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エリュシオン二次創作

隠密機動情報分析部の成り立ち

作者: 生澤 佳誠

日本各地は天魔と呼ばれる神話上にしか存在しえなかった、常識を超えた存在に制圧されつつあった。

ここは久遠ヶ原学園。

茨城県沖にある人工島。

この学園では撃退士(ブレイカー)と呼ばれる超人的存在が学園生活をしていた。

撃退士は天魔に唯一対抗出来る存在。

そんな彼らは常に命がけで生きている。

超人と言っても人間で言うアスリート並の体力だとか天魔に対抗出来ると言う以外は至って普通の人間である。

この学園は人間の撃退士が多いが例外として、天使の規律から逃れて学園に保護されている堕天使や力が全てと言う悪魔の原則から外れたはぐれ悪魔だとか本来は敵対するはずの存在も


学園生活をしているという事だ。

彼ら堕天使やはぐれ悪魔は同族を裏切り人間側に付いている。

彼らのもたらす情報は人間の叡智を軽く凌駕していた。

そして、撃退士達は堕天使やはぐれ悪魔と協力しながら天魔から人間界を守ると言う使命を持っている。


その中でも特殊極まりない部活が存在していた。

通称は隠動報析(おんどうほうせき)、隠密機動情報分析部と言う部活。

普通に考えれば天魔と対抗するならば『力』で対抗するのだがこの部活の方針は根本から違っていた。

この部活は情報を専門に扱い、情報を生業に天魔と戦っているからだ。

部活の創設者はジル(ja7843)、ジル・スタガー・シェスレインと言う見た目が小学生の学生だ。

(スパイ)の一族の末裔と言う裏の世界からアウルと呼ばれる力に目覚めてこの学園に来たジル。

彼は見た目が小学生と言う以外は人間離れしている。

それこそ、現代の忍者と呼ばれるくらいの身体能力が元からあるのだ。

ただ、学園で彼の専攻するのはアストラルヴァンガード。

天界よりの力で回復する事だとか補助する事がメインの分野だ。

忍者と言う存在はこの学園にも存在している。

過去に忍者と呼ばれた者達の叡智や技術を変化させた専攻、鬼道忍軍。

だが、何故ジルはアストラルヴァンガードを選んだか。

それは謎である。

話は戻って隠動報析と言う部活。

部室として学園の隣にある入り口が無いと噂されている旧軍校諜報部の建物を利用している。

何故旧軍校諜報部の建物があるかと言うと学園は無計画に増築わ繰り返しているからだ。

古い建物は使えるのであればそのまま残されている。

その為、入り口が隠れてしまったりだとかした建物も少なくは無い。

隠動報析の部室もその一つである。

隠動報析は部活に勧誘と言う事をほとんどしない。

それでも部員は居る。

フラフラと復讐相手を探して辿り着いた鬼牙虎影(ja6909)。

ジルを追ってやってきたエウォル(ja8218)。


そんな彼らはこの部室で非日常的な事をしていると思ったら大間違い。

彼らの日常は意外と暇なものである。

「暇です」

ジルが隠動報析の部室の内装を変えて設置した休憩の宿のテーブルで愚痴っていた。

「んな事言ってもな…。俺らは基本的に情報集めしないだろ…」

鬼牙虎影の言うとおり隠動報析は基本的に情報収集をしない。

何故ならそういう情報の収拾は学園側がやっているからだ。

そして、その情報はこの部室のパソコンにオートで入ってくる。

その情報を分析するのも本当は部でやる事なのだけどもそういう分析も大よそパソコンがオートでしてくれる。

そういうシステムを組んだのは紛れも無くジル自身なのである。

「そんな事よりかりんとうの備蓄管理手伝ってよ」

かりんとうと言うあだ名が付くほどかりんとうが大好きなエウォル。

彼の日常はかりんとうを作る事、そしてばら撒く事。

「どうせばら撒くんだろ…。それにいつも作ってるだろ…。今備蓄どれくらいあると思ってんだ?」

虎影が机に顎を伏した状態で突っ込む。

「確か、5年分程の備蓄があったはずです。徳用サイズのかりんとう袋で50万袋以上…でしょうか?」

馬鹿なと思う量だが、これはエウォルだけの備蓄であって部としての備蓄ではない。

エウォル個人が部室に貯蔵庫を勝手に作ってその中に大量に備蓄しているのだ。

「そんなにあってまだ備蓄足りないのか?」

非日常的な会話だが、彼らにとってはこれは至極当たり前である。

「う~ん…足りないでしょ。非常食の備蓄としてはね。ばら撒く用の常備の方は大丈夫」

隠動報析は特注のロングコートを着込んで部員と識別している。

その中でエウォルのロングコートは武器だけでなく徳用かりんとう袋が大量にストックされているのだ。

これがエウォルの言う常備である。

「非常用か…。常備で今いくつ持ってるんだ?」

虎影が徐に起き上がって聞く。

「常備で500袋くらい? 緑黄色野菜かりんとうだとか根菜かりんとうだとか各種100袋ずつだったと思うよ」

やはりちょっと現実的では無いがこれが彼らにとっては当たり前と言う事を忘れないで欲しい。

「十分だろ…」

呆れる虎影。もっともそれをまともに受け取らないエウォルだったが。

こんな感じの毎日が隠動報析の部室には流れている。


───大規模時

「自分は質問卓の方を担当しますので虎影さんはこの部の事を!!」

そう言ってジルは部室を飛び出す。

大規模作戦の時はこのように忙しい。

そして、今起きているのは封都と言う京都で起きている大規模戦線だ。

「あぁ、任せろ」

とは言っても部員が少数の為に仕切る事はほとんどしない虎影なのだが。

「さて、指示でも出しておくか…」

虎影はパソコンを使い部の戦力を確保しようと動く。

エウォルはと言うと相変わらずかりんとうを作っていた。

「かりんとう!! いつまでかりんとう作ってんだ?!」

虎影の罵声が響く。

「なんや、虎の兄ちゃん。ワイはこれでもちゃんと仕事はしてるんよ?」

いつものエウォルと違う。

虎影がエウォルの方を向くとエウォルの違いが漠然として分かった。

エウォルの三本のあほ毛が二本になっている。

エウォルは草の一族での激務でこうなってしまったと聞いている虎影は話を続ける。

「毒の準備だとかはしてるのか?」

尚も罵声は飛ぶ。

「もう終わっとるよ。まぁこの戦いでそんなに役に立つとは思えないんやけど」

エウォルの専攻は鬼道忍軍。草の一族の末裔そのまんまと言うべき忍者だ。

更にはエウォルは毒を使う。まさに忍者だ。見た目を除けば。

「───ったく」

そう、大規模はこうやって準備の段階から忙しいのが隠動報析なのである。

そして、この封都の戦いは辛くも住民をある程度救出しただけに留まる。

実質的には土地を占拠された為に敗北したのである。


「大規模作戦…いずれは勝ちます。情報で」

この時、ジルは今後大活躍した方針を打ち出すべくしばらく奮闘するのであるがそれはまた別の話。

しばらくして、進級試験があったのだがこの時はとりあえずまぁまぁいい点を取って3人とも進級したのである。

後に現れる人だとかの事も知らずに。


多分、そうであってもこの部活は変わらず存在するだろう。

だって、ここは隠密機動情報分析部。

戦いは情報戦。往くは影の道。人知れず暗躍し続ける。

そんな部活なのだから。

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