第91話『裂かれた大地』
―空が、割れた。
黒い雷が天空を切り裂き、
アルナスの森を包む結界が、音を立てて崩れ落ちた。
豊かな魔素が宿るはずの聖域が、
今や《虚領》の瘴気に飲まれつつある。
そこは、かつてシンたちが守った場所だった。
―だからこそ、世界の終わりが近づいていることを、誰よりも彼らは感じていた。 1,アルナスの消滅
スイ:「……森が……森が……」
ユイナ:「ちがう。泣いてるんじゃない……森が、世界の悲鳴を“代わりに叫んでる”んだ…… !」
巨大な魔物たちが暴走を始め、
アルナスの森に住まう精霊たちですら、姿を消していく。
この森の“調和”が壊れ始めていた。
シン:「こんな……あいつと約束したのに……!」
”あいつ”そう.....ラグ=ノクス。
シンは、木々の間に手を触れる。
だが、精霊の声はもうほとんど聞こえなかった。
それだけ、《虚領》の侵食が深刻だということ。
……世界が“変えられようとしている”。
ニャルス:「……アイン=ゼロの“世界再構築”が、本格的に始まったってわけだな」 2,各国の共闘
そのとき――空を裂いて、各国の飛行艦が現れる。
《聖暦連合》《グランマギア王国》《アスファル公国》……
かつて敵対していたはずの国家たちが、ここアルナスに終結していた。 艦の上から、重厚なマントを纏った老魔導士たちが降り立つ。
老魔導士:「……ここが、かの《アルナスの森》か。子供たちが命を懸けて守った場所…… ならば、私たちも戦う理由に足る」
彼の手には、七色に輝く“光の結晶”が握られていた。
老魔導士:「これは世界中の魔導士たちが、その“核”を削り、未来に託した力。希望の種 ……君たちに託す」
シン:「……ありがとう。俺たちは……もう、守れないものばっかりだと思ってた。だけど、まだ繋がってるんだな……」
スイ:「……だから……まだ戦える……!」
ユイナ:「この森を……この世界を、もう一度救うために……!」
だが、空から突然、黒雷が降り注ぐ。
アルナスの森に、巨大な魔法陣が顕現した。
その中心に現れたのは―アイン=ゼロ。
アイン=ゼロ:「この場所も、過去にすがる“幻想”にすぎん。君たちの“想い”で世界が救え るというなら―見せてみろ、“奇跡”を」
彼の背後には、レイの姿があった。
影と雷を纏うその身は、依然として“敵”のものでありながら―
その瞳だけは、どこかで“抗って”いた。
シン:「……レイ。もう、無理しなくていい。絶対、迎えに行くから……!」
そしてシンの内に、結晶の光が溶け込んでいく。
“世界の魔力”が、シンという器に流れ込み、
新たな力が胎動を始める。
ニャルス:「……こいつ……“融合”してやがる……」
《雷》《影》《時》《空間》……だけじゃない。
もっと根源的な、“世界の始まり”に通じる魔法が―今、彼の中に目覚めようとしていた。
アイン=ゼロ:「あ、そうだ。クリナたちは覚えてるかい?」
シン:「あぁ...覚えてるよ....だからどうした?」
アイン=ゼロ:「私は、クリナたちを喰った....非常に美味しかったよ.....これが証拠だ....」
アイン=ゼロの魔力が変化する。
そこには確かにクリナ・ネクロ・グラヴィの魔力があった
シン:「アイン=ゼロ!!!!!!!!!!!」
アルナスの森が、戦場になる。
ただの戦いじゃない。
世界の“未来”を賭けた、最後の抗争の始まり。
最恐VS最強
シンたちはもう一度、立ち上がる。
その背には―世界中の“想い”があった。
次回―
断層の世界。




