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買い物だよ

久しぶりの妹とデートである。


それにしても人が多いが、密集している訳では無く活気があってこっちまで楽しくなってくる。NPCと思われる生活感溢れる住民の方が多い。


見分け方としては、物珍しいように辺りを見回してる者がプレイヤーだろう。俺のように。


それにしてもNPCが蚤の市やってるのは珍しいよな。売ってるアイテム名しか分からないが、きっと掘出し物があるに違いない。


役所で教えて貰った武器屋に着き、中に入ってみるとRPG満点の銃刀法違反物が展示されていた。銃も有るのかな?武器として。


「お兄ちゃん見て見て〜ファルシオンだよ〜」

そんな洋服を見せびらかすように言われても反応に困る。妹と買い物に行って剣を突きつけられるってどんなシュチュエーションだよ。


「俺はとりあえず短剣でも買っとくか。」

手頃な値段の物を購入し、妹も普遍的な片手剣を選びご満悦のようだった。


「そう言えば見た目からして魔法使いやるんでしょ?魔法ってどうやるの?」

そう、ログインしてから直ぐ気付いたのだが身体に現実とはなんか違う、違和感を覚えいた。


言うなれば身体から発する蒸気のようなイメージ。これがオーラ・・・違う、魔力なんだと感じていた。


「なんとなくだけど使い方は分かるよ。だけど使い方こなすのは難しそう」

「ふ〜ん、私も若干魔力?らしい感覚があるから色々試してみようかな!」


確かに意識して武器に魔力を乗せると攻撃力が上がりそうだ。剣士でも魔力は重要になるだろう。


購入して武器を装備してから分かったのだが、アイテムの性能は装備してからステータスを見ないと分からないようである。


装備するとステータスに装備:ヴェルドゥーラ ナイフ 攻撃力26 DEX+3と載っている。これはアイテムを調べても分からなかったことだ。


買ったダガーがカッコいい名前で器用さも上がる。いい装備を買ったことに満足しつつ、やっぱりアイテムの鑑定が欲しくなる。呪われてたら洒落にならんし!


後で妹に意味を教えて貰った時は少し泣きたくなったのは内緒だぞ。


「お兄ちゃんダガー持ちながらニヤニヤしてて気持ち悪いよ。」

「うるさい、お前だって武器屋ではしゃぎまくってたじゃないか。同じことだ。」


武器屋から少し離れて紹介された魔法具店へやって来た。王立魔術学院御用達の歴史ある杖用品店で創業75年目の老舗、と言う設定だとか。


「杖が貴方を選ぶのです・・・なのかな!?」

「ネタが古い。それと俺の部屋の本を勝手に読むなよ!その本だってプレミア価格なんだから」


妹は結構、俺の影響を受けやすい。趣味が似てるからなのか部屋にある古い娯楽作品がお気に入りのようだ。


店内は権威ありそうなバクルスが飾られており、その方面にも御用達なのだろうか。


結構緊張しながら、眼鏡が似合うお下げの女性店員に話を聞くと別にどれでも選んで良いらしい。予算と相談してネ、とのこと。


「値段が高いのは何が違うのですか?」

「いやぁ、やっぱ魔石くわぇっとその分高くなるんだわ、性能もあがっからさ〜」


女性店員は妙にフランクだったが、話では杖が魔力を蓄える樹木から作られるので、杖自体が魔力を帯びてること。


「性能を調べたいんですけど装備してもいいですか?」

「ああ、やっぱりあんた来訪者かい!珍しぃな〜来訪者は皆んな何故か大通りの安物量販店に行くんだよな〜ここは立地が悪いからな〜」


なんと意外に穴場だったらしい。そう言えば普通魔法使いは武器屋に行かないし、武器屋から紹介もされないか。


その店で気に入ったちょっと高めの杖を購入し店を後にした。装備して性能を見てから買ったが、名前はオールドクレイラロッド。なんとLUKが2上がる優れ物。


店員に鑑定の事について聞いたのだが、性能を数値化するのは来訪者ぐらいだと言われてしまい、よく分からないが店で性能が悪いのを売ったら店の信用に関わるので悪い商品は売ってない、だそうだ。そらそうだよね。


