはロリコンじゃない。それにほら、絶対にさわってない!
『YESロリータ NOタッチ』
1人でそんな馬鹿な芝居をしていると突如声が響いた。正確には頭に直接声が入ってきた、そんな感じだ。その声は、聞いたことがあるような声だった。
『おもいだせ、本当の自分を』
『運命すら変えてしまう力はお前の武器に眠らせておいた』
『探せ、かつての仲間を』
『邪神の使徒は放っておくと危険』
そして声は鳴りやんだ。うん、さっぱりわからない。
本当の自分ってなんだ?あの芝居の後じゃまるでロリコンって言われてるみたいじゃないか。運命を変える力は武器のなかに?かつての仲間を探せってどこにいるんだよ...。邪神の使徒ってあの狼か?
とりあえず保留と言うことでオレは再び少女の方を向いた。じっくり見てみると整った顔がよく目に映った。本当にかわいい。それに、仰向けだからあまりわからないが以外に胸が大きい!?
そんな邪念が伝わったからかはわからないが、少女はゆっくりと目を開けた。
ピコピコとけも耳が動き、眠そうな目をこする。うん、かわいい。 懲りずにそんなことを考えていると少女が言葉を発した。
「お兄さん...エッチ」
言葉と言う名の爆弾だった。空気が止まった、そんな気がした。
「ろ、ロリコンちゃうわ!」
変な口調になってしまった。誤解を解かなければ!
「どうしてそうおもったのかな?」
「だって私の胸を見てた」
そういって少女は胸を隠し頬を赤くした。
あぁ、うん。みてたわ。
「いや、まあ確かに幼いわりには大きいなとおもったけどさ」
少女の顔はより真っ赤になり、けも耳はぷるぷる震えている。そして限界に達したのか、耳にくる声で叫んだ。
「バカあああああああ」
そういうと少女はオレに強烈な右ストレートをくらわせた。もちろんオレは頭から湖に落ちた。
我々の業界ではご褒美です
「なあ、そろそろ機嫌なおしてくれよ・・・」
「ふんっ」
只今、彼女はご機嫌斜めの様子だった。かれこれ10分ぐらいこの調子だ。
ことの発端はオレが少女の胸を凝視したことだった。そんなに怒んなくてもいいんじゃないのか?オレとしてはここがどこなのか、少女が何者なのか、あの魔物はどうなったのかがとても気になっていた。
鑑定のスキルを少女に使ってみるのは?昔試したことがあるが、結論から言うと無理だった。どうやら鑑定のスキルは人には使えないようだ。
まあ、今は少女から直接聞けそうにないし後にするか。
だってさっきからあの子ずっとジト目でみてくるんだもん!
俺はそそくさと周辺の探索を再開した。
少女はあのままあそこにいるのかと心配していたが、少女は顔を向けてはくれないが後ろからトコトコと後をついてきた。
湖の上にはいくつかの足場があった。オレはその足場を頼りに奥へ進んでいく。道に迷うことはまずありえないだろう、だって一本道になってるもんな。少女は懸命に後を追いかけてくる、少しきつそうだしちょっとスピードを落とすか。
しばらくすると、少しだけ広い足場が現れた。今までの足場は緑だったが、そこは白い足場だった。
「いかにも怪しいよなあ、怖いけど調べてみるか」
オレは何かあるかを確かめようと床に触れてみた。すると一瞬だけ紫にひかり、そこから魔法陣が浮かび上がってきた。嫌な予感がする・・。
「ふぁっ!?」
オレは突如、頭から地面に落下していった。わけがわからないよ!
信じられないと思うがおそらく今のはテレポートだ。それは太古の魔法の一つ、転移魔法を利用したものといわれている。もっとも、すでに失われていて伝説にしか語られてないけどな。
オレはくらくらする頭をあげて周囲を見渡す。その空間は先ほどの湖の上とは違ってどこかの小屋のようだった。ほのかに窓から光が差し込んでいる。
ん?何かが光に反射して輝いている?それが何かを知った瞬間、オレは驚愕のあまり言葉がでなかった。なぜなら、そこにあったのは大量の金貨だったのだ。
うおおおお、まじかよ。
これってお持ち帰りしてもいい感じ? ・・・だめ?
