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戦国ダンジョン ~現代人は信長の足元で、歴史支配の夢を見る~  作者: 斎藤 恋


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第12話:新たなる階層と気付き

───ダンジョン第一層


「そろそろよいか?」


ステータスについての説明をして、騒ぎが落ち着いた頃に声をかけた。



「あ、申し訳ありませぬ」「すみませぬ」


「よいよい。だが、今日をこれだけで済ませるのは勿体無いであろう?」


「ですな。本日も鍛錬をさせていただきたいですが如何でしょうか?」


季光は、見計らったように声をかける。



「うむ。ではどれほどが良いか?」


俺は四郎丸を通して、季光に召喚するモンスターはどれだけいるのかを聞いた。


「では、まっどこぼるとを1000体ほど。」


先程攻撃を喰らったものもいるが大丈夫なのか?と不安に思ったが、次からは集団で倒すそうだ。





「よし、全員配置についたな。・・・ではお願いします」


季光の掛け声に合わせて、俺は1000体のマッドコボルトを召喚する。



「(今日はこの鍛錬で終わりだな。)」


全員がまだ魔物、モンスターとの戦闘に慣れていないために、慣らさせようとしているのだろう。

ボコボコと地面から出てきたマッドコボルト相手に「出たぞ!囲め」「胴だ、胴を狙え!」などと声をかけながら、訓練は進んでいく。


だが集団戦闘ともなると流石に慣れているようで、20分ほどで最後の一体を撃破し、戦闘は終わった。



「ふぅ・・・、数は多いが脆いな」


「あぁ。だが、これだけ倒すと腕がパンパンだ」


足元には、マッドコボルトだった泥の残骸と、無数の赤い石が散らばっている。



「・・・これを拾うのか?」


家臣の一人が、うんざりした顔で呟いた。





「どうだった?やっていけそうか?」


俺はつい、新人社員に聞くように尋ねる。


「え?あ、はい。だいじょうぶです。」「もっと強くてもいいですね」

「少し疲れましたが、なんとか」「もう少しの間、一対一での鍛錬がしたいです」


と、彼らからはいろんな意見があったが、基本的にここでの戦闘は集団戦がメインだ。

それも恐らく、6人パーティになっての探索をしてもらうことになるだろう。


「今は、ここで戦闘訓練を積ませているが、明日からは下層での訓練じゃ。

そのつもりで心構えをしておけ。それと、季光」



俺は今後について相談したいと、四郎丸を通じて季光に声をかける。



「・・・明日からは6人一組で第二層に潜ることを許可する。

ここは5階層まであるんじゃが、第二から第五までの階層には、各所に札が貼っておる。

その札を取ってまいれ、それがしばらくの目標じゃな」



「札・・、承知しました。明日以降は、こちらで勝手に潜って良い、と言うことでしょうか?」


「あぁ、そう言うことじゃ。札を集めて、この第一層で交換できる形にしとる。じゃから、明日からは頑張るのじゃぞ」


「はっ!」



そうして、この日の訓練は終わらせた。




「しかし、こう、ちまちまやるのは面倒だな。もう少しダンジョンの改装でもするか」




────────────────────────────



───ダンジョン御霊蛇



「ふむ・・・さてどうしようか」


◻︎ダンジョン御霊蛇

・魔物生産

・宝物生産

・ダンジョン改装

・ダンジョン階層変更

・ダンジョンマップ

・地図

・貯蔵品目一覧

・内蔵魔力値:498349/625000

・分霊創造:進捗度1%:保有数:0

・化身創造:進捗度1%:保有数:0


「お、少し増えてるな。ん??」


俺は、魔力値を見ておかしなことに気づいた。


「あれ・・、なんで回復してんの?刀を結構作ったからもっと消費してると思ったんだけど・・・」



どうやら、魔力値が回復している様に見える。


初期値で考えるなら、刀を一本生み出すのに27000の魔力値がかかっていた。

つまり、11本で29万7000だ。

それに、端数などないから、もっと切りのいい数字になるはずだ。



だが、49万8349・・・。


「これ、回復してる?」