「お兄ちゃん店員にデレデレしすぎでしょ、気持ち悪いよ眼鏡がそんなに良いの眼鏡が・・・」

何故か機嫌が悪くなり文句を並べる妹の機嫌をとるため焼き芋を奢るはめになった。



◇ ◇ ◇ ◇



「あ〜!ラブたんだ!ラブた〜ん!」

妹が急に掛け出した。人混みに知り合いを見つけたようで慌てて俺もついて行く。


ラブたんことラブリエは俺とも知り合いで、皆んなに可愛がれるアイドル系男の娘だ。女装が趣味らしい、女にしか見えないが。


「心臓が止まるかと思いましたよ!貴女ですか。」

「ラブたんもMoSを始めたんだ〜言ってくれれば良かったのに」

「貴女がMoSを始めてることが予想外ですよ。もうあのゲームも終わりですね、貴女が辞めたのであれば」


そんなに末期だったのかあのゲーム。やっぱり火力厨しか居なくなったゲームは衰退する運命なのか。


「ラブ、久しぶりだな。」

「!!レジェさん、ですか?お久しぶりです。やっぱりシスコンの噂は本当だったんですね。仲がよろしいことで」

「な、なんだその噂は!?」


ラブリエと会話するのは別に久しぶりではない。が、実際会うのは久しぶりなのだ。しかしこいつ、違うゲームでもこの外見なのか。黒いショートヘアにゴスロリ女装、極めてやがる。


思わぬ縁に喜びつつフレンド登録をし、話をするため男だけじゃ入れないような喫茶店に入る。二人男なのだが。


「二人とも、もう狩りには行きましたか?」

「いや、やっと武器を揃えた所だ。ラブはもう武器を買ったか?」

「いえ、実はまだ・・・街を探索しつたら本屋を見つけてつい読みふけてしまいました。」


おお本屋があったのか。これは今俺が求めている魔術書も見つけたかな?後で場所を教えて貰おう。


「本屋で読んだ魔術書で大体、MoSの魔術の仕組みが分かりました。」

「本当!?流石ラブたん!世界一だね!」

「世界一かは置いといて、MoSで魔術をやるに術書の優先度は低いです。」


ラブたんが読んだ魔術書の日本語版によると、ファイアやアイスなどの術名と詠唱しか載ってなかったとのこと。そして詠唱を省いても問題なく魔術が使えたようだ。


「つまりイメージして魔力をコントロールすれば、魔術は術書がなくても普通に使えるみたいです。」

「なるほど、実はそんな気がしてた。」

「試しにやってみては?指からライターのように火を灯す初歩です。術名はファイアで。」


早速試してみる。身体の魔力が指先で可燃性になるイメージで、ファイア!


「出来ましたね。これは簡単です。」

「お兄ちゃん、ちょっと小さいけど火が出てるよ〜これぐらいなら私でも出来そう。」


うん。簡単だった、だがやってみて分かった。これ結構難しいわ。今は初歩だから簡単だが、これをコントロールして敵にダメージを与えるのは難易度が違ってくる。


「実際にMoSを始めて見て、このゲームは練度を重視してますね。上がりそうにないステータスを見れば一目瞭然かと。極めればオリジナル大魔術も実現可能だと思います!」


ああ、ラブが興奮している。可愛いなぁ

俄然やる気になって来た。これならば俺の理想の魔術も可能だろう、素晴らしいゲームだ。


「ステータスと言えば、ラブたんアビリティは何だった?私は・・・」

「ちょ!?ちょっと待って下さい!

「???」

「アビリティのこと、あまり他言しないほうがいいですよ。攻略にやる気になってる人は嫉妬し易いですし、無駄な争いはしたく無いです。」


なるほど、確かに言ったことで損になることの方が多そうだ。世の中にどんなチートアビリティがあるか分かったもんじゃないしね。


「私のアビリティは、たまに使った魔力が少し回復するというものです。貴女だから教えてあげます。」

「!!ラブたん、ありがとう!」


そうして軽く茶菓子を食い、店を後にした。

アクティブ →アビリティ

修正しました。アホか俺は・・・

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