オレの心の中では善と悪が争っていた。悪がんばれ!
そんなことを考えていると少し遅れて少女がテレポートしてきた。そして突然こんなことを口にしたのだ。
「ここはあなたにしか開けられない部屋、そしてこれはもともとあなたのもの」
どういうことだ?
「オレにしか開けられない?もともとオレのもの?なぜ君はそれを知っているんだ?」
「理由はわからない・・・ごめんなさい」
「でも、そうだとなぜか確信がもてる」
お、おう。まあ貰って行っていいというなら貰って行こう。
しかし、この量もってかえるのは無理だよなあ?そう思って辺りを見渡すとそこにはいくつかのアイテムがおいてあった。そしてオレはまたもや驚愕したのだった。
大量の金貨ですでに驚愕していたのだが、そのアイテムを見つけてオレは言葉を失った・・・。いや、あれって現実に存在していたのか?半信半疑のオレは鑑定のスキルを使用した。
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名前:魔法袋
説明:空間魔法を利用した袋。袋のなかの空間を捻じ曲げ無限に近い量の物を収納することができる。
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名前:移動の鍵
説明:移動するための手段を用意する。鍵をひねることで出現する。
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名前:宿の鍵
説明:体を休めるための手段を用意する。鍵をひねることで出現する。
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名前:願いのコンパス
説明:自分が願うものの方向を示す。
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名前:7つの宝玉のベルト
説明:導かれし勇者に力を授ける。
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オレはまず魔法袋に目を奪われた・・・。空間魔法を使用しているだと!?
テレポートで使用されて転移魔法だけでもありえないっていうのに、空間魔法も存在している?太古に使われたといわれているがすでにそれは失われている。太古の7人の勇者のみ使えたそうだ。
とりあえずオレは早速魔法袋を使用することにした。しまい方っていちいち袋に詰めていくのか?そう考えていると勝手に金貨が吸い込まれていく。どうやら念じれば収納できるようだ。
この世界は銅貨、銀貨、金貨という通貨が出回っている。銅貨が100枚で銀貨1枚 銀貨100枚で金貨1枚と言われている。
農民の1か月の給料が多くて銀貨15枚。冒険者ならSランクパーティーで金貨4枚、Bランクなら銀貨90枚がいいとこだ。そしてオレがもっている金貨は現在1万枚。あれ? オレもう金には困んないんじゃ・・・。
次にオレはほかのアイテムもじっくりと観察した。
移動の鍵は移動手段が手に入るそうだがいまいちわからないな。宿の鍵も同様だ。願いのコンパスはにわかに信じがたいぞ・・・。確認のためにオレは、美少女! っとねがったら後ろにいる少女の方を指した。少女は首をかしげた。うん、間違いない。本物だ。
そしてオレは最後に7つの宝玉のベルトを手に取った。
念のためだ。オレはもう一度鑑定を使用する。
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名前:7つの宝玉のベルト
説明:導かれし勇者に力を授ける。
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オレは勇者という言葉に興味を惹かれた。勇者?あの伝説の?力を授けるって、これってかなりすごい奴じゃね!?
まあオレが持っていて何も起きないってことは、分かってたけどオレは勇者にはなれないな。そりゃそうだよなー。だってオレ、ステータスゴミだし。
とりあえず、ベルトって書いてあるし身につけとくか。オレはベルトを身につけた。右の腰から左腿にかけて装着する感じになった。うん、なかなかいけてるな。
そんな冗談をいっていると、突如宝玉が輝き出す。冗談が寒かったから爆発とかないよな!? てか、まっぶ!
