世界の端っこの小さな宝石
掲載日:2025/10/27
世界の端っこで小さな宝石を見つけた。
それは、周囲の光を吸収する黒い宇宙そのものだった。
手に取った瞬間、痛みとともに無数の宇宙の残滓が頭の中に投射されていく。
一瞬の静寂の後に、急激に爆発する星。
高速で宇宙を漂う銀河団。
巨大な隕石と隕石がぶつかり、衝撃波が波紋のように広がる宇宙。
それらはいま、この瞬間にも、実際に夜空の奥に存在している。
過去も未来も、いまも。
すべては同時進行なのだ。
人間の物語も、
太陽系の物語も、
どこかの星々の物語も、
それは宇宙の壮大な物語の一部。
僕は小さな宝石を強く握り締め、ゆっくりと前を見た。
居場所を見失い、生まれた意味を探していた自分がひどく滑稽に思える。
目の前の灰色だった世界は、静かに息づきはじめた。
頭の中の宇宙と現実の感覚がゆっくりと溶け合い、衰弱した重い身体は重力から解き放たれたように軽い。
すると、小さな宝石から黒い糸のようなものが伸び、僕の身体をやさしく包み込んでいく。
それはどこか冷たかった。
でも、それが心地よかった。
そして僕は、
世界の端っこで宇宙と一体になった。




