第86話『赤い月の下で』
赤い月が、空を染める。
都市《レゼル=ファーレ》の空に浮かぶ、それはまるで“神”の眼。
ロッシュ:「シン!!!」
シン:「ロッシュ!!久々に地上に来たら、やばいことなってんじゃん....」
そして、そこから現れたのは―《完全体アイン=ゼロ》
巨大な黒翼、虚ろな瞳、そして時空を歪めるその気配。
アイン=ゼロ:「―この世界の《始まり》を、見せてあげよう」
その瞬間、都市の重力が反転し、空に引き寄せられる建物。
悲鳴がこだまするなか、シンたちは王城屋上へ跳躍する。
スイ:「っ……魔力の流れが……めちゃくちゃになってる……!」
ニャルス:「これは……“世界書き換え”だ。コイツ……この世界そのものを“巻き戻す”つもりだ」
レイ:「“ゼロからやり直す”って……そういうこと……?」
ユイナ:「じゃあ……この世界も、わたしたちの存在も……消えるの?」
ロッシュ:「そんなの、させるかよ!」
アイン=ゼロは、手を広げる。
その手から広がる“魔法陣”は、かつてクロノが見せた《時間魔法》をさらに上回る《万有魔法》
まさに宇宙の力
シン:「来るぞ……!」
そのとき―
レイが姿を現す。
ユイナ:「え……?」
レイ:「わたし……ずっと、あんたたちのこと……騙してた。父親のことも。やっぱり……」
脳裏に響く、ひとつの声―
アイン=ゼロ:「君は私の《鍵》なんだよ、レイ。君の“選択”が、すべての運命を定める」
そして、現実に戻ったレイは、ゆっくりとシンたちから離れ―
レイ:「ごめん、シン……みんな……。やっぱり....お父さんのこと信じるよ.....」
シン:「……レイ……?」
そのまま、レイはアイン=ゼロのもとへと歩き出す。
スイ:「ちょっ……なにやってんの!?
ロッシュ:「……まさか、あいつ……」
アイン=ゼロは、微笑んだように見えた。
アイン=ゼロ:「さあ、選ぶといい。レイ。“滅びの未来”か、“やり直しのゼロ”か……」
そして―
《黒の神殿》と呼ばれる異空間が、レイとアイン=ゼロを包み込む。
それは、かつてクロノが心を閉ざし、創り上げた“零”の中心。
シン:「レイッ!!!待て!!」
だが、その声は届かない。
ユイナ:「……行っちゃった……レイ……」
ニャルス:「……これで、“計画”は最終段階に入ったな」
次回―
黒の神殿で待ち受けていたのは、アイン=ゼロの真実―。
そして、レイが手にかけてしまう。