視界が白く覆われていく。その光は妙に暖かくて、ぽかぽかしてくる。輝きが弱まってきて、だんだんと視界が戻ってくる。その直後、2つの宝玉の中から光が飛び出した。1つはオレの、もう1つは少女の胸の中にはいりこんだ。
その瞬間、頭の中には女性の声が響きわたる。かなり痛い、締め付けられる感じだ。
『条件達成により勇者と認められました』
『女神のサポートを開始します』
『新たなスキルを獲得しました』
『鑑定のスキルが進化、心眼に変更されました』
『索敵のスキルが進化、千里眼に変更されました』
『害獣駆除の称号が進化、破魔に変更されました』
『新たな称号を獲得しました』
『魂の記憶の一部を獲得、魂が一部修復されました』
『修復により、失われたステータスが一部回復されました』
『邪神の呪いが無効化されました』
『ステータス固定が解かれました』
『勇者の武器を獲得しました』
声は鳴りやんだ。しかし、疲労感が半端ない。
少女の方を見ると、かなり顔を苦痛で歪ませている。心配だ。
オレは急いで彼女の方へ駆け寄った。そのとき、体に違和感があったのは気のせいだろうか。
「大丈夫か?」
もしかするとだが、彼女も先程の声が聞こえたのだろう。
「ん...大丈夫...です」
そう言って彼女は苦しそうな顔を微笑ましてそう答えた。しばらく背中を擦ってやると、荒れた呼吸は落ち着きを取り戻してきた。よかったぁ。オレは深く安堵した。
それから少したった頃、今起こったことを冷静に考えてみることにした。
ベルトをつけた瞬間宝玉が輝きだして、光がオレと少女の胸にはいりこんだ。そしたら、女性の声が頭に響きわたった。なんていってたっけ?たしか...
勇者に変更、スキルの獲得と進化、称号獲得と進化、、魂の記憶獲得、邪神の呪いの無効化、武器の獲得だったはずだ。
とりあえずステータスを見れば確認できるな。
「ステータスオープン」
オレは確認すべくステータスを開いた。
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名前:カイト 20歳 男 レベル:32
種族:人間
天職:勇者
筋力:382(+630)
体力:355(+500)
耐性:351(+543)
敏捷:357(+620)
魔力:346(+580)
魔耐:351(+520)
スキル:心眼LvMAX 千里眼LvMAX 剣技LvMAX 光壁Lv1 光剣Lv1
限界突破Lv1 武器召喚LvMAX
称号:破魔(魔物に与えるダメージアップ) 邪神を倒すもの(邪神の呪い無効)
運命を変える者(不明) 鋼の意思(状態異常無効) 女神の加護(成長力アップ)
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うん。ちょっとまて!?
胸の高まりが止まらない。
ステータスがおかしくなってるんだが。
「勇者...勇者か...」
オレは何度もその言葉を確認する。 夢じゃないよな...。
嬉しい、ただただ嬉しかった。
嬉しいのはそれだけではない。今まで上がらなかった分のステータスが上がっているのだ。邪神の呪いだかなんだかわからないけど、本当によかった。おまけに、よくわからないけど不思議な表記でステータスがプラスされている。
Sランク冒険者の平均レベルは100でステータスは1000位だ。つまりオレのステータスはSランク並みになっている。嘘だろ...。
スキルも称号も大幅に変わっている。やばそうな奴ばっかだ。
まさか、少女もこうなっているのか?もう怒ってなさそうだし、話を聞いてみるか。オレはもう一度少女の方を向くのだった。
オレは少女の目をみてもう怒ってないだろうと判断し、問いかけた。
「なあ、そろそろいいだろう? 君の名前を教えてくれるか?」
少女はこくりとうなずいた。
「ん...私の名前はフェリス」
「フェリスっていうのか、オレの名前はカイト。よろしくな」
よし、それじゃあ次の質問だ。
「フェリス、君はどうしてここにいたんだい?」
フェリスは苦しそう答えた。
「わからない...」
「そうか・・・」
たしかに、フェリスはずっと棺の中に眠っていた訳だからわからないよな。
「親がいたという記憶はあるか?」
もしかしたら、親がいるかもしれない。そうだったら、オレが親を探してあげることもできる。
「遠い昔、微かに残っている記憶だと両親はいなかったです。だけど、1人の男の人が私を育ててくれていた気がします。」
1人の男の人か、フェリスは親に捨てられたとこを拾われたのか?