どうやら、食事以外でも回復するらしい。

しかし、今までは、誰も来ていない時に回復することはなかった。

これは確認している。



ということは


「人がいる時には回復する。そういうことか・・・。あ、だが、今まで四郎丸たちがいたのに回復しなかったのは・・・契約とかが関係しているのか・・?」


まだまだ、はっきりしたことはわからないままだが、どうやら、人が大勢いると俺の魔力は自然回復するらしい。

最大値は、毎夜の吸収による食事で増えるのだろう。



一気に最大値が増えた時は、生き物の死体があったからそれが原因かもしれない。

特に、人間の死体が1番最大魔力値が増えるようだ。



これを知って流石に少し鬱になる。

だが、千秋の協力を得て、罪人の処刑に使用したり、ここで供養という形に変えていくなどすれば、もっと成長できるんじゃないだろうか?


・・・少し、人間的な部分が消えてきているような気もする。



俺は人喰いの化け物になるつもりはないんだが・・・

だが、人間としての肉体がない俺は、どこまでも人間から意識が離れていってしまう



「早く肉体がほしいな・・」


四郎丸を通してしか意思疎通ができないというのは、思いの外苦痛だ。

食事だと言い張っている毎日の吸収だとて、別に味や快楽がそこに付随しているわけではない。



単に、ダンジョンメニューの品が増えていることでしか体感できない。

これでどうして、生きていると、人間だと言い張れるのだろう・・・



「まぁいい。今考えても仕方ない」



俺は頭を切り替え、鍛錬用の空間作りに取り掛かる。



「とりあえず、第二層に作ろう。だが、チュートリアル層とは別に。

第一層にもう一つ階段を用意して・・、ここは材質を変えておくか。木の階段でいいかな?」



もっと人数が増えた時のために鍛錬用の部屋を作るのだ。

第一層の入り口付近に、木製の階段を配置。

そして、そこから行ける鍛錬階層は、一本の通路と複数の部屋を配置する。


各部屋には、看板が架けられ、部屋の中に出るモンスターの名前が表記されているという分かり易い構造だ。


中のモンスターは、部屋を出入りするたびに発生するシステムだ。



「これで、俺が関わらなくても鍛錬はできるだろう。で、出現する魔物は、入り口から弱い順にならべて・・・」



こうして、ダンジョン内に新たな訓練用空間が出来上がることになった。



「もっと、人を呼ばせるか。部屋の中に石製の武器も入れておこう。・・・ハンマーと刀でいいよな?」




────────────────────────────



───念話


「四郎丸。聞こえるか、四郎丸」


「はい、御霊蛇様!・・どうかされたのですか?」



久しぶりのダンジョン外での念話に少し身構えているようだ。


「いや、私の中、ダンジョンの中に鍛錬用の空間を作ったのだ。入り口付近に階段を設けてあるから、明日はそこに入って鍛錬するが良い。」



この鍛錬用空間でいくら訓練しても、魔石しか渡せないのだが、それもこれももっと強くなってからだろう。


「鍛錬用・・ですか?」


「そうじゃ。鍛錬用の空間は一本道。その横には部屋があり、部屋には看板がある。看板にはその部屋内で出現するモンスターの名前が書かれておる。

とりあえず、各部屋20体は出る様にしてある。」


「あ、はい!ありがとうございます御霊蛇様!」


「それともう一つ。マッドスライムの部屋も用意したからの。ここで、もっと人を増やし鍛錬すると良いぞ?」


「人を・・、わかりました。父上と相談してみます!」


「うむうむ。確か、孤児を囲っておったじゃろ?

足軽を使うより裏切りの心配も少ないであろうから、食事を与えてそ奴らを使えばよいだろう。」


と、最後は足早に言い残して念話を切った。






「孤児・・人を増やす・・・。早く父上に伝えなきゃ!」



───ダンジョンは広がっていく。それは、戦国時代にどこまで影響を与えるのか?ダンジョン自身にもまだ、わからないままだった。


「みやこの『泥まみれ魔物図鑑』公開だよ!

魔物の弱点から、神さまの設計ミスまで全部書いちゃった。

"X"の固定ポストから見に来てね!」

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