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5.いざ、授業

「それではぁ、魔法理論の授業を始めますねぇ。」


「まずは、前回の復習ですぅ。『魔法』。それは、神が創り出した現象。『魔力』を…。簡単に言うと、そうですね。燃料、といったところでしょうか。」


「『魔力』を燃料にし、現象を起こす。それが魔法。人が持つ魔力の性質…『属性』ですね。魔法の属性は、人々が持つ属性に左右されます。魔力が多ければ多いほど、より強い魔法を、より緻密な魔法を扱えるようになります。」


「この魔法体系を作り出した」


「では、魔力量は、何で、どう左右されるのでしょうか。うーん…。じゃあ、エルーシくん。」


「はい、魔力量は、人体に流れる魔力線の多さで決まります。」


「はい、そうですね。」


「ーーただ、1人例外な存在がいました。」


アペラの口調は、重い。


「500年前の時代は、『魔力至上主義』と言うものがありました。定かではありませんが…。初代国王陛下は、魔力線が10にも満たなかったそうです。」


「…。」


「そんな彼が、何故、歴史に名を残す魔法剣士となったのか。それは、彼と契約し、この国を守護する存在である『原初の龍』様が関係しています。」


「どのような事象が関係するかわかりますか?そうですね…。エレナさん。」


「は、はい。『原初の龍』様は『神力』を持っていたから…ですか?」


「はい、伝承にはそう残されています。アルヴェリオン様は、その『神力』を扱うのに長けていたそうです。だから、アルヴェリオン様は歴史に名を残す、魔法剣士となったわけなんですねぇ。」


「違うな。」


ゼルが何かを小さく呟いた。


「ゼル?」


「あやつは、我の力で強くなったのではない。あいつ自身の力で強くなったのだ。」

「……あいつの苦労を見てもいないのに、偉そうに垂れおって。」


「ーー不愉快だ。」


俺の耳には、ゼルが何を言っているのかが聞こえてこない。だが、ゼルの瞳に入った紅い光は小さく、炎のように揺れていた。


「それではぁ、授業に移りましょうかぁ。」


アペラが話を進めている間、俺はゼルをじっと見つめていた。


「ゼル…、お前は…。」


ゼルの瞳には、怒りか、哀愁か、はたまた、懐かしさか。


俺では計り知れない、感情が宿っていた。それは、遠くをじっと見つめていて、過去を振り返っているように、俺は思えた。


「ーーアペラ…。聞き覚えのある名だな。」


ゼルはそう小さく呟き、俺の方を振り返った。


「何をしておるのだ?ローグ。早く授業を進めようではないか!」


周りは、アペラの説明を受け、魔法理論の実験を進めていた。


「お前が気にしないんなら、俺は気にしないぞ。」


俺はそう、小さく誓うかのように呟き、実験器具を取りに行くのであった。

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