「その人は今どこにいるかわかるかい?」
「もういないと思います・・・」
なるほど・・・。よし、暗い話はもうやめだ!質問を変えよう。一番気になっていたステータスだ。
「よし、フェリス。 君のステータスをみしてくれないかい?」
宝玉の光はフェリスにも入っていったはずだ。もしかすると、変化が起きているのかもしれない。
「わかりました。でもどうやって見せればいいのでしょうか?」
本来、冒険者達はお互いにステータスを見せ合うときにステータスカードを用いる。ギルドに冒険者登録をするときに貰えるのだ。ステータスカードには魔法が施されていて、自身のステータスを常に写し出してくれる。
まあ、当然のことだがフェリスはステータスカードをもっていない。うーん、どうしたものか・・・・。その時、ふと心眼のスキルが頭のなかをよぎった。
心眼、すべてを見通す心の目。ステータスも覗けるんじゃないか?オレは、心眼のスキルを発動した。
ん?なんだこれ・・・。うっすらと服が透けて見える?肌色がだんだんと見えてきたような・・・。
オレは自分が鼻血をだしていることに気づいた。
このスキル最高。
「大丈夫ですか?」
フェリスが心配そうにこちらを見ている。おっといけないいけない。罪悪感が半端ない。
「あぁ、大丈夫だ。それにステータスの方も問題ないよ」
オレはもう一度心眼を発動する。
今度は服が透けることはなく、かわりにステータスが浮かび上がってきた。どうやら、見たいものを念じればそれがみえるようだ。
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名前:フェリス 14歳 女 レベル:1
種族:獣人
天職:勇者
筋力:16
体力:23
耐性:24
敏捷:35
魔力:55
魔耐:34
スキル:回復Lv1 浄化Lv1 断罪Lv1 武器召喚LvMAX
称号:邪神を倒す者 女神の加護 慈愛の心(回復量がアップ)
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うん。予想はしてたけどやっぱり勇者か。ステータスはレベルが低いって言うのと子供なだけあって低めだな。だけど魔法量が多すぎる、魔法がメインになるな。
スキルは回復系が多いな。断罪って物騒な名前のスキルがすごい気になる・・・。
称号はオレと基本かわらないけど、慈愛の心ってやつがあるな。回復量があがるってあるけど、なかなか便利だ。よし、確認はここまでにしとくか。
その後フェリスにステータスの見方を教え、確認をしてもらう。ついでにオレのステータスもカードを渡して確認してもらった。
「私が、勇者ですか?」
「そうだ、オレも成り行きだが勇者になった」
オレはこのとき決心をした。オレは旅に出る。頭に響いた男の声が言っていたことも気になるし、オレはこの力を人のために使いたいと思った。まあ、邪神を倒すってのは自分でもよくわからないけどな・・・。
だから、フェリスにこの旅を一緒にしてほしい。フェリスをこのまま1人にするのは嫌だし、彼女の回復は正直心強い。
「なあ、フェリス。 オレと一緒に外の世界を旅しないか?オレはこれから他の仲間を探しながら人助けをしていきたいと考えている。だから、ついてきてくれないか?フェリスの力をオレに貸してほしいんだ」
せっかくあえたフェリスを別れるのは嫌だ。
これからも一緒にいたい。
「君のことが好きになってしまったんだ」
フェリスは顔を真っ赤にした。そして、意を決したように口を開く。
「私は永遠に近いような時のなかずっと暗闇に眠っていた。そんな私を暗闇から救いだしてくれたのはカイト、あなたです。私もこれからもカイトと一緒にいたい。だから、これからよろしくお願いします」
嬉しい、ただただ嬉しかった。
「ありがとうフェリス! これからもよろしく頼む!」
「よろしくカイト、でもエッチなことしたら許しませんよ!」
感動が遥か彼方へ吹っ飛んでいった。オレはいったいどんな風に思われているのか・・・。
「そんなことしないわっ!! ...たぶん」
「ふふっ、冗談ですよー」
彼女はそっぽをむいて笑顔でこちらを振り返った。その仕草はとても可愛く不覚にも、どきっとしてしまった。
「よし!それじゃあ出口を探すか!」
青年は新たな一歩を踏み出す。運命を変える長い旅の道へ。