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戦国ダンジョン ~現代人は信長の足元で、歴史支配の夢を見る~  作者: 斎藤 恋


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第03話:妖怪スライム

契約した翌日から、四郎丸は働いてくれたようだ。

神宮内のゴミや不用品、排泄物、土に海水。


ほとんど手当たり次第に流し込んでくれた。


その過程で分かったことだが、どうにもこの穴・・、というか俺の体は中身が飽和しても吸収の力を発揮できるらしい。

そんなこともあり、俺のダンジョンとしての力は日々強まっていった。



そして数ヶ月が経った



「おぉー・・。」


俺の体は、今ではどんどんと広がり、本格的なダンジョンとしての活動ができるまでになっていた。

・・・要は、モンスターと宝箱が出せるようになったわけだな。



「四郎丸。お主のおかげだ。ワシはかなりの力を取り戻せた。未だに体は形作ることはできんが、そんなワシでもお主に返せるものもある。」


俺はそういうと、四郎丸の目の前に宝箱を出した。


「・・・これは?」



「宝物じゃ。お主へ下げ渡す品を入れてある」


「わ、わ、ありがとうございます!」


ちなみに、宝箱そのものは動かせないようにしてある。

そして肝心の宝箱の中身だが・・・



「あ、凄い・・・。でもこれってなんですか?」


「うむ、ガラス・・いや、ギヤマンでできた筆じゃな。」



いわゆる"ガラスぺん"だ。


俺の能力は、どうも取り込んだものを加工して宝箱として出すことができるらしく、このようなものを作って渡したわけだ。



「すごい・・・きれー・・・。御霊蛇様!本当にありがとうございます!」


「うむうむ。」




そうして、取り込んだものを加工する術まで手に入れた俺だが、これ以外にもできるようになったことがある。

一度、それをまとめてみよう。


◻︎ダンジョン御霊蛇

・魔物生産 new

・宝物生産 new

・ダンジョン改装 new

・ダンジョン階層増加 new

・ダンジョンマップ

・マップ

・貯蔵品目

・内蔵魔力値:9000/10000



魔物生産や改装など、newと出ている場所は新たにできるようになった部分だ。

これまでは、項目としては存在したが、選択でいるものは何もなかった



しかし、魔物生産ではスライムを生産できるようになったし、宝物生産では、さまざまなものを取り込んで四郎丸にあげたようなものを作れるようになったわけだ。

それ以外にもダンジョン改装では、ダンジョンの部屋配置や中の罠、モンスターのポップ場所、施設など、いろいろなことができるようになっている。



だが、どうにもこれらは無限に行えるわけじゃなく、内蔵魔力値を消費して使えるようだ。

ガラスペン作りでは一挙に1000も消費してしまったこともあり、俺は他の機能を使うことに躊躇していたのだ。



「内蔵魔力・・、これ回復するのかな・・?」


現代人だった俺も、魔力なんてのはゲームでしか聞いたことはなかったし、既に半日以上経っているが、数値は一切変動していないのだ。

不安にもなるだろう。


だがその後、その日の分の食料(?)が放り込まれた後には完全回復していたので、どうも何かを吸収すると回復はするらしい。




───────────────────────────



───その日の夜



「魔力値が回復することも分かったし、とりあえず俺の体も改造していくか」



俺は、俺自身のこれからのことも考えて、ダンジョン機能をもっと充実させていくことにした。

暇だったのもあるしな。


「んー、なにからがいいかな・・?」


俺は、ダンジョンの改装メニューを見ながら、これからのダンジョンとしての方針を決めていく。


「やっぱ、千秋に味方するてのは基本方針だよな。四郎丸と契約してるし」



千秋家は熱田大宮司家の家であり、藤原南家の流れを汲む名門である。

熱田神宮そのものも、伊勢神宮に次ぐ大社であり、三種の神器の一つ、草薙剣を祀っている。


俺と契約している四郎丸は、恐らく千秋季忠だろう。

父親が千秋季光だと言っていたから、間違い無いと思う。


この親子は少なくとも信秀の時代から支えていて、二人とも織田家の重要な戦において戦死している。


父親の季光は"天文16年の稲葉山城攻め"

四郎丸は"桶狭間の戦い"


これらで二人とも戦死しているのだ。

悲惨なことに、四郎丸は1544年に、11歳で千秋の家を継いでいるし、四郎丸が桶狭間で戦死した年には、息子の季信が生まれている。



織田家に付き従い、織田家のために尽力した筆頭家系だとも言えるわけだ。



そんな四郎丸だが、どうも、今年で10歳(数え年)らしい。



「・・・・・・・・」


来年、彼の父親が死に、彼が家を継ぐことになるようだ。



「こんなことしてる場合じゃなくね?・・・・。なんとか季光氏の死を回避できないか・・・?」


そう考えた俺だったが、案が全く浮かばない。

俺は、あくまでもダンジョン。


この熱田神宮の土地から離れられないのだ。



「くっ!四郎丸の父親が死ぬのをみすみす見逃すしかないのか・・・?」



神を騙ってはいても、神ではない。

ダンジョンとしての力を持っていても、俺にできることなど精々かがゴミをくらい、宝物を作って渡すことくらい・・。



「・・・まてまて、案外できることはあるな。」



まだ一年あるのだ。

ダンジョンの検証から始めても遅くはないだろう。



───────────────────────────



───翌朝


俺は、四郎丸を呼び出し、ダンジョンの検証に付き合ってもらうことにした。


1番の検証要因は"魔物"についてである




「四郎丸。言った通り武器は持ったか?」


俺は、四郎丸と契約した際にできるようになった"念話"で四郎丸に木刀や刀のような武器を持ってくるように伝えていたのだ。


「はい!木刀持ってきました、神様!」



四郎丸はそういうと俺(穴の中で)に向かって、木刀を掲げて見せてくれた。


「うむうむ。お主のおかげで、ワシはいくらか力を取り戻すことができたのじゃがな。その中に妖怪を生み出す力というのがあるのじゃ。」


「妖怪・・・?」


「そうじゃ。その妖怪を倒すと、お主の力になる・・はずなんじゃが、実際のところどうなるのかがわからん。じゃから、契約者のお主に色々と試してもらいたいんじゃよ。」




俺は、俺自身をダンジョンだと思っているが、ダンジョンというのには俺が知るだけでも無数に種類がある。

モンスターを倒して力が手に入る場合とそうじゃない場合もあるのだ。



俺がどのジャンルに当てはまるのかわからない以上、四郎丸に試してもらって実際の効果や俺自身のことについて知っていく必要があるのだ。



「では、これからその妖怪を出すゆえ、叩き殺してくれ。」


「は、はい」


「うむ。ではゆくぞ?」



そういうと俺は、スライムを召喚する。

俺の召喚できるスライムは、"魔力消費0.01"


10000ある俺の魔力量だとそれこそ無数に出せるのだが、こいつの力は最弱。

本当に弱い・・・、はずだ。



こちらで魔物のステータスを見ることができるのだが、そのステータス値はこうだ。


====================

◻︎基本構成とコスト

・名称:マッドスライム

・ランク:H

・コスト:魔力消費0.01・泥10g


◻︎ステータス

・HP(耐久力):5/5

・STR(攻撃力):1

・DEF(防御力):1

・RES(魔法耐性):5

・SPD(速さ):1

・LUC(運):1

====================


これだ。

まぁ、他との比較ができないので、実際の力についてはわからない。

しかし、ランクがHということもあって弱いのはわかるだろう?


だから、俺はこれをド⚪︎⚪︎エのスライムと同系統のモンスターだと思ったわけだ。



そして、結果だが・・。



「えい!」ぽんっ!



四郎丸が木刀を振り下ろすと、スライムはぽんっと小さな粒子のようなものと共に消えていった。

そして、スライムが亡くなった後には、小さな赤い石が残った。



どうやら、"魔石"らしい。



「四郎丸、どうだった?」


「え・・と、すぐに倒せました。」


「体の調子はどうだ?」


「いえ・・何も。」



どうやら、ここは倒しただけではステータスが変わらない系の世界らしい。



「ふむ・・。なら、そこにある石をとってくれるか?」


「石・・・この赤いやつですか?」


「そうじゃ。それを食べてみよ」


「え?石をですか?」



四郎丸は最初、大分嫌がっていたが、俺がどうしてもというので、最後には食べてくれた。

すると・・・



「お?」


「え?な、なんですか、これ?」



四郎丸が魔石を飲み込んだ後、少しする、四郎丸の目の前にステータス画面が出た。


====================

◻︎基本構成と状態

・名称:千秋 四郎丸

・種族:人間(子供)

・年齢:10歳

・ランク:G

・状態:魔力中毒(極小)・覚醒


◻︎ステータス

・HP(耐久力):12/15

・MP(魔力):2/2

・STR(攻撃力):4

・DEF(防御力):3

・RES(魔法耐性):3

・SPD(速さ):7

・LUC(運):10


◻︎保有スキル

・スキル:魔力感知(Lv.0)

・スキル:土魔法耐性(Lv.0)

====================



「(低いのか高いのかわからん。)」


スライムより強いことはわかるが、この数値がどれだけのものなのかはさっぱりだ。

しかし、ステータスとして数値化されるというのは、彼にとってのモチベーションに繋がるだろう。


「うむ。それはお主の能力値だな。要は今のお主の力の全てよ」


「のうりょ、くち?ですか?」


「うむ、能力値といわれてもわからんよな。具体的に説明してやろう」


俺はそういうと、それぞれの項目とその意味について教えていった。


「しかし、数値の基準がわからんな・・。もう一体だす故、それを倒して、お主の父にも食わせてみい。」


「はい!わかりました。やってみます」



そういって、その日の検証は終わった。

有意義な成果とともに。


「みやこの『泥まみれ魔物図鑑』公開だよ!

魔物の弱点から、神さまの設計ミスまで全部書いちゃった。

"X"の固定ポストから見に来てね!」

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